記憶は来なかった夜明けを口につめて体の外側を旅しているのではないか(「記憶は、」)誤差をこぼして転送される時間、髪に子どもを住まわせる幻を見る女、虹売り、一日だけ交換した人生――夜の地図で湾岸線を歩き、透明な刻の漂流物を掬いあげる。海峡をわたることば、物語のかけらたち。新境地を拓く25篇。装画=辻憲
本体2500円+税 A5判上製・110頁 ISBN978-4-7837-3582-3 2017年9月刊