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新刊情報

【近刊・予約受付中】池田瑛子『星表の地図』

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7年ぶりの新詩集


靡く帆
デュエットする鳥
息をしているような点や線

文字が囁きかける あの地図なら
すぐにわかるだろう
(「星表の地図」)

「世界が、水滴のような「私」に感応してうち震える。脈うつノスタルジーと有限の生の悲しみ。不在の永遠性。百年の時の流れを一瞬のうちに呑みこむ自伝詩。この抒情の力はどこから?」(亀山郁夫)。装幀=伊藤久恵

本体2600円+税
四六判上製・120頁
ISBN978-4-7837-3706-3
近刊・予約受付中

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【近刊・予約受付中】有働薫『露草ハウス』

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音楽のように


赤まんま 水引 蚊帳吊り草 猫じゃらし
灰色の小さな蝶が乱れ舞う露草の藪
(「露草ハウス」)

生きる場所を見つめる言葉、その亀裂と跳躍に詩の光景が開けていく。意味を超えてあるものへ、たどりついた今ここから。6年ぶり、待望の新詩集。装画=正藤晴美

本体2200円+税
A5判並製・96頁
ISBN978-4-7837-3708-7
近刊・予約受付中

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今村秀子『つまからほどきましょ』

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着物の裾は


つまから ほどきましょ
たとうしにくるまれたあかいきものは もう

     あわせのすそをつまみ
     はたいてみせてくれた おはりのせんせい
     (…)
     「じょうずにつまをたぶらかせば
      うつくしさは きわだちます」
     (「はるさめ」)

「喜怒哀楽のいっさいをほどいて素にかえる、はぶたへの裏地で作るもの、くらしのなかの居住まいや佇まいを、そっと濡らしてゆく雨のそぶりに濃い命のしおり」(川上明日夫)。「はるさめ」「ぼたん雪」「かきつばた」……遅れていく思いを、季節のうつろいに託して。

今村秀子(いまむら・ひでこ)
1949年福井県南条郡生まれ。詩集に『17才のうた』『野菊』『紅蓮』『百八枚の花びら』『山姥考』がある。詩誌「木立ち」同人。

本体2400円+税
A5判変上製・96頁
ISBN978-4-7837-3705-6
2020年8月刊

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森文子『野あざみの栞』

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あしたも、種をまこう


水が 空気が
ひとときも 流れをとめないように

たましいって
ぐるぐる まわり続けるのだろうか
どこかの野末に たどり着くのだろうか
(「ほうれん草」)

「ものいわぬ土や野菜の目と耳になって命の味の素をつくる。ぬくとい土への手づくりの礼儀と懐かしさが用意された珠玉の22篇、一期一会」(川上明日夫)。本業の傍らでつづけた畑仕事、「不思議な土のおこない」に心うばわれ続けて30余年。第2詩集。

森文子(もり・ふみこ)
1947年福井県鯖江市生まれ。詩集に『ぼてさんのカニ』(花神社、2009年)がある。詩誌「木立ち」同人。

本体2400円+税
A5判変上製・88頁
ISBN978-4-7837-3704-9
2020年8月刊

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進藤ひろこ『森がたり』

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ほんとうに生きたのだろうか


言葉を持たないものたちの 近くで
語り尽くせない 森がたりを
睡らずに聴いている夜の 窪みの深さ
(「森がたり」)

「この詩集では、子どもの、いや少女の、目や耳が敏感に動いている。」(吉田文憲)、「自然のなかに身を置き、自然と向き合いながら、そこからさまざまな抒情を紡ぎ出してゆく」(野村喜和夫)。疲れた仕事帰りにふり仰ぐ空。詩への思い。第2詩集。装画=戸次祥子

進藤ひろこ(しんどう・ひろこ)
山梨県甲府市出身。詩集に『夏の破片/牛島の夏』(1986年)がある。

本体2500円+税
A5判上製・112頁
ISBN978-4-7837-3703-2
2020年7月刊

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矢澤準二『チョロス』

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人生の70年ぶん


ドラえもんが生まれるのは
今からおよそ百年後で
ドラえもん
ちゃんと生まれてくることができるのか

心配しても
どうにも仕方のないことを
心配している
(「縁台」)

「生涯の節目に栞をはさむようにして書かれた詩の束を、パタンと閉じたあと、無音の響きにたじろぐ」(井坂洋子)。「チョロスではなくチュロスよ」という妻の声を背に、人生の七十年分を、とぼけた足どりで描く。飄々と、淡々と。第1詩集。装画=平木元

矢澤準二(やざわ・じゅんじ)
1950年6月、東京・浅草生まれ。早稲田大学法学部卒業後、41年間、株式会社電通で勤務。

本体2500円+税
四六判上製・104頁
ISBN978-4-7837-3702-5
2020年7月刊

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秋山基夫『シリウス文書』

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すべてを詩で


わたしは
灯りが消えない部屋で
物語が外へ出るために
語りつづける
(「始原幻想」)

「詩で何もかも書いてみたらどうか。(…)単に定義の問題として棚上げするのではなく、現在の詩について、あるべき詩について、徹底的に考えてみるべきだろう」(あとがき)。
詩はジャンルなのか、文体なのか。あらためて現代詩が内包する根本命題に実作をもって挑戦する。装幀=則武弥

秋山基夫(あきやま・もとお)
1932年生まれ。大学に入って小説、詩を書きはじめる。長い中断のあと、第1詩集『旅のオーオー』(1965年)を刊行。1960年代後半から、片桐ユズル、有馬敲、中山容らと自作詩朗読の運動((オーラル派」)をおこなう。『十三人』(第1回中四国詩人賞)『家庭生活』(第16回富田砕花賞)『オカルト』『薔薇』『月光浮遊抄』、現代詩文庫『秋山基夫詩集』、『文学史の人々』(思潮社オンデマンド)など著作多数。

本体3200円+税
A5判函入・112頁
ISBN978-4-7837-3698-1
2020年6月刊

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マーサ・ナカムラ『雨をよぶ灯台』〔新装版〕


新世界へ


あの優しい男は
私が家で泣いているときに
カーテンの隙間から
星明かりと一緒に差し込む白い顔の男である
(「御祝儀」)

「影も形もないものが、光をひろげ、流れをつくる。そんな夢のような作品を、マーサ・ナカムラだけが書いていく」(荒川洋治)
豊かな詩的センス、類まれな筆力を示した、中原中也賞受賞のデビュー作『狸の匣』から2年。自由と切迫のはざまで揺れ動く、最新15篇。装幀=外間隆史

本体2000円+税
四六判変型並製・104頁
ISBN978-4-7837-3700-1
2020年6月刊

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広田修『societas』


つくりものの世界で


人々でできあがった柔らかな機械の中に
一つの緩やかな歯車として放り投げられました
皆さん幾つもの顔を持っていて
どの顔が本当の顔なのかわからない
(「恐怖」)

「私は再び社会という狭い万華鏡の中で、その間隙に無限のエピソードを押し込んでいく。この額縁の威厳にかけて、私の原風景の無限のエピソードを。」(「額縁」)。独特なカリカチュアにこめられた、現代社会への静かな悲鳴。巧みさが光る第3詩集。

本体2200円+税
四六判並製・130頁
ISBN978-4-7837-3697-4
2020年6月刊

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梅爾/竹内新訳『梅爾詩選』


中国現代詩人シリーズ3(監修=田原)


あなたは最後には母のふところに倒れ込み
始まりを それが終わりになるように変えて
終わりからもう一度始めざるを得なかった
(「ボードレール」)

1980年代後半に詩作を開始して以降、現代まで旺盛な活動を続ける中国の代表的女性詩人の作品を厳選。繰り返し足を運び、100篇を超す詩篇を書くことになる、詩人の精神の故里ともいうべき貴州省の「十二後方」をめぐる連作詩篇も多数収録。博識でありつつ、行政にも関わりのある実業家としての顔も併せ持つ詩人の初の訳詩集。

本体2500円+税
四六判並製・240頁
ISBN978-4-7837-2783-5
2020年5月刊

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山﨑修平『ダンスする食う寝る』

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空はすでに明るい


わたしの喪失か
あるいは
あなたたちの喪失か
窓枠を窓と定めている昨夜の
一つの結晶を問うための旅に出る
(「ひかりの街」)

「見開け/俺は少し怖い、俺は少しワクワクしている、俺は少し知りたい/生きているのに生きながら勝手に死に続けるな」(「旗手」)。不穏な生のありようを肯定し、闇からひかりへ、破れ目を恐れず言葉を放ってゆく。4年ぶり、渾身の第2詩集。装幀=中島浩

本体2400円+税
A5判上製・96頁
ISBN978-4-7837-3701-8
2020年5月刊

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斎藤恵子『熾火をむなうちにしずめ』


棘をそのままに


生きなければならない
瀕死の人の貌が緑葉になりそよぐ
(「持衰」)

暗闇に黙して発光する炎――生まれ、死んでいった人たちから繫がれた「わたし」の原初に灯る、消えない熱。年月を経て独り内に屹立する、燃えあがる思い。更に研ぎ澄まされた眼差しで深淵を見つめる新詩集。装幀=小川恵子、装画=樋口達也

本体2500円+税
A5判上製・104頁
ISBN978-4-7837-3699-8
2020年4月刊

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神田さよ『海のほつれ』


姿なきものの姿


声なのかもしれない
吐き出される 人の
かつて聞いたことのある
震える声
(「奏でる壺」)

気づくと知らない場所にいて、ここにいない死者たちの姿が見えはじめる。「阪神・淡路大震災の原体験をとおして東北の大災害を凝視する。そこをここまで頑固に貫いている詩人を私はまだ知らない。緊張感きわまる最新の震後詩集」(たかとう匡子)

本体2500円+税
A5判上製・114頁
ISBN978-4-7837-3696-7
2020年5月刊

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洞口英夫『流星は魂の白い涙』


魂の在処を求めて


反物質の私を探して街にでる
どこかでなくした私の半分が
歩いているのではないかと
街にでる
(「街にでる」)

いまここにいるのは、はたして本当の自分なのだろうか。もう一人の自分がどこか別の世界にいるのではないか――。長き沈黙から甦った詩人が、自らの魂の在処を求めてさまざまな時空を漂う。

本体2200円+税
四六判上製・114頁
ISBN978-4-7837-3695-0
2020年4月刊

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たかとう匡子『耳凪ぎ目凪ぎ』


めぐりつづける記憶と現在


さりさりさりとかすかな音
剝がれる闇
その音のうえに手をかざしている
めぐりめぐっていつのまにかその手が風化する
(「定点幻想」)

くぐりぬけた体験から、今ここに摑みだすもの。しなやかな練達の筆法で闇の深みに降りていく、11年ぶりの新詩集。装幀=井原靖章、切り絵=井原由美子

本体2500円+税
A5判上製・120頁
ISBN978-4-7837-3675-2
2020年4月刊

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