詩の本の思潮社

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新刊情報

岡本啓『グラフィティ』

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第20回中原中也賞受賞!
第65回H氏賞受賞!


くだける音を録ろうとして
屋上から煉瓦をはなした
(「グラフィティ」)


「アメリカの風景と空気に作用して、世界をさぐり、世界へと踏みだす」(福間健二)。「「忘れていった声」、声が過ぎ去った瞬間の風が漂っています」(石田瑞穂)。アメリカから届けられた1年間の投稿作を集成。2014年現代詩手帖賞受賞詩人の今もっともフレッシュな13篇。好評重版!

本体2,200円+税
A5判並製・104頁
ISBN978-4-7837-3458-1
2014年11月刊

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阿部嘉昭『陰であるみどり』


阿部嘉昭新詩集、3冊同時刊行!


きみの中二階を上下させてみな
ひとのからだにまたがって
整数ではかぞえられぬ中間に
きみの以下をつなげてみるんだ
延べればたたみ四まい半が
どれだけ縦のつなになるのか
きみじしんがきみの身頃
おどり場をぬう表皮の幅だ
(「中二階」)

リズムが意味を生成し、音が意味を裏切る――
詩行はいかに立つべきなのか、
行分け詩の果てなき探究、72篇。
3冊同時刊行第3弾!

*この詩集はオンデマンド出版で、アマゾンのサイト(Amazon.co.jp)のみでの販売になります。書店および思潮社営業部での取り扱いはありません。ご注文ごとに印刷製本し、24時間以内に発送、2~3日でお手元にお届けします。送料、印刷手数料等はかかりません。お問合せ=03-3267-8141(思潮社編集部)

本体1800円+税
オンデマンド版(ペーパーバック)・158頁
ISBN978-4-7837-3461-1
2014年10月刊

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阿部嘉昭『静思集』


阿部嘉昭新詩集、3冊同時刊行!


おんなのはだかへちかづく夢のかなわないときは、おとこのはだかに代えてでもと、ひとり人乃湯へゆく。もうもうたる湯けむりのなか、だれかれかまわぬ複数がうごめいて、髪をあらったり腕をあらったりしている。からだのほとんどはおとこめいた突兀をえがかない。しゃがむほおずきいろだけが処刑まえのようで、あれらはしゃがむうつくしさの、むしろおんなでもあるのではないか。そういう列なりからとりわけくぐもる穴やかなしい圧縮をみつけ、そのありさまをこわれたわたしとこころすれば、湯にいてとけかかっているだけ、みずからがすこしおんなとなれる。
(「人乃湯」)

詩のボディに触れること、
それは性と対峙する官能的瞬間である。
詩の肉感を精緻に描写していく魅惑的断章集。
3冊同時刊行第2弾!

*この詩集はオンデマンド出版で、アマゾンのサイト(Amazon.co.jp)のみでの販売になります。書店および思潮社営業部での取り扱いはありません。ご注文ごとに印刷製本し、24時間以内に発送、2~3日でお手元にお届けします。送料、印刷手数料等はかかりません。お問合せ=03-3267-8141(思潮社編集部)

本体2000円+税
オンデマンド版(ペーパーバック)・166頁
ISBN978-4-7837-3460-4
2014年10月刊

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阿部嘉昭『空気断章』


阿部嘉昭新詩集、3冊同時刊行!


欠けているものがみちている感覚が詩の行にはあり、詩のことばはたがいの張力によりながれている。だからそれは意味になるてまえで、すでに読む眼を音楽でぬれさせ賦活させる。詩の原罪はそのように音楽を代位してしまうことではないか。しかも哲学や自身の生までをも代位しようとする越権すらある。ただの、うすまくなのに。あるいは、とおさがちかいだけの息なのに。そのように括られそれじたいを捉えられない無惨なからだなのに。
(「空気断章」1)

詩とは何か、なぜそこに詩が生まれてくるのか――
思索と詩作の稀有な融合から紡ぎだされた100の超絶的断章。
3冊同時刊行第1弾!

*この詩集はオンデマンド出版で、アマゾンのサイト(Amazon.co.jp)のみでの販売になります。書店および思潮社営業部での取り扱いはありません。ご注文ごとに印刷製本し、24時間以内に発送、2~3日でお手元にお届けします。送料、印刷手数料等はかかりません。お問合せ=03-3267-8141(思潮社編集部)

本体1200円+税
オンデマンド版(ペーパーバック)・106頁
ISBN978-4-7837-3459-8
2014年10月刊

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伊藤浩子『undefined』


もうひとつの言葉の迷宮へ、ようこそ!


「まだ話は終わってないわ」
「そうよ、ちゃんと最後まで聞いてよ」
「僕は黙って二人の顔を見た。
「それからね、私たち、血を飲むのよ」
「ほんの数滴だけれど。あれの最中に」
「相手の手首だか首筋だかに傷をつけて、そこに口をつけて、ちゅうちゅうってね。血って美味しいのよ」
「男の人って不思議ね、そうしているとみんなちゃんと果てるの」
「陶然としてね、すごく気持ちよさそうなの」
(「呪い」より)

これは散文詩でも、詩的散文でもない。あえて言うなら上質な短編小説集、あるいは奇譚集と言うべきだろう。しかし、読後におとずれる大きな謎に触れると、これが詩集以外のなにものでもなかったことに気づく。実力派詩人の挑戦的奇書!

*この詩集はオンデマンド出版で、アマゾンのサイト(Amazon.co.jp)のみでの販売になります。書店および思潮社営業部での取り扱いはありません。ご注文ごとに印刷製本し、24時間以内に発送、2~3日でお手元にお届けします。送料、印刷手数料等はかかりません。お問合せ=03-3267-8141(思潮社編集部)

本体2400円+税
A5判変型並製・236頁
ISBN978-4-7837-3457-4
2014年10月刊

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安田雅博『跡地の家族たち』

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まだ誰でもない者へ


跡地のなくなることをし遂げるまでの時の堆積を
波が くり返し物や名のなくなる明るみへと返している海へ
(「製材所の跡地」)


佐渡に居住する詩人の内/外の眼差しが捉えた、傷を与えたものの忘却と、受けたものの記憶の狭間に無数にうごめく跡。言語の生成と消失の明滅に接ぎ木し続け、出来する、異貌のパリンプセスト。

本体2,400円+税
A5判上製・98頁
ISBN978-4-7837-3451-2
2014年10月刊

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中野完二『へびの耳』

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四半世紀ぶりの新詩集!


へびは
下あごから腹まで
全身を耳にしているのではないか
(「へびの耳」)


「蛇に耳がある、なんて思ったこともなかった、そういうぼくに、蛇が、人間なんてそんなものさといっている声が聞えて来ました。(…)中野さんは人間ですが、蛇の眼や耳で世界を洞察できる。これは蛇を足場にしてより深く世界をつかもうと、持続的にがんばって来た中野さんの成果です」(三木卓)。へびの詩人、四半世紀ぶりの新詩集!

本体2,600円+税
A四六判上製・208頁
ISBN978-4-7837-3453-6
2014年10月刊

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中森美方『幻の犬』

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わたしはわたしに会いにきた


今のわたしの年齢は川水と海水が混じりあうところのような時なのかもしれない 新しいこともあれば古い物語もある 次第に古い物語が優位になる そんな時なのかもしれない
(「入江の駅の物語」)


さまざまな詩法で意欲作を上梓してきた詩人による、独自体で語られる24の情景。

本体2,300円+税
A5判上製・112頁
ISBN978-4-7837-3456-7
2014年10月刊

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青山みゆき『赤く満ちた月』

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16年ぶりの詩集


煎りつけるような蝉の声に溺れながら
わたしは生の塊となって
じりじりと宙づりになっている
(「盛夏」)


世界の傷をひきうける研ぎ澄まされた生理感覚。皮膚に焼き付いたネガが、いま、詩と歌になって立ちあがる――。16年ぶりの第2詩集。

本体2,000円+税
A5判並製・86頁
ISBN978-4-7837-3450-5
2014年10月刊

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杉本真維子『裾花』

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第45回高見順賞受賞!


通路、が塞がれ、身長ほどにしか、心がな
い、日のなかで恐怖の種がわれる。蛍光灯
で焼けしなないか、ソファで溺れないか、
窓で迷わないか、
わたしは、だれなのか
(「川原」)


語りえない瞬きを賭けて、無量の思いを一滴に刻む。H氏賞を受賞した『袖口の動物』から7年、類のない詩の結実、24篇。待望の第3詩集。装幀=菊地信義

本体2,400円+税
A5判変型上製・114頁
ISBN978-4-7837-3445-1
2014年10月第1刷 2015年8月第2刷

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天沢退二郎『贋作・二都物語』

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第27詩集!


わずかに、土台の隙間に生えたペンペン草の間で
生き残りの猫と雀たちが、邪気もなさそに
のんびりとたわむれてるばかりだわいな。
(「二都物語」)


流露に次ぐ流露、炸裂に次ぐ炸裂。現代詩なる流れを超えて、とめどもなく自由に、どこまでもつづく、不可思議な語りの奔流。天沢退二郎のたどりついた現在地点、27冊目の最新詩集! 装画=黒田アキ

本体2,400円+税
A5判上製・96頁
ISBN978-4-7837-3446-8
2014年10月刊

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