【近刊・予約受付中】高橋修宏『Echo Island』

抒情と叙事の見事な構築
抒情と叙事の見事な構築
(日が没すると) ホモ・サピエンスの頭蓋ほどの一箇の椰子の実とすれ違い 名前が消された島へ 流れていった(「渡海」)
高橋修宏作品の構造が、修辞が変わろうとしている。変わるのはいつだって祝福すべきこと。ことに今の今、私たち生者も、死者も、地球も、宇宙も、そして無も、計量を超えた音を立てて、根こそぎ変わる途上にある。ーー高橋睦郎
引き裂かれた海の奥から幻の島が浮かび上がる。奪われた懐かしい島を探して、朽ちた独木舟が波に漂う。降りそそぐ白いものは雪か花か、それとも灰なのだろうか。ーー中本道代
かつて世界各国で行われた水爆実験に題材を求め、今なお解決しない社会課題に向き合いながら、これまでの経験に裏打ちされた抒情と叙事の稠密なる世界を幻想性豊かに描く。11年ぶりの新詩集。装幀=伊藤久恵
高橋修宏(たかはし・のぶひろ)
1955年東京都生まれ。考古学・人類学専攻。詩人・俳人・クリエイティブディレクター。俳誌「五七五」、詩誌「NS」編集発行人。富山県詩人協会会長、現代俳句協会評議員、日本現代詩人会会員。著作に詩集『水の中の羊』(北陸現代詩人奨励賞)『作庭記』『MOTHER HOTEL』など5冊。句集『夷狄』『蜜楼』『虚器』。評論集『真昼の花火』『鈴木六林男の百句』など。現代俳句評論賞選考委員、口語詩句賞選考委員、とやま映像祭コーディネーター。富山市在住。
3080 円(税込)
A5判コデックス製・112頁
ISBN978-4-7837-4626-3
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