濃密な気配を
父や叔父の足跡が山道に消える
牡の息が吹き込まれる
深奥に血を秘めて
風に鳴る山
動物たちの瞳孔で星々から落ちてきた水が光る
(「断裂」)
記憶の奥に潜むいのちと自然への畏怖を辿り、滅ぼされたものたちの心を見つめる。萩原朔太郎賞受賞作『接吻』から8年、生命の深奥をふかく見つめ、未踏の表現を切り拓く。龍の髭/雨のノート/彷徨い人/眷属/樹木たち/音楽…6章の構成で、過去から現在、そして未来へ、その先を指し示す31篇。組版・装幀=清岡秀哉
2530円(税込)
A5判変型筒製・112頁
ISBN978-4-7837-4641-6
2026年3月刊
