詩の本の思潮社

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四元康祐『小説』


言葉・ことば・コトバ


詩人さん、お馬鹿さん
一瞬のあとは
永遠だって思いこんでる
本当はその中間こそ肝腎なのに
そこでしかあたしたち生きられないのに
(「蟻の歌」)

心のなかから言葉が消えるとき、自分は自分の外へと滲み出す。詩と小説の距離は表現の方法だけにとどまらない。つねに実験的冒険作で読者を驚倒させてきた著者が、詩のかたちで問いかける、小説、詩、そして言葉と人間。新詩集2冊同時刊行! 装幀=中島浩

本体2400円+税
A5判並製・160頁
ISBN978-4-7837-3566-3
2017年5月刊

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四元康祐『単調にぼたぼたと、がさつで粗暴に』


自由詩のゆくえ


だから野火焼きながらお口パクパク
領土のようにワイシャツの胸元はだけて
ファック斉唱!
(「儀式と強制」)

朔太郎は昭和初期の詩のほとんどが「単調にぼたぼた」か「がさつに粗暴」だと嘆いたが、私たちは、むしろ自ら進んでその「ぼたぼた・がさつ」を引き受けるべきではないか。もっと奔放に、野方図に、私たちを取り巻く現実の諸相に詩の触手を伸ばして。新詩集2冊同時刊行! 装幀=中島浩

本体2400円+税
A5判並製・160頁
ISBN978-4-7837-3565-6
2017年5月刊

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金田久璋『鬼神村流伝』


小さな抒情的叙事詩


埋(い)くれば 山崩(くえ)の引く
川に流せば 何かにつかまって 一節なと残ろ
焼いたっちゃ ほかほかと尻が火照(ほて)ってよかとよ

地べたに蹲(つくば)って
ぶつくさ一人愚痴る
草取りの農婦のモノローグから
やがて目ざめ 繁り出す露草のダイアローグ
(「物言う草」)

「金田さんの自己創造というべき肉声が、柔かい息遣いで、フォークロアの世界を通奏低音のように低く響かせることで、独自な意志(常民的生涯者にたいする共感)をもった抒情的叙事詩として成立させる」(倉橋健一)。風土の記憶に定住者の生死を交差させ、田の泥土から現代の違和を穿つ第4詩集。装画=西田理菜

本体2600円+税
A5判上製・142頁
ISBN978-4-7837-3560-1
2017年4月刊

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高良留美子『その声はいまも』


わたしの底に響いている


わたしはあの女(ひと)の声を聞いている
その声のなかから
いのちが甦るのを感じている
 (「その声はいまも」)

戦争、災害、そしていま――。語りえないさまざまな声のひびく流れの底に身をひたし、時代を越えて生のかたちを自他に問い、歩いてゆく。朝日新聞「天声人語」に掲載された表題作を収録、11年ぶりの新詩集。

本体2500円+税
A5判変型上製・110頁
ISBN978-4-7837-3561-8
2017年3月刊

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仲田有里『マヨネーズ』


ミニマルな言葉で


マヨネーズ頭の上に搾られてマヨネーズと一緒に生きる

この場合、力を抜くこと 半身を湯船に浸し できるかどうか

猫がいて犬がいて虻も蛾もいて女三人コーヒーを飲む


「思ったことをそのまま口にしたかのような率直さ(…)すうっと毒気を抜かれてしまう」(石川美南)。「押し付けがましくなくうっすらと、独特のフェティッシュな世界観」(田中庸介)。時代の感性をうつしとる、第1歌集。装幀=中島浩

*この歌集はオンデマンド出版で、アマゾンのサイト(Amazon.co.jp)のみでの販売になります。書店および思潮社営業部での取り扱いはありません。ご注文ごとに印刷製本し、24時間以内に発送、2~3日でお手元にお届けします。送料、印刷手数料等はかかりません。お問合せ=03-3267-8141(思潮社編集部)

本体1500円+税
オンデマンド版(ペーパーバック)・136頁
ISBN978-4-7837-3562-5
2017年3月刊

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