詩の本の思潮社

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新刊情報

植木信子『日々の流れに』

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過去から未来へ


君はまた永遠のような時間の内にいて花を投げているね
(「花を投げる」)


「死にもやすらかな生を願った/空からの緑を吹く 髪を吹いていく風に/少しだけ思い出してほしいのです。」(「いつも」)。生と死の繰り返しのなか、ささやかな日々は続いていく。命の川をそうしてわたしは行くはず――。過去から未来へ、かなたに希望を手わたす36篇。

2750円(税込)
A5判並製・128頁
ISBN978-4-7837-4601-0
2024年10月刊

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高村而葉『生きているものはいつも赤い』

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第30回中原中也賞受賞!


いま、最新の傷をもって
   もっとも柔らかいものに触れる
           それがもたらすものよ
(「彫り込まれた、本を開いている」)


「高村而葉の詩が他の詩人たちと違っているのは、たとえば馬車が、土や泥の道をやってくるとして、その轍のあとが、とてもくっきりと残ることだ。それは言葉のなかに、ではなく、地面に、深い溝を掘って進む」(瀬尾育生)。薄暗い庭の先へ。現代詩手帖賞詩人による、待望の第1詩集。22篇の、時の重なり。装画=宇野紘城。好評重版!
https://www.city.yamaguchi.lg.jp/soshiki/23/171216.html

2420円(税込)
四六判並製・128頁
ISBN978-4-7837-4602-7
2024年10月第1刷 2025年3月第2刷

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中尾太一『フロム・ティンバーランド』

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第40回詩歌文学館賞受賞!


家のなかには風が吹いていた
外は無風だった
いや、荒れ狂っていた
(序詩)


「詩の家」に、それらはやってきた――。語り尽くせぬ物語の暗闇を駆け抜けて、未明の荒れ野へと出奔するわたしたちの、心の光が広がっていく。構想10余年、今この時代にこそ投じる長篇連作詩。話題作『ルート29、解放』に次ぐ、最新詩集。装幀=菊井崇史
https://www.shiikabun.jp/news/1689.html

〇同じ著者によって
『詩篇 パパパ・ロビンソン』
現代詩文庫『中尾太一詩集』

2860円(税込)
菊判変型上製・128頁
ISBN978-4-7837-4600-3
2024年10月刊

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水田宗子『八月の光へ』

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2冊、同時刊行!


この身体
鎖を断ち切り
物語を逸脱して
メタフォアは不在
(「八月の光」)

蝶や蝉の羽化の過程の感動に想を得て、日本では、死を彷彿させる八月を、産む、生命の月へと反転させる。乾いた、軽やかな言葉のなかに深い思想が滲む、日本の抒情詩の系譜に属さない、新しい詩のあり方を提出する。

2640円(税込)
B6判並製・88頁
ISBN978-4-7837-4586-0
2024年10月刊

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水田宗子『ネブラスカ、ネブラスカ』

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2冊、同時刊行!


誰も探せなかった
本物の
無垢を
探し当てたい
(「非地」)


詩集『音波』、エッセイ集『詩の魅力/詩の領域』の同時刊行、昨年刊行の評論集『吉原幸子 秘密の文学』が話題を呼び、詩と批評の両輪でアクチュアルな発信を続ける著者による、4年ぶりの新詩集。

2640円(税込)
B6判並製・88頁
ISBN978-4-7837-4586-0
2024年10月刊

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日和聡子『其処』

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かえり、めぐりて


あなたを見つめる目の奥に虚構がはじまり
翳った茶畑に降り出した雨に涙がまじる
地に沁みて天に昇りやがて盆にかえる水
切った髪はもとの髪に継ぐことはできない
(「噴水広場」)


いつわりのない無二の詩情を深めてきた書き手が、葛藤のなかで見据える世のめぐり。空気と水と土と火と――。萩原朔太郎賞受賞『砂文』から9年にわたる試行を束ねる、待望の新詩集。装幀=清岡秀哉

〇同じ著者によって
『砂文』
現代詩文庫『日和聡子詩集』

2640円(税込)
A5判上製・112頁
ISBN978-4-7837-4596-9
2024年9月刊

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水城鉄茶『ジャキジャキ』

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第61回現代詩手帖賞


聴けばいいのだ音の波 アホみたいに反復する
音楽 その楽譜をガキが
無意味なガキがはためかせているから
おまえはそこまで走っていけ
(「ジャキジャキ」)


「全篇を束ねるのは「暴れる舌のおれの腕はホチキス」のチキチキの稚気、真情の荒ぶる水の上を歩く軽薄さだ」(森本孝徳)、「詩と音楽というかつては同一であったものが、もういちど差異を失い、ひとつになったまま、読者のなかに注ぎこまれてくる」(小林レント)。ジャキジャキと世界を改行し、うたいつづける――決意の第1詩集!装画=野沢二郎

2420円(税込)
A5判変型上製・112頁
ISBN978-4-7837-4592-1
2024年9月刊

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田中健太郎『洞窟の麦』

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知られぬままに


終わりを告げる喜びもまた
豊かな生の一部だ
(「過剰な肉体の日々」)


闇と光、海と大地、いのちの根源に思いを寄せ、旅の人として過ごしてきた自身の生のありようから、地上の声を表していく、詩24篇。

2420円(税込)
A5判並製・96頁
ISBN978-4-7837-4598-3
2024年9月刊

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海東セラ『薔薇とひかがみ』

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いのちのタペストリー


ひそやかにあまく
ふるえる花のかげで
わたしたちは決行する
(「すみれのテロル」)


草叢では絶えず交換がなされ、時計の砂は静かに流れ落ちる。ひとりともうひとりが、交差し、ささめく、透きとおった刻22篇。

2200円(税込)
四六判並製・112頁
ISBN978-4-7837-4593-8
2024年9月刊

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伯井誠司『叙事詩 国始事』

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神話を語り直す


民よ、忘るな! これこそは国の始めの物語、
高き虚空見つ秋津州日本の国の起こりなり!
(「第五部 日本建国」)


「本作の目的は、国粋主義の元となった国学の古事記原理主義を終わらせ、国学によって捻じ曲げられる前の本当の日本神話を蘇らせることによって、神々とこの国の間の絆を回復させることなのです」(序文より)。古事記原理主義を終わらせる、神々との間の絆を回復させるために――。日本神話を語りなおす、第二詩集。装画=春日鹿曼荼羅図

3300円(税込)
A5判上製・232頁
ISBN978-4-7837-4594-5
2024年9月刊

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