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野村喜和夫『パッサル、パッサル』

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新詩集


おめでとう
パンデミックのさなか
でさえも
時は静かに発酵し
すっかり人気のなくなった
午後の公園の
滑り台やジャングルジムに
どこからかゆらゆらと
水子たちが集まってきて
まつわりつき始める
(「世界以前」)


2012年以降、10年強のあいだに書かれた、連作詩篇と長篇詩を除く作品を収録。その時その場所でオケージョナルに書き継がれた多彩な詩群はまさに「パッサル」(マレー語で「市場」)の語にふさわしい。自身の詩作に忠実に精力的に向き合う、大岡信賞受賞詩人による新詩集。装幀=鈴木一誌、吉見友希

3960円(税込)
A5判上製・208頁
ISBN978-4-7837-4560-0
2024年3月刊

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