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新刊情報

中原秀雪『モダニズムの遠景――現代詩のルーツを探る』


現代詩は何処から?


プレ・モダンとモダンが入り混じった不安定な昭和の初期に、三人の詩人たちのモダニズムとの付きあい方の違いはそれぞれ興味深いものがある。その『モダニズムの遠景』を素描してみることで、これから先の「現代詩」のあり方を少しでも見とおすことができればというささやかな試みである。
(あとがき)


「昭和十年代のモダニズム詩に、独自なかかわり方をした詩人、丸山薫、春山行夫、金子光晴。この三人はまた、かつてのモダニズムの先端都市名古屋や、その周辺が出身地だ。現代詩の誕生と名古屋を結んで、モダニズムの源流を見据えながら、明日の詩の在り方を構想している。名古屋在住の詩人、中原秀雪は、誰もが見落としていた、現代詩史の暗部から議論を始めた。それが楽しい」(北川透)。
現代詩はどこから発生したのか。春山行夫、丸山薫、金子光晴という三人のモダニズム詩人たちに共鳴する、生地名古屋周辺の風土と現代詩の源流との関わりを探りながら、「現代詩」の発生から変遷の過程をそれぞれの作品を引用しつつ綿密に考察し、詩の在り方までを見渡した画期的な詩論集。装幀=宮下香代

本体2400円+税
四六判上製・224頁
ISBN978-4-7837-3811-4
2017年11月刊

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福田拓也『倭人伝断片』


最新詩集


岩肌の中にわたしはやがて一つの複雑な文様となって消失し、わたしもはやいないということ自体が一つの風景として開かれる、
(「「倭人伝」断片」)


記憶と現在とを揺蕩いながら、果てなき地点に向けて書き継がれたさまざまなイマージュの断片。第32回現代詩手帖賞受賞以降、先鋭な詩作と切先鋭い評論の両輪で精力的に活動する俊英詩人による最新詩集。

本体2200円+税
A5判変型上製・84頁
ISBN978-4-7837-3597-7
2017年11月刊

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山内功一郎『沈黙と沈黙のあいだ――ジェス、パーマーとペトリンの世界へ』


詩さがしへのいざない


語源的に「大気のそよぎ」あるいは「呼吸」と関連づけられる「亡霊」(spirit)の出現を機に、それまで窒息しかかっていた私たちがもし呼気と吸気の循環をひとまず取り戻すことができるとすれば、そのこと自体には幾ばくかの価値が認められはしないだろうか?
(「ペトリンのノートブック」)


サンフランシスコ、東京、京都、パリ――それらの都市で、ひとりのアメリカ文学者が詩人や画家たちをはじめとするアーティストたちの世界へと歩み入り、やがて彼らの作品が発する「無音のざわめき」へと耳を澄ましはじめる。鮎川信夫賞受賞『マイケル・パーマー』に次ぐ、言語の詩と非言語の詩が生じる地点へと読者をいざなうトラベローグ。

本体2400円+税
四六判上製・234頁
ISBN978-4-7837-3808-4
2017年12月刊

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十田撓子『銘度利加』


第1詩集


さきの世で繋がる人たちはとうに立ち去った

とても遠い呼び声を
ずっと聞いていたような気がする
(「銘度利加」)


「来満街道は、山深い大湯で育った少女の、そしてこの詩集の夢の通り路である」(吉田文憲)。「『銘度利加』は、新しい受洗者名簿(メトリカ)として、大湯の町のハリストス正教の記憶を後の世に伝えるだろう」(林浩平)。この土地を行き交う者たちの気配を、胎内に響かせ、鎮める、聖なるうた声。第1詩集。装幀=猿山修

本体2200円+税
A5判変型並製・112頁
ISBN978-4-7837-3593-9
2017年11月刊

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暁方ミセイ『魔法の丘』


風景の眼を


光は高純度
あんなにぺらぺら折れながら
酸素もない場所を通ってくるのに
わたしは温かな生命活動を
まだ続けていくのが悲しかった
(「冬の太陽」)


「(正数です/風景は/盛り上がったり生まれたり/せわしない正数の/じゅくじゅくとした蠢動/それらでできた/まるみを帯びた光景です」(「ワールドドーム」)。見つめるものは見つめ返される――。受信体となり、詩人は知覚の縁へと果敢に歩んでゆく。『ウイルスちゃん』『ブルーサンダー』につづく、注目の第3詩集。装幀=カニエ・ナハ

本体2000円+税
A5判変型並製・98頁
ISBN978-4-7837-3594-6
2017年10月刊

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秋山基夫『文学史の人々』


文学が担うべき課題とは何か


文学を読む人は、幼いときはただ夢中になって読み、中学生にもなるとひたすら溺れるように読み、さらに読みつづけると作者が何が言いたいのか、自分はそれが読めているのかどうか不安になる。(…)何が正しいか深いか、それは自分が何をどう書こうとするかによってどのようにも決まる。ひとは書くように読み、読むように書く。
(あとがき)

正岡子規、森鷗外、樋口一葉、石川啄木、若山牧水、三木露風、萩原朔太郎、種田山頭火、そして戦時下の詩人たち……文学史上の諸問題をさぐるべく、詩、散文、注を一体として呈示する画期的評論。装幀=則武弥、装画=河井いづみ

*この本はオンデマンド出版で、アマゾンのサイト(Amazon.co.jp)のみでの販売になります。書店および思潮社営業部での取り扱いはありません。ご注文ごとに印刷製本し、24時間以内に発送、2~3日でお手元にお届けします。送料、印刷手数料等はかかりません。お問合せ=03-3267-8141(思潮社編集部)

本体2200円+税
オンデマンド版(ペーパーバック)・268頁
ISBN978-4-7837-3810-7
2017年11月刊

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たかとう匡子『私の女性詩人ノートⅡ』


石垣りんから小池昌代まで


おびただしい散文の量から現代詩を考えるとき、そのどこを切り取ってもその作品は一篇の〈詩〉だ。詩的であるということは詩のこころの裏打ちがあるからで、石牟礼道子は徹底して自己の内面をくぐらせながら他者、外部を語る詩人と言えよう。内向きへ内向きへと内向きだけになると文化はダメになる。(…)この人をはずしてはほんとうの戦後詩は語れまい。
(「石牟礼道子」)


詩史的な観点をはずさずに、なおも女性の詩にこだわっていきたい。戦後の同時代を生きた詩人から、いま旺盛な活動を展開する書き手まで。石垣りん、石牟礼道子、森崎和江、久坂葉子、石川逸子、宇多喜代子、山本道子、倉田比羽子、井坂洋子、伊藤比呂美、平田俊子、小池昌代――時代に挑戦し、詩の表現について格闘してきた12人をめぐる詩人論ノート、待望の第2冊!装幀=井原靖章

本体2400円+税
四六判上製・210頁
ISBN978-4-7837-3809-1
2017年10月刊

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松本秀文『「猫」と云うトンネル』


一筋の光に向かって


空が雲を笑わせているのか
雲が空を笑わせているのか
わからないまま猫は昼寝している
(「「猫」と云うトンネル」)


ちっぽけなものに当ててみようか、ささやかな詩のスポットライトを――。ユーモアと諧謔はそのままに、新たな光と闇をまとってやってきた、2年ぶりの新詩集。装幀=中島浩

本体2200円+税
A5判変型上製・110頁
ISBN978-4-7837-3596-0
2017年10月刊

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藤本哲明『ディオニソスの居場所』


留まることなく


わたしは
いつか、
ランディ・バース上院議員
に会いに
オクラホマの
農場へ
行きたい

色々なこと
勝手に、
話しかけてみたい
(「明石市太寺にある、」)


「「物語」が、巧みに布置される「行」の間隙から溢れ出る。(…)その「溢れ」において「悲歌」を維持するのだ」(稲川方人)、「彼は一人称にこだわり続けて傑作をものにした」(大野南淀)。共同詩集『過剰』につぐ第2詩集。期待の詩人、本格始動へ。カバー写真=河口梨奈

本体2300円+税
A5判変型並製・146頁
ISBN978-4-7837-3592-2
2017年10月刊

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マーサ・ナカムラ『狸の匣』


第54回現代詩手帖賞


タ テ タ テという音がなったが、
人が戻った音でも 雨粒が落ちた音でもなく、
参列にきた狐が(意味も分からず)
狸の背をたたいているのである。
(「柳田國男の死」)


「此岸から異界へ、異界から此岸への横滑りがなんの垣根もなく連続している世界」(朝吹亮二)、「清冽な情感と生き物の温もり、世界の神秘と謎の暗示、そこからやってくる密かな励まし」(中本道代)。幽明の、生物の、時空の境をこえ、詩想を自在に羽ばたかせる。颯爽と紡ぎだす、現代の民話20篇! 装画=小笠原あり、装幀=奥定泰之

本体2000円+税
四六判並製・106頁
ISBN978-4-7837-3595-3
2017年10月刊

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