詩の本の思潮社

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新刊情報

塚原史、後藤美和子編訳『ダダ・シュルレアリスム新訳詩集』


ダダ100年の現在へ


DADAはおれたちの強烈さだ。(…)ダダはお上品なスリッパも、交わらない平行線もいらない人生だ。統一ってやつには反対でもあり、賛成でもあり。でも、未来には断固として反対する。
(トリスタン・ツァラ「ムッシュー・アンチピリンの宣言」)

「最初のダダ宣言以来一世紀の時が流れた現在、聞き慣れた言語を変貌させる未知の体験にふと心惹かれたなら、ぜひこの詩集を開いて、ダダイストやシュルレアリストが後世の私たちに書き残した詩を読んでほしい」(塚原史)。破壊/反抗/変革の感性と精神を生きた言葉のアヴァンギャルドたち32人の、画期的邦訳アンソロジー。好評重版!装幀=田中勲
【収録詩人】
アポリネール、ツァラ、ピカビア、リブモン=デセーニュ、リゴー、ノアイユ、コクトー、ルヴェルディ、ヴァシェ、ブルトン、アラゴン、スーポー、エリュアール、ペレ、デスノス、クルヴェル、バロン、ドゥアルム、アルトー、バタイユ、シャール、クノー、ポンジュ、ミショー、プレヴェール、ペンローズ、カーアン、プラシノス、マンスール、セゼール、イヴシック、ル・ブラン

本体2400円+税
四六判並製・240頁
ISBN978-4-7837-2772-9
2016年12月第1刷 2023年3月第2刷

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岩阪恵子『その路地をぬけて』


珠玉の散文詩集、37篇


ふとふり返ってみれば、今しがた通りぬけてきた細い路が、そしてこれから通るはずの路が見当たらなかった。
(「その路地をぬけて」)

「臭気芬々とした汚泥のようなそれら堆積物を少しずつ取り出し、辛抱強く捏ねあげ、かたちを整え、息を吹き込み、辛うじて世間にも通用する言葉というものに換えて、ふたたびこの世に旅立たせてやりたい」(「ひとりでいると」)。しなやかな詩心が、記憶と日常を重ねて瞬間をとらえる。あらゆる虚飾を排し、凜として佇む37の詩篇。装幀=清岡秀哉

本体2200円+税
A5判変型並製筒入・112頁
ISBN978-4-7837-3554-0
2016年12月刊

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藤井慶子『水鏡の記憶』


青く炎えつづけて


私のなかにようやく水の記憶がもどりはじめた 水はもえながら魂を浄化する 水面を雲が形をかえながら流れてゆく 鏡は夕映えの空に淡い月かげを静かに映しだす
(「水鏡」)

「古城の王冠のルビーの光、恋文の中の炎のゆらめき、幽明を流れる鉦の音なども、水鏡のようなゆらぎによって生まれ、消えゆく、触れられぬ幻を浮かび上がらせる。(…)そこに私は、藤井慶子さんの作品に通底している、人生への、美への、命への深い憧れを見る」(中本道代)。澄明な水鏡が映しだす、生と死のはざまのゆらめき。炎えつづける命と秘めた愛を見つめ、また見つめ返され、時をこえた対話が奏でられる。生きた証を凝縮した第2詩集。

本体2400円+税
A5判変型上製・106頁
ISBN978-4-7837-3553-3
2016年12月刊

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高見沢隆『ネオ・リリシズム宣言』


第13回詩歌句随筆評論大賞 詩部門奨励賞受賞!


暗がりに眠り
わたしという死者の永遠が一瞬に映しだされる
背骨で脱皮したセミの抜け殻が霞む声で
伸びきった神経を伝わり
音のない声が眼の触覚へ愛のように寄り添ってくる
(「目の触覚」)

言葉にいかに永遠性を持たせるか。「鬱」や「狂気」をモチーフに「死」を描いてきた詩人は、さらに宇宙的な視点から、しかしあくまでも抒情的に自らの詩想を顕わす。13年ぶりに提示される新たなる情熱の発露。

本体2200円+税
A5判上製・94頁
ISBN978-4-7837-3556-4
2016年11月刊

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吉田博子『母樹』


第17回中四国詩人賞受賞!


わたしの母は
朝露の透明に輝く玉のひと粒ひと粒に
宿っている
(「母樹へ」)

母なる樹から落ち、土に還っても、葉の思いはつながっている。痛みも輝きもありのままに、ひと粒ひと粒のいのちから虹色のうたが立ちのぼる。ゆたかに茂った新詩集。

本体2400円+税
A5判上製・110頁
ISBN978-4-7837-3552-6
2016年12月刊

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