詩の本の思潮社

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新刊情報

佐々木幹郎『明日』

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第20回萩原朔太郎賞受賞!


いつものように 窓のカーテンを開けて
明日
太陽の光で部屋を満たす
明日
地球の上で生きる いつものように
(「明日」より)

不滅のもの――生きることの幻の影を追って、人間の果てしない思いの深さを、身体のゆるやかな音色で奏でる、比類なき豊饒な時間を獲得した21篇。詩人の歩行と思考を集成する、7年ぶり待望の新詩集。装画=三嶋典東、装幀=間村俊一

本体2,800円+税
菊判変型上製・114頁
ISBN978-4-7837-3281-5
2011年10月刊

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深澤忠孝『茶道史異聞』

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直心の交はり


茶事は 不平等のなかの 完璧なる平等
茶事は 極限の 不自由な空間での自由
(「茶室(一)」より)

天下に名を馳せた茶人・千利休、茶道を政道とした「覇王の茶」(信長)や「黄金の茶室」(秀吉)、利休の精神を守り継いだ千家一家、茶を嗜んだ芭蕉、蕪村、一茶などの俳人たち。茶の湯をめぐる探究は、ついに父の「ひとり茶会」、自らの幼少期や青春、名前のルーツにまでたどりつく。長年温めてきたモチーフを結実させた、「直心」あふれる20篇。

本体2,800円+税
菊判上製・128頁
ISBN978-4-7837-3275-4
2011年10月刊

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秋山基夫『薔薇』

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落下する一点の赤


目覚めよ 死者の
面々 重き甲冑を脱ぎ
戸を開き 足取りも軽く
森の奥へと 世の姿を消したまえ
(「覚醒」より)

「絶望の中に、わたしの席があるというのは、嘘だ」(「蛇輪」)。「本詩集では、『家庭生活』『オカルト』に続き、いくつかの文体といくつかの書法で書くことをいっそう進めようと試みた」(あとがき)。多彩な筆にのって死者も生者もゆらりと動きはじめる。喚びだされたたましいに捧ぐ、綺想の薔薇22輪。装幀=則武弥

本体2,400円+税
A5判上製・100頁
ISBN978-4-7837-3271-6
2011年10月刊

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ゲーリー・スナイダー/金関寿夫・加藤幸子訳『ノー・ネイチャー』

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代表作を網羅した一巻選集!


ぼくは忠誠を誓う 「亀の島」の
     土に、
そして そこに住む 生き物に
(「生きとし生けるもののために」より)

最後のビート詩人でありながら、ポスト・ビートさらに、ビートを突き抜けた詩人スナイダーの代表作を一望する。40年の詩業から67篇を精選した「野性の詩学」のエッセンス。ゲーリー・スナイダー・コレクション第3巻。装幀=奥定泰之

本体2,400円+税
四六判並製・238頁
ISBN978-4-7837-2892-4
2011年10月刊

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ゲーリー・スナイダー/原成吉訳『リップラップと寒山詩』

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伝説の第1詩集!


言葉も本も
高い岩棚から流れ落ちる小さな滝のように
乾いた大気のなかに消えてゆく。
(「パイユート・クリーク」より)

山と海での日々をへて、アメリカから日本に渡ってきた、若きゲーリー・スナイダー。1959年、詩人の出発を告げる鮮烈な作品群。伝説の第1詩集、50周年記念版を本邦初訳!ゲーリー・スナイダー・コレクション第1巻。装幀=奥定泰之

本体2,000円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-2890-0
2011年10月刊

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トーマス・トランストロンメル『悲しみのゴンドラ 増補版』

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本年度ノーベル文学賞受賞!
増補版出来上がりました。


ひそかな雨の音
わたしは秘密ひとつをささやいて
響き合わせる
(「俳句詩」より)

「詩にとらえられた言の葉は、まるで消えゆく緑のようだ。脳卒中で言葉を奪われたのち、詩人は前後に深い沈黙をたたえる新しい色を染めあげた。そしてなによりもすばらしい黒。「ゴンドラは命を重く積み運ぶ、簡素で黒いそのかたち。」。スウェーデンから届いた贈り物である」(堀江敏幸・朝日新聞1999.5.9)。すぐれた絵画性と稀有の音楽性により、60カ国語を超える地域の読者を魅了するスウェーデンの生んだ世界的詩人、トーマス・トランストロンメル。詩人は簡明な言葉と鮮やかなメタファーで、美しい絵を描き、俳句への接近もこころみる。詩集『悲しみのゴンドラ』とその後の詩篇を収録した、唯一の邦訳詩集。99年刊行初版に本文を16頁増補、別刷「栞」16頁を添付した〈増補版〉刊行なる。栞=クリステル・デューク、エイコ・デューク、高橋睦郎、齋藤愼爾、野村喜和夫、黒田杏子、井坂洋子、中堂高志

本体2,400円+税
菊判上製・112頁
ISBN978-4-7837-2893-1
2011年11月刊。この本に限り、1冊でも送料無料です。

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高市順一郎編『IMMORTAL MONUMENTS』

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16人の日本の詩人を英訳紹介する大冊


The black rough ocean !
The Milky Way lying above
Like bridge to Sado Isles.
(松尾芭蕉/高市順一郎訳)


松尾芭蕉、与謝野晶子から谷川俊太郎をへて野村喜和夫まで。日本の近現代詩歌を代表する9詩人、3歌人、4俳人の詩業を、14人の英米詩研究者の知を結集し、重厚な評論とともに英訳紹介。現代詩、俳句、短歌を通覧し、世界に向けていざ発信する。全篇英文、400頁の大冊。

本体4,600円+税
B5判並製・402頁
ISBN978-4-7837-2625-8
2011年10月刊

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柴田友理『子取りの産声』

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(――もう嫌だよ)


小さな箱に 入るだけの霧を入れましょう

では次に装飾をしてみましょう
筆にたっぷりの水を含ませて
霧に色を垂らすのです


「前世へ、未生以前へ、未練がましく、ときに呪詛の言葉を吐き出しながら激しく遡ってゆくかのようなこの詩集の魅惑的なカオスの中で、柴田さんもいまそのような空白、恐怖の源泉と向き合っているのだろう」(吉田文憲)。「陥没夜」「流刑地にて」「醒め遣らぬ、」「ある狂人の日記」「子取りの産声」、生の転生と飛翔をイメージ豊かに描く第1詩集。装幀=二月空


【著者から】

誰かに「だぁれ?」と聞くように  自分に「だぁれ?」と聞いて  耳を澄ましてみたら こんな詩集が出来ました。
上からなのか 下からなのか それとも右や左からなのか  それはわかりません。 声は今でも聞こえてきます。  ほら

子ぉ取ろ 子取ろ
どの子を取ろか
あの子を子取ろ

(  取るなら取ってみろ  )

子ぉ取ろ 子取ろ

本体2,200円+税
A5判上製・94頁
ISBN978-4-7837-3273-0
2011年10月刊

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田中清光『三千の日』 

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無から起き、無に帰る


いつのまにか「無」に向っている
いくつもの橋を渡って
この世の花が咲くのを見た
(「「無」に向って」より)

「最大の激烈な体験は、昭和二十年三月十日の大空襲に東京下町で遭遇、何もかもを焼かれたこと。この世が地獄に変ずるさまを十四歳のこの身で見てしまった」(後記より)。打たれたものの悲しみ 悲しいかな どこまでも悲しいかな――生死の断崖で黒い現実を凝視する、絶唱17篇。本源へのたゆまぬ観照がなす思想的抒情詩の結実。装幀=清岡秀哉

本体2,600円+税
菊判上製・96頁
ISBN978-4-7837-3274-7
2011年10月刊

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山田英子『わたしの京都』

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遺稿集


井戸を見れば涸れたはずの水光る
地下深く東三条殿の水脈に通じた
「夜にまぎれてこちらにおいで」
(「京町家たんけん」より)

「やがてこうして黄金の作品を私たちに滴りのように残すのである。ひかりよ、在れ、と思う」(三井葉子)。京都に生まれ育ち、京都に生きた詩人が、その土地と人間、そのことばに思いを寄せる、豊饒な詩と散文27篇。一昨年急逝した詩人からの最後の贈りもの。跋=淺山泰美、藤本真理子、三井葉子。

本体2,400円+税
四六判上製・192頁
ISBN978-4-7837-1674-7
2011年10月刊

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