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大塚英志『「妹」の運命――萌える近代文学者たち』

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なぜ「妹」なのか?


彼女たちの「内面」は男の側が秘めている「処女」の如く精細な「内面」の投影としてある。彼らが少女を愛するのは、少女を介した内なる「処女」の自己肯定にすぎない。…「妹」たちは与えられた書式で「兄」たちの望む「内面」を語ることで近代小説の中に貌をとどめている。しかしその一方で「妹」たちは一様に「兄」から捨てられる運命にある。(「彼らの内なる「妹」」)


この国の文学史は「妹」をめぐる捏造・凌辱・隠蔽を経て成立している――。「妹萌え」という病理を摘出し、近代文学の起源に巣食うナショナリズムへの傾斜を糾弾する。「現代詩手帖」連載時から話題をよんだ問題評論、待望の刊行! 装幀=奥定泰之

本体2,200円+税
四六判並製・240頁
ISBN978-4-7837-1668-6
2011年1月刊

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