詩の本の思潮社

ホーム新刊情報 > 野村喜和夫『危機を生きる言葉――2010年代現代詩クロニクル』
新刊情報

野村喜和夫『危機を生きる言葉――2010年代現代詩クロニクル』


現代詩のオデュッセイア


危機を生きる言葉? あるいは、言葉を生きる危機。言葉を使う、言葉とともに生きる、それが普通の人のステージなら、言葉を生きる、それが詩人のステージだ。たとえ危機の時代にあろうとも。(…)それは統覚的に秩序正しく言葉を運用することではない。そうではなく、むしろ、言葉の自律的な運動に翻弄され、他者の言葉にきりもなく横断されながら、そこでなお叫んでいる主体の声があるということである。(「結語に代えて」)

「詩は、私たちの手を使って、未来からの言語が書かせるものである」。2011年~2018年の詩的時評「Chronicle」に、石原吉郎から小笠原鳥類までを論じた詩人論「Poets」を交差させた、2010年代詩のオデュッセイア。カタストロフィー以後の詩の岸辺を泳ぎ、未知へと開く海をわたる渾身の時評集。装幀=中島浩

本体3200円+税
四六判並製・368頁
ISBN978-4-7837-3820-6
2019年8月刊

本のご購入はこちらから