詩の本の思潮社

ホーム > 新刊情報
新刊情報

【近刊・予約受付中】暁方ミセイ『ウイルスちゃん 新装版』


第17回中原中也賞受賞!


緑色地帯から
発光している
しがつの霊感の、稀薄な呼気だけを肺胞いっぱいに詰めて
そのまま一生沈黙したい
(「呼応が丘 二〇〇九年五月十四日」)


「表現に節度はあっても、無理はない。なだらかなことばの山並が、世界を徐々に確実に形成する。時は流れ、空がひろがるのだ。自意識と告白に浸食された現代の詩。そのなかでこの詩集の深みのある明るさは格別である」(毎日新聞)。新しい抒情の在処を告げた鮮烈なデビュー詩集。装幀=カニエ・ナハ

本体2200円+税
A5判変型並製・112頁
ISBN978-4-7837-3590-8
2018年1月刊

本のご購入はこちらから



 

駱英/竹内新訳『文革記憶――現代民謡』


悲嘆よりも呪詛を


こういう作品は、私のような世代の人間によってしか書けない。私たち誰もが、暴力を振るった者であり、それを懺悔している者でもあるからだ。(…)それは即ち物語であり、現代の民謡であり、エレジーであり、やりきれなくて吐き気をもよおす記憶だ。
(後記)


「歴史というものは腐敗する 永遠に信頼してはならない」(「腐敗した逃亡者」)。文化大革命とは、我々とは何であったのか。かつて紅衛兵だった詩人が歴史と人間存在の本源を抉る。血と闇の呪詛が地鳴りのように響きわたる衝撃の問題作!

本体2400円+税
四六判並製・240頁
ISBN978-4-7837-2777-4
2018年1月刊

本のご購入はこちらから



 

クレア・ロバーツ/髙岸冬詩訳『ここが私たちの上陸地』


極北の光と音の世界


あなたが降参した
あの冬を回想すれば
瞬時に思い出すことでしょう
郵便ポストへ向かい
白霜の中を歩いていくと
全世界の光と空間を
枝の中に抱きしめた
ポプラ林の光り輝く動脈に
辿りついていたことを。
(「変化」)


「ここがぼくたちの上陸地、/月明かりのフータリンクアだ。」(「到着」)。カナダの大自然に暮らす人々の現在と、ゴールドラッシュ時代の交響が降りなす、類を見ないスケールの大きな世界。注目の新鋭の第1詩集、鮮烈なる全訳。装画=ジェーン・イサクソン

本体2200円+税
四六判並製・176頁
ISBN978-4-7837-2776-7
2018年1月刊

本のご購入はこちらから



 

中原秀雪『モダニズムの遠景――現代詩のルーツを探る』


現代詩は何処から?


プレ・モダンとモダンが入り混じった不安定な昭和の初期に、三人の詩人たちのモダニズムとの付きあい方の違いはそれぞれ興味深いものがある。その『モダニズムの遠景』を素描してみることで、これから先の「現代詩」のあり方を少しでも見とおすことができればというささやかな試みである。
(あとがき)


「昭和十年代のモダニズム詩に、独自なかかわり方をした詩人、丸山薫、春山行夫、金子光晴。この三人はまた、かつてのモダニズムの先端都市名古屋や、その周辺が出身地だ。現代詩の誕生と名古屋を結んで、モダニズムの源流を見据えながら、明日の詩の在り方を構想している。名古屋在住の詩人、中原秀雪は、誰もが見落としていた、現代詩史の暗部から議論を始めた。それが楽しい」(北川透)。
現代詩はどこから発生したのか。春山行夫、丸山薫、金子光晴という三人のモダニズム詩人たちに共鳴する、生地名古屋周辺の風土と現代詩の源流との関わりを探りながら、「現代詩」の発生から変遷の過程をそれぞれの作品を引用しつつ綿密に考察し、詩の在り方までを見渡した画期的な詩論集。装幀=宮下香代

本体2400円+税
四六判上製・224頁
ISBN978-4-7837-3811-4
2017年11月刊

本のご購入はこちらから



 

福田拓也『倭人伝断片』


最新詩集


岩肌の中にわたしはやがて一つの複雑な文様となって消失し、わたしもはやいないということ自体が一つの風景として開かれる、
(「「倭人伝」断片」)


記憶と現在とを揺蕩いながら、果てなき地点に向けて書き継がれたさまざまなイマージュの断片。第32回現代詩手帖賞受賞以降、先鋭な詩作と切先鋭い評論の両輪で精力的に活動する俊英詩人による最新詩集。

本体2200円+税
A5判変型上製・84頁
ISBN978-4-7837-3597-7
2017年11月刊

本のご購入はこちらから



 

山内功一郎『沈黙と沈黙のあいだ――ジェス、パーマーとペトリンの世界へ』


詩さがしへのいざない


語源的に「大気のそよぎ」あるいは「呼吸」と関連づけられる「亡霊」(spirit)の出現を機に、それまで窒息しかかっていた私たちがもし呼気と吸気の循環をひとまず取り戻すことができるとすれば、そのこと自体には幾ばくかの価値が認められはしないだろうか?
(「ペトリンのノートブック」)


サンフランシスコ、東京、京都、パリ――それらの都市で、ひとりのアメリカ文学者が詩人や画家たちをはじめとするアーティストたちの世界へと歩み入り、やがて彼らの作品が発する「無音のざわめき」へと耳を澄ましはじめる。鮎川信夫賞受賞『マイケル・パーマー』に次ぐ、言語の詩と非言語の詩が生じる地点へと読者をいざなうトラベローグ。

本体2400円+税
四六判上製・234頁
ISBN978-4-7837-3808-4
2017年12月刊

本のご購入はこちらから



 

十田撓子『銘度利加』


第1詩集


さきの世で繋がる人たちはとうに立ち去った

とても遠い呼び声を
ずっと聞いていたような気がする
(「銘度利加」)


「来満街道は、山深い大湯で育った少女の、そしてこの詩集の夢の通り路である」(吉田文憲)。「『銘度利加』は、新しい受洗者名簿(メトリカ)として、大湯の町のハリストス正教の記憶を後の世に伝えるだろう」(林浩平)。この土地を行き交う者たちの気配を、胎内に響かせ、鎮める、聖なるうた声。第1詩集。装幀=猿山修

本体2200円+税
A5判変型並製・112頁
ISBN978-4-7837-3593-9
2017年11月刊

本のご購入はこちらから



 

暁方ミセイ『魔法の丘』


風景の眼を


光は高純度
あんなにぺらぺら折れながら
酸素もない場所を通ってくるのに
わたしは温かな生命活動を
まだ続けていくのが悲しかった
(「冬の太陽」)


「(正数です/風景は/盛り上がったり生まれたり/せわしない正数の/じゅくじゅくとした蠢動/それらでできた/まるみを帯びた光景です」(「ワールドドーム」)。見つめるものは見つめ返される――。受信体となり、詩人は知覚の縁へと果敢に歩んでゆく。『ウイルスちゃん』『ブルーサンダー』につづく、注目の第3詩集。装幀=カニエ・ナハ

本体2000円+税
A5判変型並製・98頁
ISBN978-4-7837-3594-6
2017年10月刊

本のご購入はこちらから



 

秋山基夫『文学史の人々』


文学が担うべき課題とは何か


文学を読む人は、幼いときはただ夢中になって読み、中学生にもなるとひたすら溺れるように読み、さらに読みつづけると作者が何が言いたいのか、自分はそれが読めているのかどうか不安になる。(…)何が正しいか深いか、それは自分が何をどう書こうとするかによってどのようにも決まる。ひとは書くように読み、読むように書く。
(あとがき)

正岡子規、森鷗外、樋口一葉、石川啄木、若山牧水、三木露風、萩原朔太郎、種田山頭火、そして戦時下の詩人たち……文学史上の諸問題をさぐるべく、詩、散文、注を一体として呈示する画期的評論。装幀=則武弥、装画=河井いづみ

*この本はオンデマンド出版で、アマゾンのサイト(Amazon.co.jp)のみでの販売になります。書店および思潮社営業部での取り扱いはありません。ご注文ごとに印刷製本し、24時間以内に発送、2~3日でお手元にお届けします。送料、印刷手数料等はかかりません。お問合せ=03-3267-8141(思潮社編集部)

本体2200円+税
オンデマンド版(ペーパーバック)・268頁
ISBN978-4-7837-3810-7
2017年11月刊

本のご購入はこちらから



 

たかとう匡子『私の女性詩人ノートⅡ』


石垣りんから小池昌代まで


おびただしい散文の量から現代詩を考えるとき、そのどこを切り取ってもその作品は一篇の〈詩〉だ。詩的であるということは詩のこころの裏打ちがあるからで、石牟礼道子は徹底して自己の内面をくぐらせながら他者、外部を語る詩人と言えよう。内向きへ内向きへと内向きだけになると文化はダメになる。(…)この人をはずしてはほんとうの戦後詩は語れまい。
(「石牟礼道子」)


詩史的な観点をはずさずに、なおも女性の詩にこだわっていきたい。戦後の同時代を生きた詩人から、いま旺盛な活動を展開する書き手まで。石垣りん、石牟礼道子、森崎和江、久坂葉子、石川逸子、宇多喜代子、山本道子、倉田比羽子、井坂洋子、伊藤比呂美、平田俊子、小池昌代――時代に挑戦し、詩の表現について格闘してきた12人をめぐる詩人論ノート、待望の第2冊!装幀=井原靖章

本体2400円+税
四六判上製・210頁
ISBN978-4-7837-3809-1
2017年10月刊

本のご購入はこちらから