金澤一志『北園克衛の詩』

前近代の固い芯をもった昭和のリンゴ
前近代の固い芯をもった昭和のリンゴ
一九三五年の創刊から一九七八年の最終一六〇号まで機関誌「VOU」の表紙に日本語が印刷されたことはついに一度もなかった、といえばただの外国かぶれのように聞こえてしまうが、形式やスタイルが内容を牽引していたのだと考えれば「VOU」はまさに北園克衛の美意識そのものだ。(「二十世紀をまとめてそのまま」)
「そのときためされるべきこと、行われるべきこと、まぎれもない近代の必然を実践し」つづけた未解決の詩人・北園克衛。その詩を読んで、読んで、考えたこと。北園に深く魅せられてきた著者が、些事までこだわり尽くし味わい尽くした誘惑のエッセイ集。著者自装。
〇関連書籍
現代詩文庫『北園克衛詩集』
北園克衛『記号説1924-1941』新装版
北園克衛『単調な空間1949-1978』新装版
本体2,200円+税
四六判上製・160頁
ISBN978-4-7837-1660-0
2010年8月刊