詩の本の思潮社

ホーム新刊情報月別リスト > アーカイブ
新刊情報

松岡政則『艸の、息』


その聲を――


生来、まつろわぬ身
艸をはなれて艸をする身
(「くさわた」)


この国と台湾の行き来の中で、何度もおどろき、出会い直し、かすかな聲を拾っていく。土地の名、人の名、それら固有のことばが、現実をつき抜け、突破するちからとなる。

本体2,200円+税
A5判並製・94頁
ISBN978-4-7837-3491-8
2015年9月刊

本のご購入はこちらから



 

斎藤恵子『夜を叩く人』


4年ぶりの新詩集


遠く夜を叩いている音が聴こえてきます
 とむ とむ とむ
生きているから恐ろしい
静かな風が吹いています
(「夜を叩く人」)


いつも懐かしく、そして、おそろしい。聴いてはいけない、セイレーンの歌声のように。『無月となのはな』(晩翠賞)、『海と夜祭』につづく第5詩集。装画=松本冬美

本体2,400円+税
A5判上製・102 頁
ISBN978-4-7837-3490-1
2015年9月刊

本のご購入はこちらから



 

中塚鞠子『天使のラッパは鳴り響く』


何処へ行くのだろう


会いたかったら沙漠においでとあのひとはいったのだ
闇の中を鳥になって飛んでゆく
渡された種を砂に埋める
どんな芽が出てどんな葉が伸びどんな花が咲いて
さて どんな実がみのるのだろうか
(「ゆきくれて」)


「万事にひかえ目な慎ましいタイプの女人だと思っていたら、いつどこで身につけたか、このしなやかなブラックユーモアに通じる不気味な表現世界は、まちがいなく中塚鞠子が長く詩を書くことによって身につけてきた生きるための癒しのエッセンスだ。〈往きはよいよい還りは怖い〉と言われればよけいに還りを経験したくなるように、中塚鞠子の穏やかな表現の裏にはたしかな魅惑に満ちた魔性が潜んでいる。読みすすめるほどにその魔性にこそ惹かれ、いとおしくなってくる」(倉橋健一)。生の方途をもとめて表現の力を手探りする、8年ぶりの新詩集。装画=あまのしげ

本体2,300円+税
A5判上製・98 頁
ISBN978-4-7837-3487-1
2015年9月刊

本のご購入はこちらから



 

髙木敏次『私の男』


始めること、終えること


影をつくることを
そっと教えるには
往かねばならない
道は
現れてくるのだ
(「私の男」)


「私にとって世界とはひとりではなく、ふたりでいる場所。私とは関係に過ぎない。自己は他者によって成り立ち、他者は自己を作り上げる。したがって私とは、ここにいない私、見たこともない私へとせまる影にすぎない」(あとがき)。『傍らの男』でH氏賞を受賞してから5年、詩人はひたすら耳をすまして歩みすすむ。15の章に紡いだ長篇詩。待望の第2詩集。装幀=夫馬孝

本体2,200円+税
四六判上製・98 頁
ISBN978-4-7837-3486-4
2015年9月刊

本のご購入はこちらから



 

近藤摩耶『可視光線透過率』


影と反射、静もる時


道順はどうしても
片端から忘れかける

ほら どの道だったか
(「途中の広場」)


「近藤摩耶さんは運命的で、革新性があり、新しく世に問うところの詩集は、二十一世紀の人口減少の都会の模様を明らかに射抜いている。日本を解体・再編しているような技量がうらやましい。
大阪はいつも、つねに社会変動のネットワークに結びつくゆえに、前衛的に、若く、躍動的に変わりうる方向を持つ。その履歴に提示される移籍宣言は、珍しく私自身の内部に、異様な未来性のあるエネルギーのかたちを撃ちこんできたように思った。北の国からやってきて、東淵修という強い個性の魔像に認知され、最終的には運命の冠を受ける事件であり、大きなカーヴをつくり出す。現今に生きている私にとって、それが明確に見える魅力でもある」(長谷川龍生)。忘れがたい記憶と現在を昇華して、多彩な詩の光景を描き出す33篇。

本体2,200円+税
A5判上製・98 頁
ISBN978-4-7837-3474-1
2015年9月刊

本のご購入はこちらから



 

岡本勝人『ナポリの春』


たゆたう抒情


路地をくだれば
あまたの秘法が横たわり
濡れた石畳がむこうから歩いてやってくる
(「裏町で聖女にであう」)


思考と歩行に身をまかせ、ポエジーを羽ばたかせる。古今東西の芸術作品を自在に渉猟した第6詩集。

本体2,400円+税
四六判上製・104 頁
ISBN978-4-7837-3492-5
2015年9月刊

本のご購入はこちらから



 

颯木あやこ『七番目の鉱石 seventh ore』


第26回日本詩人クラブ新人賞


ちいさな心臓の像を拾えば
錬金するのではなく
火種に と願う
(「ニケ」)


「不毛と豊饒がめまぐるしく入れ替わる女性性を生きなければならない「わたし」の変幻きわまりないイメージ」(野村喜和夫)、「美と情念の爪によって善悪の皮を剝がされたウサギ……あるいは、大人になりかけた少女の瑞々しくも酷い裸体のようだ」(伊武トーマ)。黒曜石の切っ先が夜空を裂いて、傷口から光と闇の多元の変奏がはじまる――。新たな出発を告げる第3詩集。装幀=北澤眞人

本体2,200円+税
A5判並製・96 頁
ISBN978-4-7837-3485-7
2015年8月刊

本のご購入はこちらから