詩の本の思潮社

ホーム新刊情報月別リスト > アーカイブ
新刊情報

和田まさ子『よろこびの日』

null


まだ世間の中にいる


みんなが遠くを見ようとしているが
きょうのコンビニの陽だまりに新色の口紅
なつかしい、人の唇
(「あたらしい謎」)

「生きて帰ってきて/さて、どうする」(「この町のルール」)。つまずきながら日々を歩き、さまざまな声に耳をすます。詩歌文学館賞を受賞した『軸足をずらす』から3年、さらに磨きのかかった筆法をもって詩人の歩行はつづく。全4章37篇を収める、充実の第5詩集。本文デザイン=岡本啓、装幀・装画=井上陽子

2640円(税込)
四六判上製・144頁
ISBN978-4-7837-3752-0
2021年6月刊

本のご購入はこちらから

 

関中子『誰何』

null


第18回詩歌句随筆評論大賞 詩部門優秀賞受賞!


深い青に誘われる
一枚の枯れっ葉のようにシーツにひっついて
うす青い空に眺められる
地上から見えない日にも信じる
(「これくらい」)

青ずっぱい空、白く光る風、空を繕う真珠――人は21世紀の景を歩き始めたばかりよ。あのころの青と、いまの青は変わっただろうか? 湧き出る詩想にひかりを投げる新詩集。

2420円(税込)
A5判並製・96頁
ISBN978-4-7837-3749-0
2021年6月刊

本のご購入はこちらから

 

貞久秀紀『外のなかで』

null


叙景の夢


この一連の
平明なことばのひろがりのなかで
(「心」)

「地上を想い起こしながら」「外のなかで」「かたわらの歌」の三部構成によることばの起伏をゆるやかに歩きながら、人の生にそれとなく去来するものの光と陰が呼び起こす29篇。高見順賞を受賞した『具現』以降、4年ぶりの新詩集。装幀=清岡秀哉

2640円(税込)
A5判変型上製・96頁
ISBN978-4-7837-3750-6
2021年6月刊

本のご購入はこちらから

 

松下育男『コーヒーに砂糖は入れない』

null


好評2刷


日々に
ゆらいで
そのゆらぎのままここを
降りようとしているね
(「コーヒーに砂糖は入れない」)

「コーヒーに砂糖は/入れない//もうなにも/これ以上あまくしたくないから」。大事なことはすべて書いた。繊細なこころ、恥ずかしい思いもすべて。何度かの沈黙をへて書き継がれた16の詩篇。生きていくために、これだけは言っておきたいこと。18年ぶりの新詩集。組版・装幀=二月空、装画=松本全廣

2640円(税込)
四六判上製・112頁
ISBN978-4-7837-3751-3
2021年6月刊第1刷、2022年9月第2刷

本のご購入はこちらから

 

野村喜和夫『妖精DIZZY』

null


荒れ騒ぐ無限


きょう 死の/うながしのように
ひかり はげしいね

ああ なんだか/ふらふら しちゃいそう
(「絵本『眩暈』のためにⅠ」)

まわれ阿環列、ぐるぐる。彼方の眩暈地平へ、非局所的脱出、しやがれ――。「眩暈原論」と「絵本『眩暈』のために」の2パートで描かれる、陶酔と狂気の言語スパイラル。レイアウトによる介入的批評/分析が加わった、かつてなき書物の立ち上げ。函入2冊。装幀・本文デザイン=山本浩貴+h

5500円(税込)
A5判変型コデックス装函入・288頁/128頁
ISBN978-4-7837-3748-3
2021年5月刊

本のご購入はこちらから