夕陽は到来と呼んでもいいか輝く金色の猿の出現キキと降りてくる湧いてくる(「金色の猿が」) 「鴨山の岩根し枕けるわれをかも知らにと妹が待ちつつあらむ」という辞世の歌を残し、水死による刑死を遂げたとの大胆な説が語られる柿本人麿……。数々の異説をきっかけに、〈猿〉を呼び込み、ひとつの源はふたつの大きな濁流となって終末的なカタルシスを描き出す。
本体2,600円+税 A5判上製・118頁 ISBN978-4-7837-3295-2 2012年6月刊