詩の本の思潮社

ホーム新刊情報 > 佐峰存『対岸へと』
新刊情報

佐峰存『対岸へと』


越境の都市景


湾が広がっている せまってくる
遠ざかり 黒々と鮮やかに
透明に 増え続ける
生態の柔らかな連鎖は生臭く
鋼鉄の空白に 食い込んでいく
(「連鎖」)


「ミクロとマクロ、有機と無機が同一の空間のなかで組み込みを果たし、じつに、じつに見慣れない詩の景色が展開している」(野村喜和夫)、「それはディストピア、ではない。必然としての未来であり、彼の「指」はかなしみもなく、乾いた詩的真実だけをぼくらの待つ「対岸へと」つづるだろう」(石田瑞穂)。生成と分解を続ける、半透明にさらされた都市の器官。境界のトポスから発語する鮮烈な第1詩集。装画=引地渉

本体2,400円+税
A5判上製・110頁
ISBN978-4-7837-3493-2
2015年10月刊

本のご購入はこちらから