詩の本の思潮社

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現代詩手帖特集版『はじまりの対話――Port B「国民投票プロジェクト」』

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3.11以後、演劇は可能か? 詩は可能か?


ゲスト=赤坂憲雄、磯崎新、今井一、鴻英良、桂英史、川俣正、黒瀬陽平、今野勉、谷川俊太郎、辻井喬、濱野智史、原武史、吉増剛造、吉見俊哉、和合亮一、ハンス=ティース・レーマン
短歌=斉藤斎藤 詩=山田亮太
監修=高山明(Port B)

わたしたちの声とは何か――国民投票という概念を大胆に読みかえ、可能性の演劇として、いまここに提示する。多彩なゲストとの対話と、東京・福島を巡回した記録=詩/歌を収録する完全ドキュメント。

本体2,400円+税
A5判並製・324頁
ISBN978-4-7837-1869-7
2012年11月刊

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福田知子『ノスタルギィ』

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起源への旅ゆき


ピラルク、ピララーラ、ピライーバ!
ピラルクがアマゾン河からヌメリのある顔を出して
ふうっと酸素を吸い込んだとき
緑をまとったわたしは詐欺師だった
(「緑の詐欺師」)

「性感帯をくすぐる身体的な光とカタストロフィーの後に到来する光、隔絶した光景、この分裂の、ある種の爽快さは、読後めぐってくる緑閃光によって切断される」(季村敏夫)、「福田知子のクリスタルは、光の当たり具合で、緑色のフィルターのかかった怪しい光を解き放ち、棘のように突き刺さって来ては、意識を攪拌する」(天童大人)。宇宙の暗がりに向け、高らかに謳い届ける23篇。著者12年ぶりの新詩集。装画=ルネ・マグリット

本体2,200円+税
A5判並製・96頁
ISBN978-4-7837-3335-5
2012年11月刊

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山崎るり子『雲売りがきたよっ』

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ああ いい雲だねえ


さあ雲売り 売っておくれ
あの雲を僕の雲にして
いっしょにながめよう
(「所有はややこしい」)

すかんと立派に晴れた雲びよりには、きっと雲売りがやってくる。ばくはつ雲、とびはね雲、かくれ雲。あと四分で消えていく雲に、誰かと見る雲。雲売り、今日はどんな雲がおすすめかな? 詩と絵に乗せてつむぐ、うつろう雲の下の出会いと出発の物語。画=著者

本体1,500円+税
A4判変型上製・102頁
ISBN978-4-7837-3333-1
2012年10月刊

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川上明日夫『往還草』

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第6回更科源蔵文学賞受賞!


みはるかせば 生ひとひらの一瞬 死ひとひらの永遠 水夫を 空を あえかに染めて 今日すべらかに わたしを 「離」る音がきこえてくる
(「湖を「離」る」)

一瞬と永遠の逢う瀬にみあげれば、空にうかぶ魂の浮き草。あわれや、儚さのさざ波に、ひっそり草深い空へと往くもの還るもの――『夕陽魂』『雨師』につづく、魂の旅路をめぐる抒情の水迷宮。

本体2,200円+税
A5判変型上製・88頁
ISBN978-4-7837-3334-8
2012年10月刊

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藤井貞和『人類の詩』

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2011年以後へ生き抜く次代に


去年の3月以来、各所で問いつづけた私の思いは、多く、大震災、とりわけ福島県が日本社会から取りのこされてゆく、それは沖縄社会が、ややもすれば日本社会から忘却され、うち捨てられてゆくことに匹敵する、現代での冷ややかに進行する事態に対する、私の抗いだった。これからもつづける予定である。
(「後書」)

いま問うべきはなにか。詩から社会へ、世界へ、法、歴史、古典へと臆せず踏み込み 、まさに起きていることを、切迫した言葉の問題として考え抜く100の連環。手帖時評を軸とする渾身の評論集。「3・11」の思いを批評に展開する書き下ろしを加え、次代への提起を緊急発信する。装幀・装画=毛利一枝

本体3,200円+税
四六判並製・368頁
ISBN978-4-7837-1682-2
2012年10月刊

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岡野絵里子『陽の仕事』

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第46回日本詩人クラブ賞受賞!


あふれる光を目印に 一日の頁が折られた 陽のまじめな仕事を 誰かが拾い上げたかのように
(「陽の仕事」)

私たちは毎日新しく砕かれ、閉じられる。往還する季節の下、陽は人のたたえるものにそっと滴り落ちる。地表の器からあふれだす25篇。『発語』から6年ぶりの新詩集。

本体2,400円+税
A5判上製・108頁
ISBN978-4-7837-3332-4
2012年10月刊

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鈴木東海子『草窓のかたち』

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私たちを呼ぶ声


野を歩く女達は
母であったかもしれない
少女であったかもしれない
沈黙することは
全部であったかもしれない
朗読するように
歩くのであった。
(「朗読の人」)

「複数の次元を、同一作品中でバランスさせるという技法は、既に過去の詩集『日本だち』において萌芽を見せていたが、ここに到ってそれが極度に練磨され、ますます多層化・多重化されているのに驚きと共に接することができる。この新詩集で、イングランドの「野の声」を存分に味わえる幸いをことほぎたい」(入沢康夫)。詩人の歩行は幾重にもなって読者を眩惑する。待望の長篇連作詩集。カバー作品=バーバラ・ヘップワース

本体2,400円+税
A5判上製・110頁
ISBN978-4-7837-3319-5
2012年10月刊

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疋田龍乃介『歯車VS丙午』

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お義母さーーーん


いいのかしらいいのかしら
こんなにはしゃいじゃって
ときにはすごく意地悪いこと考えたりしたりして
いいのかしら
こんなことやあんなことしながら街に入ってしまっても
(「ハニーシロップ・オン・ザ・ロード」)

「名辞以前の子宮の奥へ脇腹からぎばさっと直結!」(四元康祐)、「言葉が異様なほど自由な表情で迫ってくる。稀有な才能だ」(渡辺玄英)、「読むことがこんな奇妙な体験になる詩はちょっと他にない」(川口晴美)。つい直結、いきなり強奪! いつも歯車は燃えて逆に発狂だ――。音と像の強烈な引力で不可思議な言語空間を創造する16篇。期待の第1詩集。装幀=田中勲

本体2,000円+税
四六判並製・98頁
ISBN978-4-7837-3318-8
2012年10月刊

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