いつもの風景は無限に遠くいまはもう立ちすくむしかない消去法などここにはない追いかけてくるぎざぎざぎざの轟音よ(「荒浜にて」)あふれる水、なだれる空、得体のしれない風……耳目を軋ませる不穏な気配。揺らぎ傾いでいく時代の懸崖で、記憶といまを重ねる声は、なおも闊達な響きを失わない。4年ぶり、待望の新詩集。装幀=井原靖章、切り絵=井原由美子
2750円(税込)A5判変型上製・128頁ISBN978-4-7837-4559-42024年3月刊