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現代詩文庫『倉田比羽子詩集』

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原初から現在に亙る《私》探しの旅


――塞がれた耳もとで野面は無情に羽ばたき
  閉じた瞼の下で緑木は成長する
  神のみわざの迷いを混淆する青空に追放して
  私は美しい文章の一行になる
  それから口をあけた自筆の名を破り捨て
  ヌルリ、と
  横っ飛びに一気に舞い降りた
(「「私」に先立つもののために」)

「倉田比羽子の詩的探究は、宇宙大の規模と「時」とを踏みしだいて、果敢に、着実に、遂行されて行くのだ」(入沢康夫)。『幻のRの接点』『群葉』『中間溝』『夏の地名』『カーニバル』『世界の優しい無関心』『種まく人の譬えのある風景』より代表作を収録。繊細かつ大胆果敢な表現の軌跡を浮き彫りにする。インタビュー=瀬尾育生、解説=北川透、佐藤雄一。

本体1,165円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-0975-6
2012年8月刊

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