詩の本の思潮社

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江文瑜/池上貞子・佐藤普美子訳『仏陀は猫の瞳にバラを植える』

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生命、愛、心と対話するグレート・ジャーニー


仏陀は猫の左の瞳にバラを植える
猫は愛しい人が見えた時
瞳孔は喜びでひろがり
つれてバラも
世界をひろげる
(「序詩 仏陀は猫の瞳にバラを植える」)

詩人が日本の猫と仏典の関わりから得た霊感は、仏陀に出会う長い旅をへてついに「ニャオ」と産声をあげた。猫の一生を描く4つの組詩により、人生や魂との対話、生命の物語があざやかに花ひらく。台湾を代表する詩人の新境地。

本体2600円+税
四六判並製・256頁
ISBN978-4-7837-2787-3
2021年1月刊

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岸田裕史『水のなかの蛍光体』

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青いゆらめき


冷たい風がこの村の
緻密に組み上げられた極性配列を崩してくれる
もうこの村に思い残すことはなにもない
(「夜にゆすられ」)

「戦後詩とはひと味もふた味もちがう回路での意味の回復を担っているともいえる。まぎれもなく今日の現代詩に新風を送り込む一冊といっていいだろう」(倉橋健一)。「テクニカルタームと抒情的な文体が相まって、えもいわれぬフェティッシュな詩語の興奮を高めていく。(…)ぜひ作者のたくらみを存分に楽しんでいただきたい」(田中庸介)。有機と無機の物質がゆらぎ、混じり合うなか、崩壊を予感する。未知の世界へと向かう詩32篇。

本体2400円+税
A5判上製・112頁
ISBN978-4-7837-3739-1
2020年11月刊

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岡本啓『ざわめきのなかわらいころげよ』

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ふたごのブランコ


わたしは拒否する
わたしのための朝焼けを
息をのむほど高いこの失望こそ
わたしのもの
(「透明の靴を編む」)

「そうだ、石室は、胎内というよりもむき出しの聴覚だ。大地がきき耳をたてている。墳丘の耳――。するとどうだろう、太古からはるかな物音が一気に聞こえてくる」(「風景に呼びかける」。)二冊のはざまからふく風に――。2010年代を画した『グラフィティ』『絶景ノート』につぐ、待望の第3詩集。好評重版! 著者自装

本体3600円+税
A5判変型上製たとう入・80頁/88頁
ISBN978-4-7837-3730-8
2020年11月刊

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藤田晴央『空の泉』

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たましいとの対話


ふり仰ぐ頭上に
たましいの泉があり
わたしは
湧きでるものに
のどをうるおしている
(「空の泉」)

「生きているということの中には、分析など出来ようもない深いところから湧いてくるものがある。詩とは、そのこんこんと湧いてくる泉である。」(あとがき)三好達治賞詩人が「人間のたましい」と対話。気が遠くなるような自然の奥深い語りかけを受けとめた、優しく静かな思いにつらぬかれた抒情詩集。

本体2200円+税
A5判並製・98頁
ISBN978-4-7837-3734-6
2020年12月刊

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新倉葉音『夕間暮れに見た白い花』

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花を傍らに


青空色のおおいぬのふぐりの花が
風に飛ばされ散り散りに消えていった
(「ある春の日」)

「おおいぬのふぐりの花言葉は「信頼」「忠実」「清らか」だ。新倉葉音の詩には、この三つの言葉がとてもよく似合う。花を基調に、人への「信頼」と人生への「忠実」、そして母への愛を求めた「清らか」な詩がここにある。」(金井雄二)。9年ぶりの最新詩集。

本体2400円+税
A5判上製・104頁
ISBN978-4-7837-3735-3
2020年10月刊

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