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添田馨『民族』

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異郷となるまでに荒廃した街々よ!


生き延びる理由の見えない世界を延命し、喜びの契機をすべて持ち去られた土地で繁栄を制度に落としこむ過ちが、いったい何度繰り返されてきたことか。かつて翼ある者が降り立ったこの幻想の土地を、二本の足を持つ者が再びその記憶となって生き延びようとしている。
(「(序)」)

金融恐慌、大震災、出口の見えない経済不況……これら未曾有の災厄の渦中にあって、なお重苦しい暗雲が立ちこめるこの国の戦後=後の空間を、内側から食い破っていく圧倒的な表出の力。「民族」――この、永遠に未然のままの超越性に対する畏怖を孕み、真の恢復という未到の一点をひたすら黙示し続ける、異貌かつ驚異の言語群。装幀=佐々木陽介+山田裕里

本体2,200円+税
A5判並製・114頁
ISBN978-4-7837-3330-0
2013年3月刊

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