蝉が来てあああ、と言いながら被っていた笠を脱ぐここはもっとも空の青いところ公園の百葉箱の前である(「空蝉」) 風景を詩語が切り裂く。亀裂の向こう側が剝き出される。言葉の森の奥深くへ、吸い込まれていく――。詩23篇と、短歌あるいは一行詩と題された14の連作から成る、異色の第2詩集。
本体2,200円+税 四六判上製・96頁 ISBN978-4-7837-3303-4 2012年8月刊