詩の本の思潮社

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新刊情報

【近刊・予約受付中】ギヨーム・アポリネール/森田いく子訳『動物詩集またはオルフェの行列』

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フランス詩の古典的名作、待望の新訳


不確かさ、おお 私の悦び!
君と私は二人してゆく
ザリガニが歩くように、
後ずさり、後ずさりして。
(「ザリガニ」)


「アポリネールの詩は多彩であるが、いずれも読者の心に直に語りかけてくる。デュフィの木版画との掛け合いから生まれた本作においても、その機知とユーモアはおおらかで、読む者の心も自ずと開かれる。積年の研鑽が実って森田いく子が上梓するこの新訳を通して、わたしたちは詩人の精髄により一層ふかく親しむことが出来る」――宇佐美斉

アポリネールの第1詩集にして、言葉とイメージが一体となった詩学の宣言書。堀口大学の初訳から100年、フランス詩の古典的名作が、最新資料をふまえた新訳でよみがえる! 木版挿画=ラウル・デュフィ、装幀=中島浩

2420円(税込)
A5判変型上製・96頁
ISBN978-4-7837-2635-7
近刊・予約受付中

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【近刊・予約受付中】ロサリア・デ・カストロ/桑原真夫訳『ラ・フロール』

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記念すべき第一詩集


 今日、痛みを嘆いて泣くことだけが残り、
心からの愛を夢見て、眠りなさい
私の存在を否定する終わりのない幸せ
栄光と喜び、そして幸福よ逃げ去れ!……
(「想い出」)


スペインの国民的詩人ロサリア・デ・カストロ。そのわずか48年の生涯のなかで、1857年、20歳の時に、初恋の詩人アウレリオ・アギーレを思慕したというモチーフを、ロマン主義的詩語をちりばめながら流麗にまとめ、早くもその詩的才能が結実していると高評価を得て、現在もスペイン中で愛読されている第一詩集の完訳。

〇同じ著者によって
ロサリア・デ・カストロ/桑原真夫編訳『新葉』(2022年)
ロサリア・デ・カストロ/桑原真夫訳『サール川の畔にて』(2016年)

2640円(税込)
四六判上製・144頁
ISBN978-4-7837-2634-0
近刊・予約受付中

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中本道代『風に鳴る山』

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濃密な気配を

父や叔父の足跡が山道に消える
牡の息が吹き込まれる
深奥に血を秘めて
風に鳴る山
動物たちの瞳孔で星々から落ちてきた水が光る
(「断裂」)

記憶の奥に潜むいのちと自然への畏怖を辿り、滅ぼされたものたちの心を見つめる。萩原朔太郎賞受賞作『接吻』から8年、生命の深奥をふかく見つめ、未踏の表現を切り拓く。龍の髭/雨のノート/彷徨い人/眷属/樹木たち/音楽…6章の構成で、過去から現在、そして未来へ、その先を指し示す31篇。組版・装幀=清岡秀哉

2530円(税込)
A5判変型筒製・112頁
ISBN978-4-7837-4641-6
2026年3月刊

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井坂洋子『文鳥』

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いのちの管


ひび割れた舗道に生える
エノコログサやメヒシバのはかないその領域
縁こそ息づく町の
外気を圧して漂っているのは
人であってすでに人ではなかったが
(「精霊の管」)

デビュー以来、様々な変遷を経て、独自の書法を突き詰めた詩型の最終形態。「現代詩手帖」などを中心に書き継がれた作品を中心に、生命そのものとして、言葉の、あるがままのすがたを差し出してみせる。現代詩花椿賞最後の受賞となった『七月のひと房』から9年ぶりの新詩集。装画=高橋千尋、装幀=佐々木安美

2530円(税込)
四六判上製・112頁
ISBN978-4-7837-4640-9
2026年3月刊

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楊佳嫻/池上貞子・謝惠貞訳『金色のからす』

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台湾現代詩人シリーズ⑰


踊れ 膨れ上がった氷河よ
闇を脱ぎすて まがい物の知恵を脱ぎすてて
じかに誠実な頭蓋骨でもって苦痛にむかい敬礼せよ
(「バイオレンス・ワルツ」)


「楊佳嫻が描く孤高の「金色のからす」は、愛を起点に傷口から壮大な歴史観を探求する魂の告白であり、言葉を黄金へと鍛え上げんとする錬金術の書である」(訳者解説)。詩人の美意識の閃光が、孤高の魂の傷を世界の余震へと拡張する――台湾新世紀世代のトップランナーの代表作、鮮烈なる本邦初訳。

2750円(税込)
四六判並製・224頁
ISBN978-4-7837-4000-1
2026年4月刊

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岩阪恵子『一羽』

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しなやかな眼差し、散文詩35篇


 おはよう。
 と言ったわけではなかった。その一羽のヤマガラは。ふっくらとした橙の腹に青灰の翼、頭には黒の帽子。なにより真ん丸の黒い目がじっとわたしを見ていた。こいつはなにかな、木かな、と。ほんの数秒間。いや月までかかる時間よりも長く。
(「おはよう」)


降り積もる時間のなかで、ふとした瞬間にひそむ驚き。飾りない言葉で静謐な死生観と生きる彩りを描きだす。『鳩の時間』から6年をかけて書き継がれた新詩集。装幀=清岡秀哉

〇同じ著者によって
『鳩の時間』(2019年・第57回歴程賞)
『その路地をぬけて』(2016年)

2640円(税込)
A5判変型並製筒入・112頁
ISBN978-4-7837-4632-4
2026年2月刊

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現代詩文庫特集版『モダニズム詩集Ⅱ』

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新しい詩の運動
鶴岡善久編


河は埋もれた
そして夢は消えた
太陽は大地を裂き
女は引金を引いた
兵士は見事に射殺された
世界が狂ひ
美しいと云はれた花も
風の中でわめきはじめた
(楠田一郎「黒い歌Ⅱ」)


戦争の影に覆われてゆく昭和10年代、雑誌「詩法」「新領土」に集い、戦後詩の輝かしい幕開けを準備した若きモダニストたちの驚くべき挑戦。装幀=芦澤泰偉

【収録詩人】
村野四郎 上田修 服部伸六 菊島常二 江間章子 今田久 永田助太郎 小林善雄 楠田一郎 池田時雄 小山田輝彦 大島博光 伊藤正斎 亜騎保 鮎川信夫 松本隆晴 田村隆一 秦保二郎 三好豊一郎 中桐雅夫 山中散生 岡崎清一郎 岬絃三 片岡敏 長谷部林造 竹内武男 黒田三郎 木原孝一

〇関連書籍
現代詩文庫特集版『モダニズム詩集Ⅰ』
季村敏夫・高木彬編『一九二〇年代モダニズム詩集――稲垣足穂と竹中郁その周辺』

2200円(税込)
四六判並製・216頁
ISBN978-4-7837-0946-6
2026年3月刊
*文字化けしてしまう可能性があるので、ご注文の際はローマ数字の「Ⅱ」を算用数字の「2」に置き換えてください。

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江田つばき『四月一日』

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待望の第1詩集


もはや何の花なのか
分からなくなった鉢植えを前に
おそろいのわたしたちは笑った
(「カーネーション」)


「江田さんが日常に置いた軸足はブレない。けれど、淡々と暮らし、働き、歩きながら その詩は生きることの生々しさに触れて ずうっと柔らかくふるえている。もう大丈夫だよと、抱きしめたくなる。詩が、彼女の日々に到着してよかった」――大崎清夏

誰ひとり取りこぼさないようにすること――〈ユリイカの新人〉が紡ぐ19の詩篇。
装幀=戸塚泰雄、装画=ムラサキユリエ

2420円(税込)
四六判並製・112頁
ISBN978-4-7837-4644-7
2026年4月刊

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井戸川射子『中座を横から見たscene』

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生まれた日の遠ざかる


ほとりに立っていたあの私よ
ほとりはひたひたで 境界とはぐずぐずなのだと
輪郭をなぞった私よ
(「初山踏み」)


「ここに来てしばし触れよというのが人生で/人生に もぎ取られてしまう実/私たちの想像は遠くまで及ぶことはない」(「先取りし変わりやすい」)。すべての事物は流動している――。認識の殻を破り、新たな描線がいま走り出す。『する、されるユートピア』『遠景』につづく、待望の第3詩集。装画=小穴琴恵

〇同じ著者によって
『遠景』(2022年)

2200円(税込)
A5判変型並製・112頁
ISBN978-4-7837-4639-3
2026年3月刊

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森本孝徳『懐炉』

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熱いものをなつかしむ


寝台のうえで
死者をよみがえらせたい一心で
前のページへ、さらに前のページへと
すばやく指を滑らせるのだ
(「Picnic」)


「詩行とナラティブの淵、記述と抒情の淵を溶かし始めた、森本の言葉の滲む輪郭にこそ、われわれが感受できる“歴史”の射程を越えようとする新しい“イメージ”がみえる。入口が過去の森本の詩よりやさしい、この詩集に「言葉の丸腰」で飛び込めばよい」――町屋良平

待望の第3詩集。装幀=森敬太、装画=ナカガワコウタ

〇同じ著者によって
『暮しの降霊』(2020年・第36回詩歌文学館賞)
『零余子回報』(2015年・第66回H氏賞)

2530円(税込)
四六判並製・120頁
ISBN978-4-7837-4638-6
2026年2月刊

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呉晟/明田川聡士訳『彼はまだ若い――呉晟二十一世紀詩集』

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台湾の国民的詩人の軌跡


我らの玉山、彼は今若い
激しい振動に何度も耐え
烈火が燃え盛り、斧や鋸で残された傷跡
苦難をともに歩んだ台湾と同じく、深い痛みが
彼を育てあげ、さらに育てあげる
(「彼はまだ若い」)


「詩は、まるで樹木のようだ。生活に根ざし、感動から芽吹き、思索から成長し、知恵から発展して、共鳴のなかで伝播する。(…)それならば、もう一度自分の新しい題材や作風、ひいては新しいスタイルでの創作の道筋が開けるのを期待したい」――呉晟

台湾を代表する詩人、呉晟。60余年にもわたる詩作と、芸術と社会を繫ぐ思考の鍛錬により、21世紀の台湾の人々や社会、自然環境の問題を包括的に表す。台湾文学奨受賞作、待望の完訳。

3080円(税込)
四六判並製・304頁
ISBN978-4-7837-2799-6
2025年12月刊

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野村喜和夫『萩原VS西脇――二十世紀日本語詩の可能性』

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21世紀日本語詩の先へ
詩集・評論集同時刊行


世界=言語のこわばりを解くアナーキーな言葉の技法、それが西脇的諧謔であり、萩原から西脇へと渡された「二十世紀日本語詩」の可能性そのものである。
(「44 西脇的諧謔の射程」)


萩原朔太郎から西脇順三郎へと渡された「二十世紀日本語詩」の可能性とは何か。両詩人を徹底的に比較検討し、21世紀へと文学的連続性を展開する、実験的・多孔的評論集。装幀=中島浩

〇同じ著者によって
『地面の底のわれわれの顔――わが近未来近代』(2025年)
『パッサル、パッサル』(2024年)
『妖精DIZZY』(2021年)
『危機を生きる言葉――2010年代現代詩クロニクル』(2019年)
『デジャヴュ街道』(2017年)
『渦巻カフェ』(2013年・北川健次と共著)
『ヌードな日』(2011年・第50回藤村記念歴程賞)

3740円(税込)
A5判上製・312頁
ISBN978-4-7837-3836-7
2025年11月刊

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野村喜和夫『地面の底のわれわれの顔――わが近未来近代』

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20世紀日本語詩を解き放つ
詩集・評論集同時刊行


プロジェクトは完了だ、私はもう詩は書かないが、
その沈黙をこのタワーに巻きつけて、黒い繭、
朔太郎の黒い繭としてそびえる、
断乎、そびえるのだ、
(「コクーン市逍遥――朔太郎をサンプリングしながら」)


蒲原有明から吉増剛造まで――20世紀日本語詩の豊饒な可能性を、多彩な書き換え行為によって解き放つ、時間錯誤的・近未来近代的新詩集。装幀=中島浩

〇同じ著者によって
『萩原VS西脇――二十世紀日本語詩の可能性』(2025年)
『パッサル、パッサル』(2024年)
『妖精DIZZY』(2021年)
『危機を生きる言葉――2010年代現代詩クロニクル』(2019年)
『デジャヴュ街道』(2017年)
『渦巻カフェ』(2013年・北川健次と共著)
『ヌードな日』(2011年・第50回藤村記念歴程賞)

3740円(税込)
A5判上製・192頁
ISBN978-4-7837-4637-9
2025年11月刊

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湖中千絵『流体に溶けただれかの音楽』

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精神の汽水域


通り過ぎていく人たち、靴の音、コンクリートのにおい、からだの内側にあった宝石たちが存在する外側のこの世界、に存在する、自分自身もその一部であることを。
(「宝石すくい」)


「純白への望み、銀の粉となって、散らばる願い。少女とは、この世の新たな天地創造を奏でる知恵者のことだろうか。湖中千絵は、生まれる前にいたところの暖気や冷気を感じながら、贖罪のようにことばを編み、遠い世界の悦びの響きをいまに重ねようとしている」――井坂洋子

永遠と瞬間、からだと幻想の境界は揺らぎ、文字にならないことばは、さざなみのような歌になる――2025年の「ユリイカの新人」が奏でる第1詩集。装幀=花山周子

2530円(税込)
四六判上製・104頁
ISBN978-4-7837-4636-2
2025年11月刊

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川上雨季『光をつたって』

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第2詩集


ハロー海

そちらの世界はどうですか
そちらの世界は

(「いくつもの海」)


詩集『光をつたって』にある言葉は、 今を生きるその生の断片をあざやかに切りとる。だけでなく、そこにひそむ不安や痛みを生の言葉で浮き彫りにする。川上雨季の詩はこの不安や痛みを光のようにまとってステップを踏みだしてゆく。──朝吹亮二

「せかい」にひらかれたことばは、「光」を伝って、たゆたい、つらなり、はがれ、うつろう。語り手はときに言い澱み、文体は自ずと変化を希いながら、「わたし」と「あなた」との硲を、時明かりのように照らし出す。──井上法子

北陸での生活、能登の大地震、たくさんの傷みを引き受けながら、それでも世界はうつくしい。インカレポエトリ叢書の第2弾として刊行された『節節』から5年ぶり、第2詩集。装画=齋藤春佳 撮影=上野則宏 組版・装幀=佐野裕哉

川上雨季(かわかみ・うき)
1999年神奈川県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。第1詩集に『節節』(インカレポエトリ叢書2、2020年、七月堂)、責任編集として『とある日 詩と歩むためのアンソロジー』(2023年、とある日編集部)、同作にて第12回エルスール財団新人賞現代詩部門を受賞。

2530円(税込)
四六判上製・112頁
ISBN978-4-7837-4635-5
2025年11月刊

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