【近刊・予約受付中】金井雄二『蒼い森の奥へ』
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いつもそこに
いつもそこに
父といっしょに
車に乗った
言葉を交わさない
夏の光の午後だった
(「運転手の心得」)
「だが、決して大きな声は出さない。サワサワと身をくねらせ葉と葉、枝と枝をこすり合わせて、未完の言語で会話するのである。家族は血だけでつながりあっているのではない。何年経っても朽ちないように根を張り、太い幹に支えられ、毎年葉を繁らせ、枝を伸ばし続け、つながろうと努力しているのだ」(「沈黙の家族」)。
どこにでもいる小さな家族、でも私だけの家族。父母を見送っていま、書かねばならなかったものへ――。やわらかな声でこころの底にわけいっていく、詩30篇。装画=辻憲
〇同じ著者によって
現代詩文庫『金井雄二詩集』(2024年)
『むかしぼくはきみに長い手紙を書いた』(2020年)
『朝起きてぼくは』(2015年・第23回丸山薫賞)
『ゆっくりとわたし』(2010年)
2420円(税込)
A5判変型並製・96頁
ISBN978-4-7837-4621-8
近刊・予約受付中