現代詩文庫『小笠原鳥類詩集』

むきだしの言語=動物が跳梁する
むきだしの言語=動物が跳梁する
熟成・魚礁・魚醬、数年間放置され、孔雀も生きていた生きていた、ダイビング攪拌して動く見える見える、おかしい、華麗な死なない。攪拌しながら中を動ける深海、腐敗水族館・腐敗水族館、ひっひっ、並んだ並んだ、あえかな、くさっていて、おかしい。おかしい――
(「腐敗水族館」)
「海底の泥を蹴立てて白色のまた紅色の馬となって 一瞬われわれの目の前を横切ることがあるから油断はならない」(岡井隆)。
反抒情の極北を指す、ことばの未知の光景へようこそ。『素晴らしい海岸生物の観察』で圧倒的な驚きを開示した小笠原世界を一望する。
解説=入沢康夫、野村喜和夫、田野倉康一、榎本櫻湖、小林銅蟲
本体1500円+税
四六判並製・162頁
ISBN978-4-7837-1000-4
2016年4月第1刷 2025年2月第3刷