詩の本の思潮社

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稲川方人『詩と、人間の同意』

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詩と生をめぐる思考の軌跡


私は、ただ「破壊すべきものは破壊しよう」とだけ言った。しかし、何をどんなふうに壊しても「悲しみ」と「怒り」だけは残る。それが生きている者の姿の本質だと言いたかった。
(「アシナガバチが巣を捨てた夏、私も住む家を探しながら、命の最期を正しく生きたわが猫のために泣いていた」)

再生を標榜する権力と資本の執行から、生存の原理と形態は廃棄される。その空虚な暴力に対峙するために、「人間の同意」なしに、いま詩が書かれる理由はない。変容する光景のさなか生き尽くす意志。詩と生をめぐる著者20年余の思考の軌跡。著者自装。

本体2,600円+税
四六判上製・288頁
ISBN978-4-7837-1685-3
2013年5月刊