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新刊情報

【近刊・予約受付中】瀬崎祐『水分れ、そして水隠れ』

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言葉は色を変える


夜が明ける前に出かけましょう
わたしは光を失うところへ行かなければならないのです
(「女将の出立」)


眼球から流れ出た風景は溶けあい、無彩色の波紋から遠く呼び声が響く。湯のなかで渦巻く陰翳が見せるひと夜の宿り。新境地を拓く第7詩集。

2640円(税込)
A5判上製・96頁
ISBN978-4-7837-3793-3
近刊・予約受付中

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添田馨『獄門歌』

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こんな傷ついた世界で


暗澹たる法廷が開廷する
終末の世々に聳えたつ影の絞首台
風水の呪法もとどかぬ穴闇の奥で
伝説の法廷がいよいよその重い扉をひらくのだ
(「Ⅰ獄門歌」より)

〈詩〉はいかなる陣形のもとに争闘しうるか?―――大きく傷ついた世界の境涯のなまなましい切断面が、暴力となり襲ってくるときに。死者からの暴風に全身をさらし、液状化する感性の地層を裂いてはじまる、かつてない言葉の〝私戦〟の撃発……。5年ぶりの新詩集。装幀=佐々木陽介

目次
Ⅰ 獄門歌
暗澹たる法廷/ヒットレルが死んだ/暗黙の意志/贋物のボナパルト/非望の党/未明の開廷
Ⅱ 弔言歌
戦争/死刑/暗殺/自殺/粛清
Ⅲ 液状歌
液=状/必=急/一九五五/パゴスの移動/天空のパレオパラドキシア/Hong Kong Way/鄧麗君轉生/MUST WIN, BEST ACTION/プーチンを終わらせる

虚喩的思考――〈言葉〉に対するまったき信憑とは

*この詩集はオンデマンド出版で、アマゾンのサイト(Amazon.co.jp)のみでの販売になります。書店および思潮社営業部での取り扱いはありません。ご注文ごとに印刷製本し、24時間以内に発送、2~3日でお手元にお届けします。送料、印刷手数料等はかかりません。お問合せ=03-3267-8141(思潮社編集部)

1760円(税込)
オンデマンド版(ペーパーバック)・156頁
ISBN978-4-7837-4500-6
2022年7月刊

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【近刊・予約受付中】倉橋健一『歌について――琢木と茂吉をめぐるノート』

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転形期を読む


私はこのふたりのうら若き歌人を、一方から一方へと見るのでなく、一方に加担するのでもなく、その折々を、どこまでも平衡感覚のなかで眺めることで、私なりに明治末期という転形期の時代相をとらえてみたいと思った。
(「私にとって歌とは何か」)


文学的挫折をへて『一握の砂』を刊行、揺れる時代を鋭敏な感性で切り拓きつつも夭折した石川琢木。「アララギ」の師・伊藤左千夫との対立のなかで自らの歌と歌論を磨き上げ、『赤光』に至る斎藤茂吉。二人の若き歌人の、ときにすれ違い、ときに重なる足跡を辿り、近代短歌の結節点をとらえなおす交差的批評。装幀=髙林昭太

目次

1 茂吉の出立
2 『赤光』以前
3 縮みと集中・余話
4 茂吉の目
5 啄木と自然主義
6 初期茂吉の歌論
7 啄木の謎
8 左千夫と茂吉
9 若いアララギ
10 茂吉のかたち
11 啄木の内部急迫(drang)
12 茂吉の内部急迫(drang)
私にとって歌とは何か あとがきにかえて

2640円(税込)
四六判上製・192頁
ISBN978-4-7837-3827-5
近刊・予約受付中

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【近刊・予約受付中】井戸川射子『遠景』

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あなたはわたしを拡大して


体と言葉が通じないので泣いている
わたしは見守る役だ
(「荒れる木星表面」)


「口が互いに開き合い/迎えにきてくれる人を望んでいる/聡明な馬、正しい矢のように/行きたい場所がある気がする」(「帯の彫刻」)。離れ、広がっていくわたしたちの時間を、繊細になぞってゆく。中原中也賞、野間文芸新人賞をうけた注目詩人による、待望の第2詩集。装画=著者

2200円(税込)
四六判上製・98頁
ISBN978-4-7837-3790-2
近刊・予約受付中

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【近刊・予約受付中】北原千代『よしろう、かつき、なみ、うらら、』

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小さきものたちに


よしろう、かつき、なみ、うらら、
わたしの指はひとりでに先をゆく
かるくなった髪がすこし揺れているでしょう
ふかいところが鳴動している
(「よしろう、かつき、なみ、うらら、」)


「ディキンスンのように/咲いてしまうほどひとを愛したことがある」(「ディキンスンのように」)。若き日のドイツ滞在の記憶、父母を看取った日々、「魂がふるえたことの真実」を記す。H氏賞受賞の前作『真珠川 Barroco』から6年ぶりの新詩集。装幀=佐野裕哉

2420円(税込)
A5判上製・88頁
ISBN978-4-7837-3791-9
近刊・予約受付中

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峯澤典子『微熱期』

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通りすぎてゆく


夢から覚めたあとにはきまって、母から離れ、うまれてはじめてひとりで歩いた朝の小道を思いだします。つもったばかりの粉ゆきのうえにはちいさな生きものの足跡。小鳥、野兎、栗鼠、子狐。
(「ひとりあるき」)

みずからの居場所などはじめからもたずにてん、てん、と、かりそめの読点のように、非情な月日を通りぬけてゆくために。祈りのような歩行。5年ぶりの新詩集。組版・装幀=片桐寿子、装画=サカモトセイジ

2530円(税込)
四六判並製・112頁
ISBN978-4-7837-3792-6
2022年6月刊

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安俊暉『武蔵野』

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人生を回視する



帰り来る
足音
我が鼓動
(「十二章 回帰」)

20年前以上に構想され、既刊詩集『苧種子野』『桑の実』の母体となったが、刊行されることのなかった400ページを超える長大な連作詩篇「武蔵野」。傘寿に近づいた詩人が、自分にかかわる土地と風景と出会った人々を、独自の韻律で自伝的に描いた長編連作詩集待望の刊行。

4950円(税込)
四六判上製・480頁
ISBN978-4-7837-3788-9
2022年5月刊

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山本博道『夜のバザール』

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旅の随に


やがてピン川の下流の水門には
祈りをこめて流した灯籠が
大量の生ごみで流れ着き
未来を照らした熱気球の光は
黒焦げの燃えかすとなって
ぜんぶ地上に落ちていた
(「夢の果て」)

カンボジア、タイ、ベトナム、ミャンマー、バングラデシュ……。漂泊の詩人が、さまざまな土地で見聞した人々、慣習、風景をロードムービー風に構成し、詩行に昇華させた25景の羇旅詩篇。

2640円(税込)
A5判上製・128頁
ISBN978-4-7837-3766-7
2022年5月刊

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平鹿由希子『集真藍里』

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約30年ぶりの新詩集


でんでんこぼし でんこぼし
よめよめおきろ よめおきろ
あさなゆうなに ちゃをいれろ
あさねをするな ひるねをするな
せっちんそうじも わすれるな
(「せっちん怖い」)

平鹿さんの詩を読んでいると、実際には経験していないはずの私が語りに引き込まれて同化するように〝里〟の時間に繫がれるから、その美しさとともに夥しい傷の記憶がなまなましく目の前に広がる。埋もれていても消えてなどいない。黙るしかなかったこと、届く先のなかった声を、平鹿さんの詩は今という時間に蘇らせて繫ぎながら、寿き、呪い、鎮魂するーー川口晴美

紫陽花咲く家から駅までのいち里の道。古くから秋田の地に伝わる民話、伝承の数々。沈黙をやぶる、おんなたちの、封印された歌ごえ。装幀=中島浩

2860円(税込)
A5判変型並製・104頁
ISBN978-4-7837-3787-2
2022年4月刊

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新井啓子『さざえ尻まで』

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ぐるぐるぐる


折れ曲がったきつい坂は
ちちはなの来た径
折れ曲がった蔓草の茂る坂は
わたしの帰る径
(「クラウドボウ 虹雲の径の果て」)

これまでに読んだことのある詩がこうして一冊にまとめられると、印象がひとつところに集まってゆきます。そうか、束ねられるための詩だったのか。一つの詩と別の詩が、村の小径できちんとつながっています。生きる喜びと痛みを、ふところ深くに抱えた親族や隣人が、生き返ってきて詩集の中を歩き始めているようです。新井さんの視線の先の、なつかしくも心ときめく世界を、読者はうっとりと眺めることができますーー松下育男

前橋と島根、その往還のなかで、いまはなき者たち、土地の声、息づかいに耳を澄ます。たどり着けそうでたどり着けない、とぐろを巻く記憶の道筋。装画=鈴木いづみ、造本=山元伸子

2420円(税込)
A5判変型並製・88頁
ISBN978-4-7837-3786-5
2022年4月刊

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山田裕彦『囁きの小人 1994-2021』

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蠢く蟻の文字


立ち去ろうとするのだが一歩が踏み出せないでいた。身動きできないその理由を思いつけなかった。あらゆる出来事には理由がなかった。
(「静かな日」)

山田裕彦は含羞の人だ。絶滅の波打ち際にむかって、おおごえあげて走り寄るわけでも、黙って背を向けるわけでもない。むしろ、希望や絶望が嚙み砕かれた、不毛の湿原で理由も根拠もなく、ひそかに生きている虫の声、あるいは死後にこそ蘇る、忘れられた小さな声たちの囁きに耳を澄まそうとする。そこに含羞の人が、今日の詩のもつ意味にすら逆らう、吃音という発声の方法があったーー北川透

打ち捨てられ、毀れつつある詩語の廃墟のなかを蟻の文字が蠢いている。貧しさの感覚に耐えながら、宙づりの書記において時代と対峙する19篇。四半世紀ぶりの新詩集。

2750円(税込)
A5判上製・144頁
ISBN978-4-7837-3784-1
2022年4月刊

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松下育男『これから詩を読み、書くひとのための詩の教室』

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好評につき、発売即重版!


生きていくために
ただ書いている詩が
あっていいと思う

生きがいなんてない

感じる人が
俯いた先で書ける詩があっていいと思う
(続・初心者のための詩の書き方)


「大切なことはたいてい手元にある。書いているその場所にすべてがある。生きていることのすべてがある。ぐっとこないで生きていられるか。ここにこうして私がいる、そのことの切なさを込めずになんの創作だろう」。定年後、東京、横浜、オンラインではじめた詩の教室。2017~20年に語られた講義の記録。現在進行形。造本=二月空

目次

Ⅰ 詩を書くひとに話しておきたいこと
だらだら うろうろ わくわく/なぜ詩を書くか/少し話し、少しはみ出し、少し伸び上がる/書きたいことを書くってどういうこと?/二人の自分、枕元の詩/詩の基準/詩を書く幅、詩を読む幅/泣かずに書けない/詩の一番の上達法/詩人として生きてゆく/貧富と詩作/頭のいい人はすぐれた詩を書くことができる/わからない詩とどう向き合うか/人と比べない勇気/何が一番恐いだろう/社会を書く

Ⅱ 詩の話をしよう 1
自由詩の自由を楽しもう 茨木のり子の詩/言葉は息をしている 川崎洋の詩/心に分け入る道筋 谷川俊太郎の詩 ぼくはわかっていないんじゃないか 清水哲男の詩/詩人の幸せについて 寺山修司の詩/よいものを見つめてゆく 中原中也の詩

Ⅲ 詩の話をしよう 2
詩は西からやってくる 大野新の詩/直接詩人と間接詩人 山内清の詩/隣で書かれている詩 三橋聡の詩/詩人力がついた 太宰治と上手宰/個別梱包の言葉 井上洋子の詩/意味にこだわらない自由 佐々木安美の詩/気持ちの奥を描く 高橋千尋の絵と言葉/わくわくするような詩 稲川方人と柴田千晶/詩でしか書けないものを書く 松井啓子と阿部恭久/評論のすすめ 粒来哲蔵の詩/どうしても言っておきたいこと 池井昌樹と白井明大/詩とメッセージ 井上陽水と宮尾節子/素敵にガッカリしてみよう 中島みゆきから学ぶもの

Ⅳ 詩につながる考えごと
避けられない寂しさを書く 老人と詩/忘れ去られることの尊さ さくらももこについて/ただここにあるもの/詩は死をどう扱うべきか/人生の音
あとがき

3520円(税込)
四六判並製・432頁
ISBN978-4-7837-3826-8
2022年4月刊

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連東孝子訳『W.S.マーウィン選詩集』

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詩とヤシの木の庭


今のぼくの半分の歳の母がずっと前に取り外した窓の傍にいて
 同じ部屋に友たちがいて ことばがまわりで夢見ている
動物たちの目はぼくに注がれ みんながここにいる
 冬の花々へと向かう途中の
朝のさわやかさの中に 曙光の中に
(「賜物の日」)

「大地と海と草木と空からヒトを通して詩が生まれる現場」(谷川俊太郎)。禅や俳句、ディープエコロジーの思想の影響を受けながら作品ごとに作風を変え、深い思索を詩語に結実させたW.S.マーウィン。ハワイの広大な「庭」を耕しながら、詩作に励んだアメリカの桂冠詩人、初の邦訳選詩集。造本=清岡秀哉

W.S. マーウィン 詩人、翻訳家
1927年ニューヨーク市生まれ。ニュージャージー州ユニオン市で育つ。プリンストン大学在学中に詩人を志す。南欧とロンドンを転々としながら、各地の古典の翻訳詩、詩、詩劇などを発表。52年第1詩集『ヤヌスの面』でエール大学新人賞を受賞、選者W.H.オーデンの高い評価を受ける。以後、詩集毎に新しい視点と詩法を世に問い、詩人としての確かな位置を築いた。60年代、ニューヨークを拠点に、反核、反戦運動に参加。75年以降、マウイに定住し、禅の修行を続ける傍ら、詩作とディープエコロジーの概念に添い荒地に「庭」造りを成功させる。多数の文学賞や顕彰を受ける。2019年3月マウイの自宅で逝去。

連東孝子 Takako Lento(訳者)
福岡県北九州市出身。津田塾大学英文科卒業。九州大学大学院の中途でフルブライト研究員としてアイオワ大学創作科に留学(MFA.)。九州大学修士修了後、渡米。三年間アイオワ大学の中国・東洋学部で専任講師(日本文学と文化の講座担当)。田村隆一”World Without Words””On the Life and Work of a 20th Century Master”、谷川俊太郎” The Art of Being Alone : Poems 1952-2009”” Ordinary People”はじめ現代詩の英訳、W. S. マーウィン、ニッキ・ジョバンニ・ジェームズボールドウィンの邦訳を手がける。W.S.マーウィンとの『蕪村句集』の共訳(Collected Haiku of Yosa Buson)および現代詩の先達(Pioneers of Modern Japanese Poetry)のうち、金子光晴の翻訳に対して日米友好委員会翻訳賞を2度受賞。米国デラウエア州在住。

2640円(税込)
四六判並製・208頁
ISBN978-4-7837-2789-7
2022年4月刊

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季村敏夫 高木彬編『一九二〇年代モダニズム詩集――稲垣足穂と竹中郁その周辺』

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刻まれる光と影


ダダや未来派周辺の青年の挫折をアナキズムやコミュニズム、末尾の児童詩まで拡張し、一九二〇年代の詩の塊りとして位置づけ、二〇年代後半から始まる瀧口修造らのシュルレアリスムとの連関と断絶の研究の一助になればと編集にいそしんだ。(…)詩史に記されることのなかった存在が、こうして一冊に収められた。(「解題」より)

モダニズム詩前夜の混沌たる暗がりの中を、果敢な言語実験で駆けぬける若き詩人たちがいた――海港都市・神戸から出発した稲垣足穂と竹中郁を中心に、新たな視点でまとめたアンソロジー。装幀=田中勲

2200円(税込)
四六判並製・208頁
ISBN978-4-7837-3785-8
2022年4月刊

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『北川透 現代詩論集成5――吉本隆明論 思想詩人の生涯』

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拮抗する詩と批評の深部へ


ここでわたしがやろうとしたことは、これまでの膨大な数の吉本隆明論のほとんどが疎外している、少年時代にさかのぼる最初期の詩篇から、晩年の『記号の森の伝説歌』『言葉からの触手』までの詩の解読を試みることだった。これはわたしが吉本隆明を思想家としての一側面ではなく、彼が思想領域を論理的に扱っている時でも、根本的に思想詩人としての感覚や想像力が働いている、と考えていることに基づいている。評論は吉本にとって、部分であっても、詩は彼の全体であり、その源である。/それにもかかわらず、彼の思想論や文学理論が、今日では批判的な検討を要するとしても、同時に誰の追随も許さない独立した価値をもっていることは確かだ。それでわたしは、自らの非力をかえりみず、「マチウ書試論」や『文学者の戦争責任』、『言語にとって美とはなにか』、『共同幻想論』なども、ひるまず考察の対象にした。―――北川透

吉本隆明は詩人であり、詩を核心に抱いた思想家だ。詩や詩論のみならず、政治、哲学、宗教など、すべての知的冒険に、詩的な発想・想像・跳躍・切断が生き生きと働いている――。戦前・戦中における詩の〈始まり〉から、『固有時との対話』『転位のための十篇』をへて晩年の作品群まで、その生涯の詩を読み解く。六〇年代以降、同時代において吉本の詩と思想に全身で向きあってきた著者が、自身の数多くの吉本論を解体し、全篇を新たなかたちで構想した畢生の書。装幀=間村俊一

5500円(税込)
四六判上製・550頁
ISBN978-4-7837-2375-2
2022年3月刊

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