詩の本の思潮社

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新刊情報

【近刊・予約受付中】広田修『vary』


生まれ変わりのメロディー


自己の余剰を消し去った廃墟で
ただその不在の構造を
消えていく過程を
一冊の書物にしたためる
(序詩)

「私は対話を好む人間である。詩集もまた読者との対話のために編まれている。対話のきっかけは与えられた。ここから先はあなたが主導して問いかけをし、また自ら回答を考え出し、終わりなき対話を始めていくのだ」(あとがき)。生まれ変わりのメロディーを紡ぐ、第2詩集。

本体2200円+税
四六判並製・96頁
ISBN978-4-7837-3572-4
2017年6月刊

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【近刊・予約受付中】細田傳造『かまきりすいこまれた』


たましいの絵を描く


きのう大雨が降ってかまきりがかまきりにすいこまれた
幼稚園のバスの見送りのお母さんが三人
道端の草むらに吸い込まれて
見えなくなった
(「かまきりすいこまれた」)

名もなきいのちの棲処からにゅっと顔をのぞかせて、世界の見方を無邪気に、ときに鋭く攪乱させる。老年と幼年の間をのらりくらりと自在にさまよう、最新詩集。

本体2200円+税
A5判変型並製・96頁
ISBN978-4-7837-3570-0
2017年6月刊

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河津聖恵『夏の花』


極小の祈りのすがた


無数の黒い穴は問いもだえる
死ぬことも生きることも滅んだのに
宇宙の一点をいま花の気配が叛乱する
(「月下美人(一)」)

「ここに花は咲くのか、なぜ咲くのか――いまも闇を落ちながら咲きつつ裂く声に耳を澄ませながら、新たな詩の力を考え感じていきたいと思っています」(あとがき)。原発事故後に書き継がれた、花をモチーフとする、魂の17篇。装画=玉川麻衣、装幀=毛利一枝

本体2300円+税
四六判上製・112頁
ISBN978-4-7837-3567-0
2017年5月刊

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甘里君香『ロンリーアマテラス』


生命の設計図が引かれる


空から一粒の真珠がすべりこんだ瞬間からやり直す
匂いと温もりと目を合わせて会話する女の世界に
比較競争数字組織立ち入り厳禁の札を立てる
(「数字組織立ち入り禁止」)

「〈子どもを抱いているのに苦しいのは罪ですか〉。延々と引き継がれてきたおかあさん。しきたりも社会通念もない、原初の、のびやかに解放された縄文への憧れを秘めて、甘里さんは疼く心でまるごと時代を抱え込もうとしている」(中塚鞠子)。
現代の灰色の覆いの下、母と子の生活に点滅するエラーボタン。小さな魂が全身で発する痛みにヒリヒリと共鳴し、空の故郷と対話する、渾身の第1詩集。

本体2200円+税
A5判並製・112頁
ISBN978-4-7837-3569-4
2017年4月刊

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陶原葵『帰、去来』


注目の第3詩集


あれが誰だか知らないはずはなかろう

知らないはずはないのですが実をいうと
それは誰だって かまやしないのです
(「帰、去来」)

陶淵明の隠遁に思いを寄せ、自らの来し方行く末をなぞらえるように身を添わせていく。中原中也、高村光太郎、萩原朔太郎……と近代詩を逍遙しながら、自身の言葉を小石のように置いていく。『明石、時、』から7年、注目の第3詩集。装画=津田貴司、装幀・組版=川本要

本体2500円+税
菊判上製・104頁
ISBN978-4-7837-3559-5
2017年4月刊

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竹内新編訳『楊克詩選』


「民間」の詩人


大豆・コーリャンと土地を争い
住み慣れた家に住む老若男女と土地を争っている
今はビルディングが都市の作物だ
(「いま都市の作物ビルディング」)

「民間の運命とは、永遠に権力を消し去り、放棄することを意味する」(楊克)。「朦朧詩」以後、1980 年代末から90年代に登場した「第三代」の実力派詩人、楊克。平明な表現で隠れた社会現実を浮かび上がらせたその代表作を網羅し、エッセイやインタヴューなど豊富な資料を収載。個人の真に独自の経験をあらわす「民間」の詩学を凝縮する。

◎楊克(ヤン・クー)
1957年江西省生まれ。中国「第三代」の実力派で、「民間」の立場から詩作する代表的詩人の一人。主な詩集に『見知らぬ交差点』『不器用な指』『関係と無関係』『柘榴の炎』『楊克の詩』など。『中国新詩年鑑』主編。国内外の詩人と幅広い交流があり、受賞多数。現在、広東省作家協会副主席、国家一級作家。

本体2400円+税
四六判並製・226頁
ISBN978-4-7837-2773-6
2017年4月刊

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古賀大助『汽水』


人が経つ 時が交じる


――まちんしゃい
もういないひとの声が降る
消えたトランクを胸に抱いていた
東へ いざ
おわりがはじまるようだ
(「夏のおわり」)

水のように形をかえる時間の汽水域に佇み、なつかしい人や風景、日常に滴るかすかな音をきく。23年ぶり、待望の第3詩集。

本体2400円+税
A5判変型上製・114頁
ISBN978-4-7837-3563-2
2017年4月刊

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四元康祐『小説』


言葉・ことば・コトバ


詩人さん、お馬鹿さん
一瞬のあとは
永遠だって思いこんでる
本当はその中間こそ肝腎なのに
そこでしかあたしたち生きられないのに
(「蟻の歌」)

心のなかから言葉が消えるとき、自分は自分の外へと滲み出す。詩と小説の距離は表現の方法だけにとどまらない。つねに実験的冒険作で読者を驚倒させてきた著者が、詩のかたちで問いかける、小説、詩、そして言葉と人間。新詩集2冊同時刊行! 装幀=中島浩

本体2400円+税
A5判並製・160頁
ISBN978-4-7837-3566-3
2017年5月刊

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四元康祐『単調にぼたぼたと、がさつで粗暴に』


自由詩のゆくえ


だから野火焼きながらお口パクパク
領土のようにワイシャツの胸元はだけて
ファック斉唱!
(「儀式と強制」)

朔太郎は昭和初期の詩のほとんどが「単調にぼたぼた」か「がさつに粗暴」だと嘆いたが、私たちは、むしろ自ら進んでその「ぼたぼた・がさつ」を引き受けるべきではないか。もっと奔放に、野方図に、私たちを取り巻く現実の諸相に詩の触手を伸ばして。新詩集2冊同時刊行! 装幀=中島浩

本体2400円+税
A5判並製・160頁
ISBN978-4-7837-3565-6
2017年5月刊

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金田久璋『鬼神村流伝』


小さな抒情的叙事詩


埋(い)くれば 山崩(くえ)の引く
川に流せば 何かにつかまって 一節なと残ろ
焼いたっちゃ ほかほかと尻が火照(ほて)ってよかとよ

地べたに蹲(つくば)って
ぶつくさ一人愚痴る
草取りの農婦のモノローグから
やがて目ざめ 繁り出す露草のダイアローグ
(「物言う草」)

「金田さんの自己創造というべき肉声が、柔かい息遣いで、フォークロアの世界を通奏低音のように低く響かせることで、独自な意志(常民的生涯者にたいする共感)をもった抒情的叙事詩として成立させる」(倉橋健一)。風土の記憶に定住者の生死を交差させ、田の泥土から現代の違和を穿つ第4詩集。

本体2600円+税
A5判上製・142頁
ISBN978-4-7837-3560-1
2017年4月刊

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