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司茜『塩っ辛街道』

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第22回富田砕花賞受賞!


故郷高浜の
「御贄献上行列」の一行は
堀越峠を越えただろうか

本降りになってきた
(「この町」より)


「司茜の詩集『塩っ辛街道』は、著者の出身地若狭と現住地奈良とを結ぶいわゆる「西の鯖街道」を太い軸として開陳される深い歴史観、日常の中の非日常や不条理を見抜く眼力等、リアリズムの中にも豊かな物語性を備えている。東日本大震災以前に書かれた作品でありながら若狭湾の原子力発電所の危うさを糾弾する詩等、予見にも満ちている」(富田砕花賞選考委員評)。「四天王寺で振鉾や仁和楽を見せてもらったときの、なんともゆったりした時間の流れを思い出すが、こういう詩が今日の現代詩にあるのはとても楽しい。そこに徹し切る手腕もみごとなたおやめ詩集だ」(倉橋健一・栞)。肌理こまかな追憶詩篇から物語スタイルの時事詩まで、内なる若狭へと想いをつなぐ30篇。装画=藤原和子、装幀=倉本修

著者の言葉
8年ぶりの第3詩集です。私は奈良に住んでいますが、故郷は若狭です。若狭と奈良は天平の時代から深い繫がりがあります。今年開かれた平城遷都1300年祭を機に、酸いも甘いもある若狭への想いを『塩っ辛街道』と名付けて上梓しました。暑い日々を持ちこたえた難産でしたが、編集者、画家、装幀者、師に励まされ生まれでることができました。第3子も不出来な子供です。気は強いですが泣き虫です。お手にとって叱ってください。

本体2,600円+税
A5判上製・128頁
ISBN978-4-7837-3227-3
2010年12月刊

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