無から起き、無に帰る
いつのまにか「無」に向っている
いくつもの橋を渡って
この世の花が咲くのを見た
(「「無」に向って」より)
「最大の激烈な体験は、昭和二十年三月十日の大空襲に東京下町で遭遇、何もかもを焼かれたこと。この世が地獄に変ずるさまを十四歳のこの身で見てしまった」(後記より)。打たれたものの悲しみ 悲しいかな どこまでも悲しいかな――生死の断崖で黒い現実を凝視する、絶唱17篇。本源へのたゆまぬ観照がなす思想的抒情詩の結実。装幀=清岡秀哉
本体2,600円+税
菊判上製・96頁
ISBN978-4-7837-3274-7
2011年10月刊
