北川朱実『遠く、水門がひらいて』
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果てのない青い旅
果てのない青い旅
遠く
水門がひらく気配がして
水をたたえた朝を引いて
人々が集まってくる
(「バザール」)
「ひとことでも/言葉を発したら//あふれ出す川がある」(「雨」)。今日もどこかかなたで、こぼれおちた青い時が届けられるのを待っている。イスタンブールのバザール、奄美、あの夏の広島――空がほどけて、懐かしい景色が揺れうつる。いま、あかるい不穏をつれて漂流しはじめる25篇。
〇同じ著者によって
『乾杯』(2025年)
『夜明けをぜんぶ知っているよ』(2017年・第29回富田砕花賞)
『三度のめしより』(2015年)
本体2500円+税
A5判上製・112頁
ISBN978-4-7837-3720-9
2020年9月刊