おお どんなろくろっ首の一個が夜を遥かに飛び去って不安の限界にうち震える他者の体と合体したことか?明け切らぬ夜明けの寒さに共にぶるぶるがたがたと 震え続けたことか?この世のすべてでもありうる不安を共にして(「ろくろっ首」) 生きてあることから闇の底まで、詩人は書き継ぐ。ときにソネット、ときに俳句形式で刻む、さりげなくも確かな視線。抒情詩の名手、13年ぶりの新詩集。
本体2,600円+税 A5判上製・146頁 ISBN978-4-7837-3320-1 2012年9月刊