詩の本の思潮社

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【近刊・予約受付中】高柳誠『光の階梯/闇の折り目』

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刻印


М嬢のアリアは、黒々とした闇の集合体そのものがおのずからうたと化すことによって、非在の、決して見ることのできぬ不吉な閃光を要請する。
(「М嬢のアリア」)


「飛礫こそは、日常をおおいつくす緩慢とした地続きの変動ではなく、断裂を飛びこえることによって一挙に別世界を出現させる、非連続的な思考の華なのである」(「飛礫考」)。
硝子頭……嗜眠の町……夢切り場……。異域との境界を超えた果てに、存在の闇の幾重もの折り目に宇宙の摂理を見る、非線形の詩学。「現代詩手帖」好評連載詩、待望の書籍化!装幀=中島浩

2860円(税込)
B5判変型上製・112頁
ISBN978-4-7837-4623-2
近刊・予約受付中

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【近刊・予約受付中】城戸朱理『海洋性』

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蒼ざめた鯨に


世界の果ては自分の背中にしかなく
終わりと始まりが衝突しては
時間が死ぬときが近づいている
(「血の日曜日」)


「その歌声から「52」と呼ばれる彼は、世界でもっとも孤独なクジラであり、三十年の間、誰も応えてくれない歌を歌い続けている。その歌は人間にしか聞こえない」(「誰にも聞こえない歌」)。この世界は人間のためにあるのではない。人新世に近代的な人文主義の超克をはかる叙事詩への試み。新詩集2冊同時刊行!装幀=井原靖章

〇同じ著者によって
『火山系』(2025年)
『漂流物』(2012年・第30回現代詩花椿賞)在庫僅少・美本なし
『世界-海』(2010年)
『幻の母』(2010年・第61回芸術選奨文部科学大臣新人賞)

2750円(税込)
A5判変型上製・128頁
ISBN978-4-7837-4620-1
近刊・予約受付中

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【近刊・予約受付中】城戸朱理『火山系』

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列島の底に揺らぐ


かなしみばかりが積もってゆく
誰かが泣いていた
夜の底を震わすように。
(「ユーラシア書簡」)


「荒ぶる神、素戔嗚尊もまた、火山神としての相貌を持っている。私は大地に立って、地の底からの震度を感得する。そして、そこから、詩を書き始める。「そして、始まりは火に包まれていた」と」(「Elements」)。人新世、終わりの始まりに、私たちはどこに立っているのか。詩の新生に向けて、抒情から叙事に架橋する連作。新詩集2冊同時刊行!装幀=井原靖章

〇同じ著者によって
『海洋性』(2025年)
『漂流物』(2012年・第30回現代詩花椿賞)在庫僅少・美本なし
『世界-海』(2010年)
『幻の母』(2010年・第61回芸術選奨文部科学大臣新人賞)

2860円(税込)
A5判変型上製・144頁
ISBN978-4-7837-4619-5
近刊・予約受付中

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【近刊・予約受付中】金井雄二『蒼い森の奥へ』

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いつもそこに


父といっしょに
車に乗った
言葉を交わさない
夏の光の午後だった
(「運転手の心得」)


「だが、決して大きな声は出さない。サワサワと身をくねらせ葉と葉、枝と枝をこすり合わせて、未完の言語で会話するのである。家族は血だけでつながりあっているのではない。何年経っても朽ちないように根を張り、太い幹に支えられ、毎年葉を繁らせ、枝を伸ばし続け、つながろうと努力しているのだ」(「沈黙の家族」)。
どこにでもいる小さな家族、でも私だけの家族。父母を見送っていま、書かねばならなかったものへ――。やわらかな声でこころの底にわけいっていく、詩30篇。装画=辻憲

〇同じ著者によって
現代詩文庫『金井雄二詩集』(2024年)
『むかしぼくはきみに長い手紙を書いた』(2020年)
『朝起きてぼくは』(2015年・第23回丸山薫賞)
『ゆっくりとわたし』(2010年)

2420円(税込)
A5判変型並製・96頁
ISBN978-4-7837-4621-8
近刊・予約受付中

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