詩の本の思潮社

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新刊情報

【近刊・予約受付中】古田嘉彦『華茎水盤』


花が…


花が突然行う世界の転換に対する準備ができている者はいない
我々は当惑するだけだ
しかし本当に生きるということについては
「準備」は錯覚でしかない
愛にも死にも準備はできない
(「花」)

あじさい、桜、立葵、ヒマワリ、カンナ……。美しく咲く花々や樹木に生と死の真理を探して語る最新作品集。

本体2000円+税
A5判変型並製・64頁
ISBN978-4-7837-3564-9
2017年6月刊

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【近刊・予約受付中】秋山基夫『月光浮遊抄』


古典を詩で生き直す


夢の中に訪れた人に夢の外でも抱かれていた
夢の中でわたしたちは二人きりだったけれど
夢の外ではわたしたちのうわさがひろがった
月のない夜にもあの人は夢の中にやってきた
(「つゆ草の青色」)

「引用は文学・芸術の重要な方法だが、単にそれだけのことではなく、人の生存の基礎的条件であり、だからこそ人に創造的行為を可能にするのだというべきだろう」(あとがき)。詩はどのようにして可能なのか。〈引用〉を原理的方法として、類のない構想力で古典世界と現代を往還する力作詩集。装幀=中島浩

本体2600円+税
菊判変型上製・112頁
ISBN978-4-7837-3573-1
2017年7月刊

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【近刊・予約受付中】野村喜和夫『哲学の骨、詩の肉』


言語活動の原初へ


場所の全体を引き受けて、まるごとそれが詩の生起しうる場となるようにしなければならないのである。発話はそこでは、詩的な傾向を帯びようと帯びまいと、切実に不可避的に発せられたという事実性のほうが、いわば真実への権利を有している。そしてその真実が詩なのだ。(…)哲学と詩、倫理と想像力、あるいは詩人の責務と権能――それらは別のものではありえず、行為において結ばれうるものなのである。 (第10章 詩と/の場所)

現代詩とポストモダンの交差をもくろみ、場を切り拓いてきた詩人が、総決算を果たすべく「詩と哲学のあいだ」を思索する。ハイデガー、シャール、ツェランの深淵から、ニーチェを読む朔太郎、隠喩をめぐる諸問題、そして自身の詩的歴程まで。渾身の、詩論のライフワーク。装幀=宗利淳一

本体2800円+税
四六判上製・280頁
ISBN978-4-7837-3807-7
2017年6月刊

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【近刊・予約受付中】野村喜和夫『デジャヴュ街道』


幻想の世界地図


エデンホテルを発つ日、その日ならば、
めずらしく湖は晴れあがり、
この世の果てが、赤茶けた山容そのままに、
あらわれているだろうか、あるいは尻を、
ひっきりなしの街道の騒音に撫でられながら、そうして朝、
無頭の柔らかい子が、光の茅のあいだ、
力の棕櫚のあいだを、湖へと、
歩み去るまで、
(「エデンホテル」)

オルガスムス屋、神経の蟻、錆と苔、霊の抜け駆け、廃墟、染色体……。原詩テキストに登場した事物や生き物たちが、新たな記述とともにリンクを張る。名が集められ、刻がわきたち、われわれは出発する――。90年代からの連作群、ついに結実! 躍動の、詩のライフワーク。装幀=宗利淳一

本体3600円+税
菊判上製・232頁
ISBN978-4-7837-3571-7
2017年6月刊

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ネーモー・ウーティス/沓掛良彦訳『ギリシアの墓碑によせて』


生者と死者との魂の交感


おお哀れなる者どもよ、なぜいつまでもいたずらに坐しおるか?
家と輪形なす都城の高き頂を捨てて、地の果まで逃れよ。
都城は頭も、胴も、端なる足も、手も、中心も
あますところなく失いて、跡形もなく滅び尽くさん。
(「序詩」)

「夭逝したルネッサンスの無名詩人がギリシアの墓碑に寄せる熱烈な称賛が、ギリシアを愛する東洋の老骨の訳筆によって今ここに蘇る。/リルケを深く感動させ、ゲーテをも落涙せしめたという、生者と死者との魂の交感を永遠に石に刻んだギリシアの墓碑のもつ圧倒的な魅力を詠った無名詩人の詩には、時空を異にするわれわれ日本人の心をもとらえ、揺るがせるものがあるかと思われる」(加部雛子)。四半世紀余り前、滞在中のローマの古書店で、訳者が偶然見つけた小さなアンソロジーに収録されていた、18世紀の宮廷詩人、ネーモー・ウーティスの本邦初の訳詩集。文学史上ではおそらくまったく語られることのなかった幻の詩人の作品が、いま最適な訳者によって甦る。限定300部。布製函入美装本。装幀=中島英樹。発行=大和プレス

本体5000円+税
B5判上製函入・124頁
ISBN978-4-7837-2774-3
2017年5月刊

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貞久秀紀『具現』


外のなかで


日のあたる時と所に
みえているこの光景が
これと逐一同じべつのものだとしても
だれがちがいを語りうるだろう
(序)

「現代詩手帖」に「写生の試み」として連載された作品を中心に、見えるものをとおして見えるものの具現を試みる38篇の小景。装幀=夫馬孝

本体2400円+税
A5判上製・108頁
ISBN978-4-7837-3568-7
2017年6月刊

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広田修『vary』


生まれ変わりのメロディー


自己の余剰を消し去った廃墟で
ただその不在の構造を
消えていく過程を
一冊の書物にしたためる
(序詩)

「私は対話を好む人間である。詩集もまた読者との対話のために編まれている。対話のきっかけは与えられた。ここから先はあなたが主導して問いかけをし、また自ら回答を考え出し、終わりなき対話を始めていくのだ」(あとがき)。生まれ変わりのメロディーを紡ぐ、第2詩集。

本体2200円+税
四六判並製・96頁
ISBN978-4-7837-3572-4
2017年6月刊

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細田傳造『かまきりすいこまれた』


たましいの絵を描く


きのう大雨が降ってかまきりがかまきりにすいこまれた
幼稚園のバスの見送りのお母さんが三人
道端の草むらに吸い込まれて
見えなくなった
(「かまきりすいこまれた」)

名もなきいのちの棲処からにゅっと顔をのぞかせて、世界の見方を無邪気に、ときに鋭く攪乱させる。老年と幼年の間をのらりくらりと自在にさまよう、最新詩集。

本体2200円+税
A5判変型並製・96頁
ISBN978-4-7837-3570-0
2017年6月刊

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河津聖恵『夏の花』


極小の祈りのすがた


無数の黒い穴は問いもだえる
死ぬことも生きることも滅んだのに
宇宙の一点をいま花の気配が叛乱する
(「月下美人(一)」)

「ここに花は咲くのか、なぜ咲くのか――いまも闇を落ちながら咲きつつ裂く声に耳を澄ませながら、新たな詩の力を考え感じていきたいと思っています」(あとがき)。原発事故後に書き継がれた、花をモチーフとする、魂の17篇。装画=玉川麻衣、装幀=毛利一枝

本体2300円+税
四六判上製・112頁
ISBN978-4-7837-3567-0
2017年5月刊

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甘里君香『ロンリーアマテラス』


生命の設計図が引かれる


空から一粒の真珠がすべりこんだ瞬間からやり直す
匂いと温もりと目を合わせて会話する女の世界に
比較競争数字組織立ち入り厳禁の札を立てる
(「数字組織立ち入り禁止」)

「〈子どもを抱いているのに苦しいのは罪ですか〉。延々と引き継がれてきたおかあさん。しきたりも社会通念もない、原初の、のびやかに解放された縄文への憧れを秘めて、甘里さんは疼く心でまるごと時代を抱え込もうとしている」(中塚鞠子)。
現代の灰色の覆いの下、母と子の生活に点滅するエラーボタン。小さな魂が全身で発する痛みにヒリヒリと共鳴し、空の故郷と対話する、渾身の第1詩集。

本体2200円+税
A5判並製・112頁
ISBN978-4-7837-3569-4
2017年4月刊

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