詩の本の思潮社

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新刊情報

【近刊・予約受付中】斎藤恵子『熾火をむなうちにしずめ』


棘をそのままに


生きなければならない
瀕死の人の貌が緑葉になりそよぐ
(「持衰」)

暗闇に黙して発光する炎――生まれ、死んでいった人たちから繫がれた「わたし」の原初に灯る、消えない熱。年月を経て独り内に屹立する、燃えあがる思い。更に研ぎ澄まされた眼差しで深淵を見つめる新詩集。装幀=小川恵子、装画=樋口達也

本体2500円+税
A5判上製・104頁
ISBN978-4-7837-3699-8
近刊・予約受付中

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神田さよ『海のほつれ』


姿なきものの姿


声なのかもしれない
吐き出される 人の
かつて聞いたことのある
震える声
(「奏でる壺」)

気づくと知らない場所にいて、ここにいない死者たちの姿が見えはじめる。「阪神・淡路大震災の原体験をとおして東北の大災害を凝視する。そこをここまで頑固に貫いている詩人を私はまだ知らない。緊張感きわまる最新の震後詩集」(たかとう匡子)

本体2500円+税
A5判上製・114頁
ISBN978-4-7837-3696-7
2020年5月刊

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洞口英夫『流星は魂の白い涙』


魂の在処を求めて


反物質の私を探して街にでる
どこかでなくした私の半分が
歩いているのではないかと
街にでる
(「街にでる」)

いまここにいるのは、はたして本当の自分なのだろうか。もう一人の自分がどこか別の世界にいるのではないか――。長き沈黙から甦った詩人が、自らの魂の在処を求めてさまざまな時空を漂う。

本体2200円+税
四六判上製・114頁
ISBN978-4-7837-3695-0
2020年4月刊

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たかとう匡子『耳凪ぎ目凪ぎ』


めぐりつづける記憶と現在


さりさりさりとかすかな音
剝がれる闇
その音のうえに手をかざしている
めぐりめぐっていつのまにかその手が風化する
(「定点幻想」)

くぐりぬけた体験から、今ここに摑みだすもの。しなやかな練達の筆法で闇の深みに降りていく、11年ぶりの新詩集。装幀=井原靖章、切り絵=井原由美子

本体2500円+税
A5判上製・120頁
ISBN978-4-7837-3675-2
2020年4月刊

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福田恒昭『よるのくに』


気鋭詩人の門出


死ぬことに決めた当日の朝
すがすがしい朝です。
わけが分からないながらもいい人生でした。
腹八分目といいますから、欲張らずに逝くことにします。
(「さいごの日記」)

「よるのくに」とはどのような場所なのか。気鋭の詩人が擬物語風に描く奇妙なパラレルワールドへ読者をいざなう。

本体2000円+税
四六判並製・96頁
ISBN978-4-7837-3665-3
2020年4月刊

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金堀則夫『ひの石まつり』


非がおこる


土を放り出せ もっと もっと放り出せ
地の深いくぼみ ひ形の壺
そこに
火をかぶるわたしがいる
(「坪打」)

言葉の響きにみちびかれて、物質的想像力が現代と古層を垂直につらぬく。神話的な風土と歴史への長い探究を、陰影ゆたかに結実させた、詩23篇。

本体2500円+税
A5判変型上製・106頁
ISBN978-4-7837-3693-6
2020年4月刊

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石井宏紀『聖堂』


光をもとめて


水面を埋め尽くす花びら
浮遊した心の痛みを抱いて
日没の時間が止まりかけてくる
(「花びら」)

明けない夜はない。闇の先にはかならず光が見える。人生の深淵に幾度も迷い込んでしまった詩人が、混迷の果てに探し得たものは何か。人生の年輪を重ねてきたものならではの、研ぎ澄まされた感性によって刻まれた最新詩集。

本体2000円+税
四六判並製・88頁
ISBN978-4-7837-3694-3
2020年3月刊

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加納由将『記憶のしずく』


見えない膜の先へ


自分の体が要求していることを
自分で説明できるから
砂浜に轍を残して
波打ち際に進もうとする
(「再びの海」)

「たえず不随意運動を起こす自らの肉体に向き合った作品を作者が綴りはじめたとき、私は畏怖に近い感情をおぼえた。ここに照らし出されているのは、詩の存在理由そのものだ」(細見和之)。6年ぶり、渾身の第5詩集。

本体2400円+税
四六判上製・114頁
ISBN978-4-7837-3692-9
2020年2月刊

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マーサ・ナカムラ『雨をよぶ灯台』


新世界へ


あの優しい男は
私が家で泣いているときに
カーテンの隙間から
星明かりと一緒に差し込む白い顔の男である
(「御祝儀」)

「影も形もないものが、光をひろげ、流れをつくる。そんな夢のような作品を、マーサ・ナカムラだけが書いていく」(荒川洋治)
豊かな詩的センス、類まれな筆力を示した、中原中也賞受賞のデビュー作『狸の匣』から2年。自由と切迫のはざまで揺れ動く、最新15篇。装幀=外間隆史
初版品切れ、新装版準備中。

本体2000円+税
四六判変型上製・104頁
ISBN978-4-7837-3691-2
2020年1月刊

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水沢なお『美しいからだよ』


第25回中原中也賞受賞!


すべてのものは透明になるというのなら、ダイヤになったあなたを、通りすがりの取るに足らない、知らない誰かにあげてしまいたかった。あなたを誰かにあげたかったあなたを誰かのものにしてあげたかった。
(「モーニング」)

「言葉を超えてゆくフィジカルとしての絵画のように、語り得ない何ごとかにはるかその射程を伸ばしている」(田野倉康一)、「柔軟性とスター性を兼ね備えた、唯一無二の書き手。肉体の細部を捉えるまなざしが、語りの中できらきらと乱反射する」(文月悠光)。生物の枠をこえ、転生と変容を重ねてゆく言葉の身体。第54回現代詩手帖賞受賞詩人、待望の第1詩集。装画=みなはむ、装幀=中島浩
重版出来!

本体2000円+税
四六判並製・120頁
ISBN978-4-7837-3690-5
2019年11月刊

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現代詩文庫『佐々木安美詩集』


詩の妄想


なぜ詩を書かなくなったのかと
人に聞かれることもあるが
破壊したい衝動が
破滅を願う気持ちが
嘔吐のようにこみあげてくる
(「十二月田」)

「妄念の薄闇をきわだたせる暗黒の口がより身近に迫り、彼のことばはその日を生きるための護符として強度を増している」(井坂洋子)
『虎のワッペン』『さるやんまだ』(H氏賞)『心のタカヒク』、一時期の中断をへて刊行された『新しい浮子 古い浮子』(丸山豊現代詩賞)を全篇収録。“さるやん”の詩的冒険の軌跡。
解説=中本道代、柿沼徹、久谷雉

本体1500円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-1023-3
2019年11月刊

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現代詩文庫『松下育男詩集』

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詩の行方


ほんとうにせつなくなるのは
とても好きなものがそうでなくなる瞬間
そこにうすい膜がはりつめていて
それを通り抜ける瞬間なんだ
(「初心者のための詩の書き方」)


「彼がハンカチーフのように言葉を一振り二振りすると、読者の心にはとても静かで温かいものがゆったりと流れはじめる」(清水哲男)
すでに入手の難しい初期詩集『榊さんの猫』、『肴』(H氏賞受賞)をはじめ、長い沈黙の後に提出された『きみがわらっている』、近作「初心者のための詩の書き方」までを収める。
解説=上手宰、池田俊晴、廿楽順治

本体1500円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-1022-6
2019年11月刊

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野沢啓『単独者鮎川信夫』


第20回日本詩人クラブ詩界賞受賞!


〈鮎川信夫とは誰か〉という問いを同時代性としてどう捉えるのかという問題である。/それは否応もなく、〈戦後詩〉の始まりを戦中期からの離脱を果たしながら意識的に始めることのできたひとりの詩人の歩みを問うことでもあったのであり、そこからの新たなる離脱を果たさなければならない現代の詩人たちに、鮎川という問いをどのように理解し、その問いをみずからへの問いとして受けとめなおすことを要請することでもあるからだ。この問いを回避して先へ進むことはできないのである。(「序 いま、なぜ鮎川信夫なのか」)

戦後詩の主導者としての鮎川信夫の実像と、その詩の類い稀なる奥行きと深さを、新しい資料も利用した独自の解析によってあらためてフォーカスし、鮎川像の神話をはがす。鮎川論の全面的な脱構築を通じて、現代詩の停滞にも檄を飛ばす、理論派の完全復活宣言!装幀=中島浩

本体2800円+税
四六判上製・256頁
ISBN978-4-7837-3821-3
2019年10月刊

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野沢啓『発熱装置』


融通無碍の新境地


ことばが放たれたがっている
誰のものでもないことばが場所をもとめている
だからこの空間は用意されるのだ
(「発熱装置」)

古今東西のテクストからの富を糧に、ことばがことばを誘発し、挑発する。自在なことばの装置が縦横に駆動する、著者26年ぶりの詩集の方法的発熱! 評論集『単独者鮎川信夫』と2冊同時刊行。装幀=中島浩

本体2500円+税
A5判変型上製・120頁
ISBN978-4-7837-3689-9
2019年10月刊

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水島英己『野の戦い、海の思い』


どんな灯りを


苦しみについて
どれだけ学んだろうか
ともだちが泣いているときに
きみは春の陽射しをあびて微笑む
犬と猫はそれぞれの生活に没頭する
でもそこからしか解けないのだ、苦しみの主題は
(「春のともだち」)

この国に生きる、痛みと怒り。思慮のぬくもり、あらがいの息を守って、歩きつづける。現実にかかわる詩の実践、30篇。装幀・装画=高專寺赫

本体2500円+税
A5判変型並製・144頁
ISBN978-4-7837-3686-8
2019年10月刊

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