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網谷厚子『瑠璃行』

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第35回山之口貘賞受賞!


三叉路に辿り着くと おばあの姿はない 二人が座っていた 石の椅子もなくなり そこには 大きな石敢當が立っていた 紅いもを食べなくてよかった と思いながら 坂道を登っていく 剥げた青やピンクの壁の間を 一匹の野良犬のように うなだれて縫っていく ここまでやって来た そうして これから どこへ
(「青の果てまで」より)


南島を縁どる光と闇、止むなき生と死の明滅。自然と歴史の織りなす、圧倒的な対比の奥へとわけ入り、詩人は記憶の水脈をひとつずつ探りあてていく。沖縄・名護から現在に向けて解き放たれる、6年ぶりの新詩集。装画=福地靖

本体2,200円+税
A5判上製・98頁
ISBN978-4-7837-3260-0
2011年10月刊

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