詩の本の思潮社

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新刊情報

尾久守侑『Uncovered Therapy』

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第74回H氏賞受賞!


鼻をつまんだ高校生が
朝の交差点を駆けてくる
道の途中でいなくなって
不登校になる
(「不登校」)


「そうわたしは/記憶についてしか扱えない下手くそなセラピストだ/ひとふたりさんにん/数が増えるほど記憶が破滅的になる」(「雪山」)。忘れられた隔たり、奪われた空気。わたしが消えた――。見当識をなくした時代に捧ぐ、変幻自在な〈距離の治療〉。好評重版!カバー写真=中野泰輔 

2530円(税込)
A5判変型並製・112頁
ISBN978-4-7837-4540-2
2023年7月刊

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菅沼美代子『乳甕』

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やわらかな輝き


甕のようにゆたかで
迸る液体が
いのちそのもの
生きてのみ
飲み干すことが
糧になる
(「乳甕」)


まっさらないのちと死者への思いを、深い時間の堆積が受け止める。生の中にある死、死の中にある生を、みずみずしく掬う第6詩集。カバー作品=内藤淳「揺らぎ」

2750円(税込)
A5判上製・112頁
ISBN978-4-7837-4538-9
2023年7月刊

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たかとう匡子『私の女性詩人ノートⅢ』

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新藤凉子から蜂飼耳まで


こんなふうに詩では個を徹底して自立させながら、連詩では個を消しているのも面白い。新藤凉子は個を消すことで新しい個を創造する。そこに現代詩の未来を展望する。
(「新藤凉子――接近した連詩の魅力」)


もうここで「女性詩」という言葉を本当の意味での死語にしたい。いま書きとめておきたい大切な詩人たち――新藤凉子、財部鳥子、高良留美子、滝口雅子、日高てる、西岡寿美子、栗原貞子、塔和子、河津聖恵、俵万智、日和聡子、蜂飼耳。次の世代に送る詩人論ノート3部作、完結編! 装幀=井原靖章、切り絵=井原由美子

好評既刊
『私の女性詩人ノート』
『私の女性詩人ノートⅡ』

2750円(税込)
四六判上製・226頁
ISBN978-4-7837-3828-2
2023年7月刊

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北條裕子『半世界の』

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別の扉をあけて


そこに手を振れよ
遠い面影の鳥よ
その傷口に 荒れた首筋をさし出せ
(「花茨」)


ここでは傷さえも在るということの証。無記名の影たちが明滅し、その問いは彷徨う……不穏に引き裂かれながら、ひとつの世界を希求する、第5詩集。扉画=井田光圓

2420円(税込)
A5判上製・88頁
ISBN978-4-7837-4536-5
2023年7月刊

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