阿部嘉昭『束』

「詩」の結界
「詩」の結界
きえるような雪ふりさえ
みあげる眼にはほそながく
かたちのたりなさが糸
になってしまうひととして
ひたすら白い息をはいた
つるをくみしきながら
(「幅」)
漢字1文字のタイトル、20行の定型、鮎川信夫賞受賞『換喩詩学』で自らの詩論を展開した詩人が、磨き上げた詩法で「詩」の結界をつくりあげる。昨年の3冊同時刊行詩集に続く新境地の新詩集。装幀=中島浩
本体2000円+税
オンデマンド版(ペーパーバック)・158頁
ISBN978-4-7837-3509-0
2015年10月刊