詩の本の思潮社

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今村秀子『つまからほどきましょ』

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着物の裾は


つまから ほどきましょ
たとうしにくるまれたあかいきものは もう

     あわせのすそをつまみ
     はたいてみせてくれた おはりのせんせい
     (…)
     「じょうずにつまをたぶらかせば
      うつくしさは きわだちます」
     (「はるさめ」)

「喜怒哀楽のいっさいをほどいて素にかえる、はぶたへの裏地で作るもの、くらしのなかの居住まいや佇まいを、そっと濡らしてゆく雨のそぶりに濃い命のしおり」(川上明日夫)。「はるさめ」「ぼたん雪」「かきつばた」……遅れていく思いを、季節のうつろいに託して。

今村秀子(いまむら・ひでこ)
1949年福井県南条郡生まれ。詩集に『17才のうた』『野菊』『紅蓮』『百八枚の花びら』『山姥考』がある。詩誌「木立ち」同人。

本体2400円+税
A5判変上製・96頁
ISBN978-4-7837-3705-6
2020年8月刊

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森文子『野あざみの栞』

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あしたも、種をまこう


水が 空気が
ひとときも 流れをとめないように

たましいって
ぐるぐる まわり続けるのだろうか
どこかの野末に たどり着くのだろうか
(「ほうれん草」)

「ものいわぬ土や野菜の目と耳になって命の味の素をつくる。ぬくとい土への手づくりの礼儀と懐かしさが用意された珠玉の22篇、一期一会」(川上明日夫)。本業の傍らでつづけた畑仕事、「不思議な土のおこない」に心うばわれ続けて30余年。第2詩集。

森文子(もり・ふみこ)
1947年福井県鯖江市生まれ。詩集に『ぼてさんのカニ』(花神社、2009年)がある。詩誌「木立ち」同人。

本体2400円+税
A5判変上製・88頁
ISBN978-4-7837-3704-9
2020年8月刊

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進藤ひろこ『森がたり』

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ほんとうに生きたのだろうか


言葉を持たないものたちの 近くで
語り尽くせない 森がたりを
睡らずに聴いている夜の 窪みの深さ
(「森がたり」)

「この詩集では、子どもの、いや少女の、目や耳が敏感に動いている。」(吉田文憲)、「自然のなかに身を置き、自然と向き合いながら、そこからさまざまな抒情を紡ぎ出してゆく」(野村喜和夫)。疲れた仕事帰りにふり仰ぐ空。詩への思い。第2詩集。装画=戸次祥子

進藤ひろこ(しんどう・ひろこ)
山梨県甲府市出身。詩集に『夏の破片/牛島の夏』(1986年)がある。

本体2500円+税
A5判上製・112頁
ISBN978-4-7837-3703-2
2020年7月刊

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矢澤準二『チョロス』

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人生の70年ぶん


ドラえもんが生まれるのは
今からおよそ百年後で
ドラえもん
ちゃんと生まれてくることができるのか

心配しても
どうにも仕方のないことを
心配している
(「縁台」)

「生涯の節目に栞をはさむようにして書かれた詩の束を、パタンと閉じたあと、無音の響きにたじろぐ」(井坂洋子)。「チョロスではなくチュロスよ」という妻の声を背に、人生の七十年分を、とぼけた足どりで描く。飄々と、淡々と。第1詩集。装画=平木元

矢澤準二(やざわ・じゅんじ)
1950年6月、東京・浅草生まれ。早稲田大学法学部卒業後、41年間、株式会社電通で勤務。

本体2500円+税
四六判上製・104頁
ISBN978-4-7837-3702-5
2020年7月刊

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秋山基夫『シリウス文書』

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すべてを詩で


わたしは
灯りが消えない部屋で
物語が外へ出るために
語りつづける
(「始原幻想」)

「詩で何もかも書いてみたらどうか。(…)単に定義の問題として棚上げするのではなく、現在の詩について、あるべき詩について、徹底的に考えてみるべきだろう」(あとがき)。
詩はジャンルなのか、文体なのか。あらためて現代詩が内包する根本命題に実作をもって挑戦する。装幀=則武弥

秋山基夫(あきやま・もとお)
1932年生まれ。大学に入って小説、詩を書きはじめる。長い中断のあと、第1詩集『旅のオーオー』(1965年)を刊行。1960年代後半から、片桐ユズル、有馬敲、中山容らと自作詩朗読の運動((オーラル派」)をおこなう。『十三人』(第1回中四国詩人賞)『家庭生活』(第16回富田砕花賞)『オカルト』『薔薇』『月光浮遊抄』、現代詩文庫『秋山基夫詩集』、『文学史の人々』(思潮社オンデマンド)など著作多数。

本体3200円+税
A5判函入・112頁
ISBN978-4-7837-3698-1
2020年6月刊

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