詩の本の思潮社

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須永紀子『時の錘り。』

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第73回読売文学賞受賞 重版出来!


けれど明日
レビヤタンに追われたきみは
鳥を友に、ボートに揺られて
向こう岸へ行くこともできる
(「きみの島に川が流れ」)

鳥に導かれて、もうひとつの世界を生きる。記憶は時の錘りとなり、私たちを光のあるほうへ誘う。『森の明るみ』から7年ぶりの新詩集。装幀・組版=二月空 好評第2刷

2420円(税込)
A5判並製・96頁
ISBN978-4-7837-3746-9
2021年5月刊

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田窪与思子『サーカス』

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ここ、どこ?


何もかもが行き詰まった世界の片隅で、研いだ玄米を炊飯器にいれたあたしは、新型コロナウイルスのニュースを消し、虹色の光降り注ぐ庭園を空想する。(「空想庭園」)

「田窪与思子の詩のキーワードは移動だ。それゆえサーカスだ。悲喜こもごもの事象を包み込んで、言葉の天幕が時空を翔ける。そのとき、「あたし」とはもちろん「あしたの朝焼け」にほかならない」(野村喜和夫)。目くるめく第4詩集。装幀=佐野裕哉

2750円(税込)
A5判上製・128頁
ISBN978-4-7837-3745-2
2021年4月刊

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伊勢功治『北方の詩人 高島高』

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モダニズムからネオ・リアリズムへ


作家の生前の評価が時間の中で変化し、名を残すものもいれば、消えていくものもいるのは歴史の必然である。しかしそれは、残されたものが、いかに理解し、評価し、語り伝えるかに大きくよっていることも事実である。この詩人の足跡をできるだけ調べ、詩業の全貌を明らかにし、その詩精神を理解すること。滑川という「北方」の地がどのように詩人を育てたのかを知ること。それは(…)私自身を見つめ直す旅であった。(「あとがき」)

戦前、北川冬彦、萩原朔太郎に見出され、詩人として華やかにスタートを切った高島高。戦争、医師の仕事、自身の境遇を引き受け葛藤しながら、ネオ・リアリズムを掲げた北川と運命をともにする形で歴史の波に埋もれた詩人の知られざる生涯を、膨大な一次資料からひもとく。本文組版・装幀=著者

〈目次〉
高島高アルバム1910-1955
第1章 高島高の生い立ちと詩
第2章 昭和医学専門学校時代
第3章 詩人たちとの交流
――山之口貘、佐藤惣之助、花田清輝、高見順
第4章 北方の詩人 高島高
第5章 翁久允と「高志人」
第6章 『山脈地帯』
第7章 戦後の詩と活動
第8章 高島高と近代詩の終焉
巻末資料/資料「高島高 交流作家一覧+交流図」32頁

3520円(税込)
四六判上製・320頁
ISBN978-4-7837-3824-4
2021年3月刊

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颯木あやこ『名づけ得ぬ馬』

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第23回小野十三郎賞特別賞(詩集部門)受賞!


祈りがつづいている世界、美しいと思うかい? それとも、祈りというものはいつか終わるべき歌だ、そう考えるかい?
(「天の魚」)

「痛みは身体的痛覚ではなく、詩にあるときはむしろ、五感を超えた次元で生起する、抗いがたい生からの呼びかけとして描かれる。(…)詩人の役割は、痛みを表現することではない。それを変容させること、痛みを祈りに、そしてついには愛へと変貌させることである」(若松英輔)。五感を超えた次元で生起する痛みを引き受け、いのちの際から豊饒へ――言葉が飛翔する第4詩集。

2640円(税込)
A5判上製・112頁
ISBN978-4-7837-3744-5
2021年4月刊

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