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北川朱実『乾杯』

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仮縫いの天体で


もうすぐ草木に埋もれる
その前にと

見えない手が
グラスを高く揚げる
(「乾杯!」)


「千年のコーヒーの木の下/背中だけになった妹に/さがし続けた時間が降り続けている//この天体は/何の仮縫いなのだろう」(「遊星」)。懐かしい人びと、渦巻く時間が溶け合ってグラスが揺れる。体の奥に、誰も知らない海が一つある。忘れえぬ光景を連れて、夜明けへと彷徨う新詩集。装画=辻憲

〇同じ著者によって
『遠く、水門がひらいて』(2020年)
『夜明けをぜんぶ知っているよ』(2017年・第29回富田砕花賞)
『三度のめしより』(2015年)

2750円(税込)
A5判上製・112頁
ISBN978-4-7837-4616-4
2025年6月刊

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