詩の本の思潮社

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新刊情報

暁方ミセイ『魔法の丘』


風景の眼を


光は高純度
あんなにぺらぺら折れながら
酸素もない場所を通ってくるのに
わたしは温かな生命活動を
まだ続けていくのが悲しかった
(「冬の太陽」)


「(正数です/風景は/盛り上がったり生まれたり/せわしない正数の/じゅくじゅくとした蠢動/それらでできた/まるみを帯びた光景です」(「ワールドドーム」)。見つめるものは見つめ返される――。受信体となり、詩人は知覚の縁へと果敢に歩んでゆく。『ウイルスちゃん』『ブルーサンダー』につづく、注目の第3詩集。装幀=カニエ・ナハ

本体2000円+税
A5判変型並製・98頁
ISBN978-4-7837-3594-6
2017年10月刊

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秋山基夫『文学史の人々』


文学が担うべき課題とは何か


文学を読む人は、幼いときはただ夢中になって読み、中学生にもなるとひたすら溺れるように読み、さらに読みつづけると作者が何が言いたいのか、自分はそれが読めているのかどうか不安になる。(…)何が正しいか深いか、それは自分が何をどう書こうとするかによってどのようにも決まる。ひとは書くように読み、読むように書く。
(あとがき)

正岡子規、森鷗外、樋口一葉、石川啄木、若山牧水、三木露風、萩原朔太郎、種田山頭火、そして戦時下の詩人たち……文学史上の諸問題をさぐるべく、詩、散文、注を一体として呈示する画期的評論。装幀=則武弥、装画=河井いづみ

*この本はオンデマンド出版で、アマゾンのサイト(Amazon.co.jp)のみでの販売になります。書店および思潮社営業部での取り扱いはありません。ご注文ごとに印刷製本し、24時間以内に発送、2~3日でお手元にお届けします。送料、印刷手数料等はかかりません。お問合せ=03-3267-8141(思潮社編集部)

本体2200円+税
オンデマンド版(ペーパーバック)・268頁
ISBN978-4-7837-3810-7
2017年11月刊

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たかとう匡子『私の女性詩人ノートⅡ』


石垣りんから小池昌代まで


おびただしい散文の量から現代詩を考えるとき、そのどこを切り取ってもその作品は一篇の〈詩〉だ。詩的であるということは詩のこころの裏打ちがあるからで、石牟礼道子は徹底して自己の内面をくぐらせながら他者、外部を語る詩人と言えよう。内向きへ内向きへと内向きだけになると文化はダメになる。(…)この人をはずしてはほんとうの戦後詩は語れまい。
(「石牟礼道子」)


詩史的な観点をはずさずに、なおも女性の詩にこだわっていきたい。戦後の同時代を生きた詩人から、いま旺盛な活動を展開する書き手まで。石垣りん、石牟礼道子、森崎和江、久坂葉子、石川逸子、宇多喜代子、山本道子、倉田比羽子、井坂洋子、伊藤比呂美、平田俊子、小池昌代――時代に挑戦し、詩の表現について格闘してきた12人をめぐる詩人論ノート、待望の第2冊!装幀=井原靖章

本体2400円+税
四六判上製・210頁
ISBN978-4-7837-3809-1
2017年10月刊

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松本秀文『「猫」と云うトンネル』


一筋の光に向かって


空が雲を笑わせているのか
雲が空を笑わせているのか
わからないまま猫は昼寝している
(「「猫」と云うトンネル」)


ちっぽけなものに当ててみようか、ささやかな詩のスポットライトを――。ユーモアと諧謔はそのままに、新たな光と闇をまとってやってきた、2年ぶりの新詩集。装幀=中島浩

本体2200円+税
A5判変型上製・110頁
ISBN978-4-7837-3596-0
2017年10月刊

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藤本哲明『ディオニソスの居場所』


留まることなく


わたしは
いつか、
ランディ・バース上院議員
に会いに
オクラホマの
農場へ
行きたい

色々なこと
勝手に、
話しかけてみたい
(「明石市太寺にある、」)


「「物語」が、巧みに布置される「行」の間隙から溢れ出る。(…)その「溢れ」において「悲歌」を維持するのだ」(稲川方人)、「彼は一人称にこだわり続けて傑作をものにした」(大野南淀)。共同詩集『過剰』につぐ第2詩集。期待の詩人、本格始動へ。カバー写真=河口梨奈

本体2300円+税
A5判変型並製・146頁
ISBN978-4-7837-3592-2
2017年10月刊

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マーサ・ナカムラ『狸の匣』


第54回現代詩手帖賞


タ テ タ テという音がなったが、
人が戻った音でも 雨粒が落ちた音でもなく、
参列にきた狐が(意味も分からず)
狸の背をたたいているのである。
(「柳田國男の死」)


「此岸から異界へ、異界から此岸への横滑りがなんの垣根もなく連続している世界」(朝吹亮二)、「清冽な情感と生き物の温もり、世界の神秘と謎の暗示、そこからやってくる密かな励まし」(中本道代)。幽明の、生物の、時空の境をこえ、詩想を自在に羽ばたかせる。颯爽と紡ぎだす、現代の民話20篇! 装画=小笠原あり、装幀=奥定泰之

本体2000円+税
四六判並製・106頁
ISBN978-4-7837-3595-3
2017年10月刊

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水出みどり『夜更けわたしはわたしのなかを降りていく』


疼くものがある


このつかのまの自由
名付けえぬものたちが
さざめきあい
やさしいトレモロとなる
この夜明け
(「結子」)


「ひとの話しかたと歩く道は似ている。理路整然と立て板に水のように話す雄弁さよりも口ごもりながら懸命に話す朴訥さにこころ惹かれる」(「道」)。「誰も行く人のない」道を辿るように、夜の底に幾重にも縫い込められた波の襞をほどいてゆく。巡り続ける思念の、静けさに宿る烈しさを記す、第5詩集。

本体2200円+税
四六判上製・112頁
ISBN978-4-7837-3588-5
2017年10月刊

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菅沼美代子『手』


しなやかにつなぐ


触れにいった手に触れてくる手が
やさしく重なって
あたたかい温もりがひろがってゆく
水面に広がる輪が
最後には岸まで伝わるように
(「手」)


「生きるということは、苦痛におもりをおろしていくことです。そこから生活の深みを知ります。そこにこの詩人の〈強さ〉も感じます」(三木卓)。いのちの熱を手でつなぎ、やさしい対話の時間をつむぐ。まっさらな言葉で「在るということ」をうたいあげた、15年ぶり、待望の第5詩集。カバー作品=内藤淳

本体2500円+税
A5判上製・106頁
ISBN978-4-7837-3591-5
2017年10月刊

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広瀬大志『魔笛』


最後の音


もしも
受け取ろうとする手が
宙をかき回すと
形がつくられ
何者か戦慄する
(「魔笛」)


ときに言葉はささめく白い歌謡、そして激しく蠕動し互いを追いつめる異形の音。「この終わりは/むしろ/神話と呼ぶにふさわしい/これからの生首」(「哲学ゾンビ」)。全ては魔法の笛で歌うために。羽か挽歌か、未聞の音楽(メタファー)の立ち上がりを、――ただ聴け。装幀=中島浩

本体2400円+税
A5判上製・112頁
ISBN978-4-7837-3589-2
2017年10月刊

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谷合吉重『姉(シーコ)の海』


瞠目の第二詩集!


半月に照らされる新河岸川のほとり、
クダマキたちの鳴き声はアジテーターの前の群衆に似て
ぼくを死地へと導く。

「谷合氏は、その地縁血縁のほとんど消えつつある都市郊外の風景の中心に、もっとも身近な薄幸な「姉(シーコ)」の姿を召喚した。(…)はじめて自らの詩の彷徨の核心に辿り着いた」(吉田文憲)。時代の猥雑なノイズによって構造化された抒情の陰影。薄幸な姉の姿を追って、言葉が彷徨い出る先に何が起こるのか。詩とは悼みと出来事の連続である。装幀=稲川方人

本体2400円+税
四六判上製・110頁
ISBN978-4-7837-3585-4
2017年9月刊

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