城戸朱理『漂流物』

第30回現代詩花椿賞受賞!
第30回現代詩花椿賞受賞!
漂流物。すでに何かであることを終え、その名を失ったもの。それでも、再び、誰かが彼らに名前を与えることはできる。そして、そのときまで、彼らは未生の状態でまどろんでいる。
(「それは、自らが何かであることを……」)
「それはわたしが何かを書き止めたというよりは、漂流物のささやきを書き写すことだった」(あとがき)。鎌倉の海岸に漂着した名もなき欠片、そこからこぼれ落ちる無数の言葉――詩人が拾い集めた非人称の断片が、いま写真とともに封じ込められ、新たな旅をはじめる。波打ち際で生まれた連作散文詩、待望の刊行!装幀=中島浩。在庫僅少・美本なし。
〇同じ著者によって
『海洋性』(2025年)
『火山系』(2025年)
『世界-海』(2010年)
『幻の母』(2010年・第61回芸術選奨文部科学大臣新人賞)
本体2,800円+税
四六判上製・160頁
ISBN978-4-7837-3302-7
2012年6月刊