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イベント情報

大岡信展 言葉を生きる、言葉を生かす

2025年02月28日

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◎大岡信展 言葉を生きる、言葉を生かす
会期:2025年3月20日(木・祝)~5月18日(日)
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(5月5日は開館)
会場:県立神奈川近代文学館第2・3展示室
観覧料:一般700円(500円)、65歳以上・20歳未満及び学生350円(250円)、高校生100円(100円)、中学生以下は無料 *( )内は20名以上の団体料金
主催:県立神奈川近代文学館、公益財団法人神奈川文学振興会
編集委員:三浦雅士(評論家)

卓越した知性を内包し、詩歌を読み、書き、その魅力を余すところなく発信した大岡信(1931-2017)。批評『現代詩試論』でデビューしたのち、詩集『春 少女に』などで愛や生きる歓びをうたい、ライフワーク「折々のうた」では詩歌を人びとにとって身近なものとしてきました。その織り成すことばは人びとを魅了し続けています。
神奈川近代文学館では2020 年以降、大岡家をはじめとする方々から大岡の遺した書、原稿、創作ノート、書簡などを受贈し、「大岡信文庫」として保存しています。本展ではこれらの資料を中心に〈おおらかな感性の詩人・大岡信〉の生涯を追いながら、広く人びとにひらかれた、豊かなことばの世界を展開します。

神奈川近代文学館
〒231-0862横浜市中区山手町110 港の見える丘公園内
電話:045-622-6666 https://www.kanabun.or.jp/
最寄り駅:東急東横線直通・みなとみらい線「元町・中華街駅」6番出口から徒歩10分
https://www.kanabun.or.jp/exhibition/21755/

〇記念イベント
講演=4月5日(土)三浦雅士「日本詩歌の豊穣」
講演=4月26日(土)大岡玲「父を語る」(聞き手:西川敏晴)
トーク=5月10日(土)岡本啓、マーサ・ナカムラ、水沢なお「1人1人の『海』を挨拶に」
*いずれも14時開演

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〇関連書籍
現代詩文庫『大岡信詩集』
現代詩文庫『続・大岡信詩集』
現代詩文庫『続続・大岡信詩集』
「現代詩手帖」2017年7月号「追悼特集・大岡信」

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バイリンガル朗読会:The Art of Being Together

2025年02月23日

バイリンガル朗読会:The Art of Being Together
A Global Reading in Celebration of Takako Lento

日本時間 2025.3.1(土)10:00
米国時間 2025.2.28(金)19:00

zoomアカウントはこちら

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photo=Mizuno Fukahori

出演:

四元康祐、田原、谷川賢作、野崎有以、森山恵、小池昌代、柏木麻里、覚和歌子、柿原妙子、蜂飼耳、文月悠光、菊地利奈、ジェフリー・アングルス、ケンダル・ハイツマン、ジャニーン・バイチマン、アンドリュー・カンパーナ、エリック・セランド、ジョーダン・A・Y・スミス、アンディ・ホウエン、野中美峰、藤井一乃、Mariela Cordero、Ava Pollen、Kendra Strand、Marianne Tarcov、LucillaTrapazzo、Miharu Yano

連東さんは、四元康祐さんが2004年以降Japan Editorを務めていたPoetry International Web(https://poetryinternational.com/en/)にも翻訳者として参加、日本の現代詩の英語圏への紹介に大きく貢献されました。

かつてフルブライト留学生としてアイオワ大学に留学、IWP(アイオワ・ライティング・プログラム)の前身の参加者でもあり、IWP立ち上げにも尽力されました。今回も、アイオワ大学からオンラインでつないで発信されます。米国時間は、2025.2.28(金)19:00です。

今回、日本からは、連東さんによる翻訳のある詩人を中心に、アメリカからは、連東さんの友人、翻訳仲間が参加して、日本語の原文と連東さんの英訳を交互に詩を読みあう予定です。

「The Art of Being Together」というタイトルは、連東さんが翻訳された谷川俊太郎詩集『The Art of Being Alone』に因むもので、アイオワ大学のケンダル・ハイツマンさんの発案。連東さん訳の俊太郎さんと覚和歌子さんの連詩を、ご本人にかわりご子息の賢作さんと覚さんが朗読くださいます。

次号、「現代詩手帖」2025年3月号「海外詩の前線 文学レジデンシーを通じて」には、ケンダル・ハイツマンさんのインタビューを再構成して掲載しています。アイオワから京都文学レジデンシーまで。

京都文学レジデンシーは、2005年、野村喜和夫さんと同時期にIWPに参加された吉田恭子さん、昨年参加の澤西祐典さんらによって、2022年にはじまりました。現在は、広くアメリカの多くの大学にあるライティング・プログラム。その起点となった、アイオワ、IWPの歴史が概観できます。

http://shichosha.co.jp/gendaishitecho/item_3421.html

https://kyotowriters.org


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陳育虹『薄明光線その他』(思潮社)刊行記念 日台現代詩ミニセミナー「"Crossing"――言語、他者、未知へ」

2025年02月21日

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陳育虹『薄明光線その他』(思潮社)刊行記念
日台現代詩ミニセミナー「"Crossing"――言語、他者、未知へ」


『薄明光線その他』(佐藤普美子訳、思潮社)刊行を記念し、著者陳育虹氏を招いてミニセミナーを開催します。
陳氏の詩世界に特有の、「強い音楽性と官能性」「自然に対する畏怖と探求への憧れが入りまじるアプローチ」(チカダ賞授賞理由)を多角的に味わう貴重な3時間。ふるってのご参加をお待ちしています。

イベント概要
日時:2025年3月22日(土)14:00~17:00
会場:台湾文化センター(港区虎ノ門1-1-12 虎ノ門ビル2階 地下鉄「虎ノ門駅」すぐ)
入場無料(予約不要)

第1部 トーク&朗読「災禍のなかで」
出演=陳育虹×和合亮一

第2部 レクチャー「現在・翻訳・古典」
出演=三木直大 佐藤普美子 趙偵宇

第3部 朗読「読み手が選ぶ一篇」
出演=唐作桂子 横山洸大 潘睿

通訳=及川茜(東京大学)、郭暁英(中央大学・院)

*第3部終了後、書籍購入者を対象にサイン会を開催します。
*終演後、懇親会開催予定

*プログラムの詳細はこちら
*出演者のプロフィールはこちら

問合=tel 03-3267-8141 sichosha@sight.ne.jp(思潮社)

共催 思潮社 台湾現代詩研究会

プログラム


第1部 トーク&朗読「災禍のなかで」

出演=陳育虹×和合亮一

陳育虹氏は、以前から台湾中部大地震や、9.11同時多発テロ、そして東日本大震災の翌年には被災地を取材し作品を発表。以前から世界各地の災禍に寄せた詩を書きつづけ、本書にも数篇収められています。
和合亮一氏もまた、東日本大震災被災直後からTwitter(現X)で「詩の礫」を発信し、災禍に向き合いながら多層的な詩世界をあらわしています。
災禍のなかで、どのように詩の言葉をつむぐのか。そして、新たな自然との関係性をどうとらえるのか、お二人が語り合います。

第2部 レクチャー「現在・翻訳・古典」
出演=三木直大 佐藤普美子 趙偵宇

第2部では、台湾と日本の詩歌の関係性や、陳育虹氏の詩世界を多角的に掘り下げます。三木直大氏は、台湾と日本の戦後詩の交差を論じ、佐藤普美子氏は、陳氏の欧米女性詩翻訳を紹介。趙偵宇氏は、中国清末の詩人・黄遵憲と、20世紀中国新詩(口語自由詩)の端緒をひらいた詩人・胡適、そして陳氏の詩を「猫」をキーワードに読み解きます。

三木直大「日台戦後詩の交差:台湾現代詩ワークショップから」
佐藤普美子「読む人:翻訳者としての陳育虹」
趙偵宇「黄遵憲の猫・胡適の猫・陳育虹の猫」

第3部 朗読「読み手が選ぶ一篇」

詩人、演劇人、中国と東京を背景に持つ読者が、好きな1篇を選んで朗読を行います。
三者三様の感性から陳氏の詩に光があたるとき、新たな魅力がひろがります。

出演=唐作桂子 横山洸大 潘睿

出演者プロフィール



第1部 トーク&朗読「災禍のなかで」
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陳育虹(Chen Yuhong、チェン・ユィホン、ちん・いくこう)
1952年、台湾高雄市生まれ。文藻外語学院英文科卒業。主な詩集に『索隠』(宝瓶文化出版社、2004年)、『魅』(宝瓶文化出版社、2007年)、『之間』(洪範書局、2011年)、日記体散文集に『2010/陳育虹――365度斜角』(爾雅出版社、2011年)がある。訳詩集にマーガレット・アトウッド『イーティング・ファイア』、ルイーズ・グリュック『野生のアイリス』、アン・カーソン『ショート・トークス』がある。作品は英語、日本語、フランス語、オランダ語に翻訳されている。2017年に「聯合報文学大賞」、2021年に中国文芸協会「文学翻訳賞」、2022年にスウェーデンの文学賞チカダ賞を受賞した。邦訳に詩集『あなたに告げた』(思潮社、2011年)がある。

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和合亮一(わごう・りょういち)
1968年福島県福島市生まれ。東日本大震災の直後からツイッタ―上で「詩の礫」を発表し反響を呼ぶ。主な詩集に『AFTER』(中原中也賞)、『地球頭脳詩篇』(晩翠賞)、『詩の礫』(仏語訳がニュンク・ポエトリー・レビュー賞受賞)、『QQQ』(萩原朔太郎賞)、『such and such』など。最新詩集に『LIFE』。英訳詩集『SINCE FUKUSHIMA』が、アメリカ文学翻訳者協会による選考の2024年度「ルシアン・ストライクアジア翻訳賞」の最終候補にノミネートされる。

第2部 レクチャー「現在・翻訳・古典」
三木直大(みき・なおたけ)
台湾現代詩研究会会員。広島大学元教員。編訳に思潮社版台湾現代詩人シリーズの陳千武『暗幕の形象』、林亨泰『越えられない歴史』、許悔之『鹿の哀しみ』、向陽『乱』、鴻鴻『新しい世界』、陳克華『無明の涙』など。小説では新しい台湾の文学シリーズ(国書刊行会)の李喬『寒夜』、張系国『星雲組曲』(ともに共訳)など。

佐藤普美子(さとう・ふみこ)
岩手県盛岡市生まれ。お茶の水女子大学大学院修了。駒澤大学元教員。著書に『彼此往来の詩学――馮至と中国現代詩学』(汲古書院、2011年)、『美感と倫理――中国新詩研究』(汲古書院、2024年)、編訳書に『あなたに告げた――陳育虹詩集』(思潮社、2011年)がある。

趙偵宇(ちょう・ていう)
台湾新北市出身。台湾大学学士・修士。京都大学修士・博士。駒澤大学総合教育研究部専任講師。現在、明治初期に来日した黄遵憲を中心に、当時の日中漢詩人交流について研究を進めながら、日本統治期の台湾文学の研究も行っている。猫好きな犬派。

第3部 朗読「読み手が選ぶ一篇」
唐作桂子(からさく・けいこ)
詩人。詩集『断食の月』『川音にまぎれて』(ともに書肆山田)、『出会う日』(左右社)がある。出版社勤務を経て、現在は詩関連や人文書を中心に校正・編集等に携わるかたわら、ソーシャルワーカーとしても活動中。

横山洸大(よこやま・あきひろ)
日本大学文理学部中国語中国文化学科を卒業後、中国の中央戯劇学院に留学し修士課程を修了する。専攻は戯劇与影視学。高校教員をしながら脚本の翻訳や演出助手を務める。現在は日本の劇団の台湾公演の脚本を翻訳したり、台湾の劇団の日本公演の脚本を翻訳したりしている。

潘睿(はんり)
吉林省生まれ、東京育ちの一人っ子。上海の華東師範大学伝播学院交換留学中に、出生地へ帰省、はじめて春節の“全家大團圓“を経験する。仕事はファイナンス。職場に恵まれ上海・台湾・韓国・シンガポール・インドに出張歴有。趣味は登山と餃子づくり。水餃子をこよなく愛する。

関連書籍
『薄明光線その他』
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