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藤井慶子『水鏡の記憶』


青く炎えつづけて


私のなかにようやく水の記憶がもどりはじめた 水はもえながら魂を浄化する 水面を雲が形をかえながら流れてゆく 鏡は夕映えの空に淡い月かげを静かに映しだす
(「水鏡」)

「古城の王冠のルビーの光、恋文の中の炎のゆらめき、幽明を流れる鉦の音なども、水鏡のようなゆらぎによって生まれ、消えゆく、触れられぬ幻を浮かび上がらせる。(…)そこに私は、藤井慶子さんの作品に通底している、人生への、美への、命への深い憧れを見る」(中本道代)。澄明な水鏡が映しだす、生と死のはざまのゆらめき。炎えつづける命と秘めた愛を見つめ、また見つめ返され、時をこえた対話が奏でられる。生きた証を凝縮した第2詩集。

本体2400円+税
A5判変型上製・106頁
ISBN978-4-7837-3553-3
2016年12月刊

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