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近藤摩耶『可視光線透過率』


影と反射、静もる時


道順はどうしても
片端から忘れかける

ほら どの道だったか
(「途中の広場」)


「近藤摩耶さんは運命的で、革新性があり、新しく世に問うところの詩集は、二十一世紀の人口減少の都会の模様を明らかに射抜いている。日本を解体・再編しているような技量がうらやましい。
大阪はいつも、つねに社会変動のネットワークに結びつくゆえに、前衛的に、若く、躍動的に変わりうる方向を持つ。その履歴に提示される移籍宣言は、珍しく私自身の内部に、異様な未来性のあるエネルギーのかたちを撃ちこんできたように思った。北の国からやってきて、東淵修という強い個性の魔像に認知され、最終的には運命の冠を受ける事件であり、大きなカーヴをつくり出す。現今に生きている私にとって、それが明確に見える魅力でもある」(長谷川龍生)。忘れがたい記憶と現在を昇華して、多彩な詩の光景を描き出す33篇。

本体2,200円+税
A5判上製・98 頁
ISBN978-4-7837-3474-1
2015年9月刊

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