【近刊・予約受付中】北川朱実『乾杯』
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仮縫いの天体で
仮縫いの天体で
もうすぐ草木に埋もれる
その前にと
見えない手が
グラスを高く揚げる
(「乾杯!」)
「千年のコーヒーの木の下/背中だけになった妹に/さがし続けた時間が降り続けている//この天体は/何の仮縫いなのだろう」(「遊星」)。懐かしい人びと、渦巻く時間が溶け合ってグラスが揺れる。体の奥に、誰も知らない海が一つある。忘れえぬ光景を連れて、夜明けへと彷徨う新詩集。装画=辻憲
〇同じ著者によって
『遠く、水門がひらいて』
『夜明けをぜんぶ知っているよ』
『三度のめしより』
2750円(税込)
A5判上製・112頁
ISBN978-4-7837-4616-4
近刊・予約受付中