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木村大刀子『ゆでたまごの木』

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第13回中四国詩人賞受賞!


夢の中でおにぎりを差し出している初老の女
差し出しても差し出しても
どうしてもあの少年たちに手渡せない
川沿いに建つ高層ホテルの一室
小さくうなされてひとり目覚めたその人の窓に
たんぽぽ色の滲んだ月が懸かっていて
(「川の町で」)

「大刀子さんの類稀れな誠実は日常の姿に尽されている。その大刀子さんのこれは虚実の岸に立つうたである。なぜ私達は実を越えようとするのだろう。彼女は大刀子の詩、になろうとしている。暖かなはらわたとこころとあしを持ちながらなお。現実確かなひとのうたは。圧倒の重みとして私を打つ。衝撃する」(三井葉子)。約30年ぶりにまとめられた渾身の新詩集。装画=ヨシダコウブン

本体2,600円+税
A5判上製・128頁
ISBN978-4-7837-3293-8
2012年6月刊

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