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鈴木正樹『壊れる感じ』


さりげなく、ジャンルを超える!


僕は 僕の場所へ 歩いているか
僕は 僕の歩幅で 歩いているか
僕は 僕の時間を 歩いているか
立ち上がる影を 僕の姿だと 言えるか
(「写し」)

女性をテーマに、短歌や評論・物語の枠を超え、落ち込んだりはしゃいだり、哲学したり――。詩と詩をつなげ、現代詩の立ち位置を、さりげなく辺境へと広げる作品群。4年ぶりの新詩集。

本体2500円+税
A5判上製・128頁
ISBN978-4-7837-3544-1
2017年2月刊

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松尾真由美『花章―ディヴェルティメント』


果てしない花の紋様を


このような
窓のひろがり
あざやかな熟視をねがい
きっと誰かが見つめている
血の色の鋭敏さと空想の両眼と
正午に浮きあがる書物のページの
なまなましい胸の痛み
香っていてあえいでいて
剝がされた花びらは
なお希求の
欠けらとなる
(「まなざしと枠の交感」)

2009年から、静かに、ひたむきに積み重ねられた、森美千代の写真とのコラボレーション。松尾真由美の新たなる挑戦。装幀=中島浩

本体3800円+税
A5判変型並製・184頁
ISBN978-4-7837-3384-3
2017年2月刊

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法橋太郎『永遠の塔』


戦慄の最新詩集


欲望は存在しない永遠の塔だ。生きているかぎり朽ちることがない黄金の精神だ。しかし哀しみはやって来る。陶器の破片から、ひとつの水甕が現れる。その水甕にたゆたっている野薔薇の花。さあ、歌え、すっかり時間に酔いしれて。
(「永遠の塔」)

詩壇を慄然とさせた衝撃の第1詩集『山上の舟』から18年。先達の死者へのオマージュをモチーフに、研ぎ澄まされた鋭利な言語が無数に拡散しながらも凝縮されてゆく。著者自装。

本体2400円+税
A5判上製・88頁
ISBN978-4-7837-3558-8
2017年2月刊

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田中宏輔『図書館の掟。』


異才が放つ渾身の新詩集!


濡れた手で触れてはいけない。
かわいた唇で愛撫するのはよい。
かわいた唇で接吻するのはよい。
しかし
けっして歯を立ててはいけない。
嚙んではいけない。
乾いた指が奥所をまさぐり
これをいたぶるのはよしとする。
死者たちは繊細なので
死者たちの悪口を言ってはいけない。
死者たちはつねに耳をそばだてている。
死者と生者とのあいだの接触は
一度にひとりずつが決まりである。
(「図書館の掟。」)

類のない詩的世界をあらしめる、言葉そのものへの徹底した感受と方法。圧巻の長篇詩「図書館の掟。」「The Marks of Cain。」をはじめとする、350頁を超える大冊。装幀=中島浩

*この詩集はオンデマンド出版で、アマゾンのサイト(Amazon.co.jp)のみでの販売になります。書店および思潮社営業部での取り扱いはありません。ご注文ごとに印刷製本し、24時間以内に発送、2~3日でお手元にお届けします。送料、印刷手数料等はかかりません。お問合せ=03-3267-8141(思潮社編集部)

本体2800円+税
オンデマンド版(ペーパーバック)・354頁
ISBN978-4-7837-3555-7
2017年2月刊

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