第36回詩歌文学館賞受賞!
きみは咲う。親はいま骨離れが悪いと。指が戦ぐのはそのせいでなく、ぼくも囮の信条に背いて意味もなく笑うことがある。
(「豚の首」)
文反故による貼雑ぜ自伝。骨のない幽霊。角材で閂をして眠る姉妹。でこっぱちの毛虫――。人から遠く離れた場所で、人との共棲をもはや無用とした言葉同士は、どうして人の想い出を騙りえるだろうか。『零余子回報』から5年を懸けて設えられた、現代詩の巣穴。装幀=水戸部功
本体2400円+税
A5判上製・96頁
ISBN978-4-7837-3729-2
2020年10月刊
