詩の本の思潮社

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山内功一郎『沈黙と沈黙のあいだ――ジェス、パーマーとペトリンの世界へ』


詩さがしへのいざない


語源的に「大気のそよぎ」あるいは「呼吸」と関連づけられる「亡霊」(spirit)の出現を機に、それまで窒息しかかっていた私たちがもし呼気と吸気の循環をひとまず取り戻すことができるとすれば、そのこと自体には幾ばくかの価値が認められはしないだろうか?
(「ペトリンのノートブック」)


サンフランシスコ、東京、京都、パリ――それらの都市で、ひとりのアメリカ文学者が詩人や画家たちをはじめとするアーティストたちの世界へと歩み入り、やがて彼らの作品が発する「無音のざわめき」へと耳を澄ましはじめる。鮎川信夫賞受賞『マイケル・パーマー』に次ぐ、言語の詩と非言語の詩が生じる地点へと読者をいざなうトラベローグ。

本体2400円+税
四六判上製・234頁
ISBN978-4-7837-3808-4
2017年12月刊

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十田撓子『銘度利加』


第68回H氏賞受賞!


さきの世で繋がる人たちはとうに立ち去った

とても遠い呼び声を
ずっと聞いていたような気がする
(「銘度利加」)


「来満街道は、山深い大湯で育った少女の、そしてこの詩集の夢の通り路である」(吉田文憲)。「『銘度利加』は、新しい受洗者名簿(メトリカ)として、大湯の町のハリストス正教の記憶を後の世に伝えるだろう」(林浩平)。この土地を行き交う者たちの気配を、胎内に響かせ、鎮める、聖なるうた声。第1詩集。装幀=猿山修。重版出来!

本体2200円+税
A5判変型並製・112頁
ISBN978-4-7837-3593-9
2017年11月刊

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暁方ミセイ『魔法の丘』


第9回鮎川信夫賞受賞!


光は高純度
あんなにぺらぺら折れながら
酸素もない場所を通ってくるのに
わたしは温かな生命活動を
まだ続けていくのが悲しかった
(「冬の太陽」)


「(正数です/風景は/盛り上がったり生まれたり/せわしない正数の/じゅくじゅくとした蠢動/それらでできた/まるみを帯びた光景です」(「ワールドドーム」)。見つめるものは見つめ返される――。受信体となり、詩人は知覚の縁へと果敢に歩んでゆく。『ウイルスちゃん』『ブルーサンダー』につづく、注目の第3詩集。装幀=カニエ・ナハ

本体2000円+税
A5判変型並製・98頁
ISBN978-4-7837-3594-6
2017年10月刊

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秋山基夫『文学史の人々』


文学が担うべき課題とは何か


文学を読む人は、幼いときはただ夢中になって読み、中学生にもなるとひたすら溺れるように読み、さらに読みつづけると作者が何が言いたいのか、自分はそれが読めているのかどうか不安になる。(…)何が正しいか深いか、それは自分が何をどう書こうとするかによってどのようにも決まる。ひとは書くように読み、読むように書く。
(あとがき)

正岡子規、森鷗外、樋口一葉、石川啄木、若山牧水、三木露風、萩原朔太郎、種田山頭火、そして戦時下の詩人たち……文学史上の諸問題をさぐるべく、詩、散文、注を一体として呈示する画期的評論。装幀=則武弥、装画=河井いづみ

*この本はオンデマンド出版で、アマゾンのサイト(Amazon.co.jp)のみでの販売になります。書店および思潮社営業部での取り扱いはありません。ご注文ごとに印刷製本し、24時間以内に発送、2~3日でお手元にお届けします。送料、印刷手数料等はかかりません。お問合せ=03-3267-8141(思潮社編集部)

本体2200円+税
オンデマンド版(ペーパーバック)・268頁
ISBN978-4-7837-3810-7
2017年11月刊

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