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谷元益男『越冬する馬』

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魂は残る


銀杏の葉は
丸まった牛の舌のように
男の知らない土地を舐めている
空には
枝のように掛けられた
男の腕から
芽が出はじめている
(「枝」)


「ひとは逝ったきり/かえることはない/わずかな住処を 見つけ/雨をしのぎ ふらつく影は/小屋の前にも/立つ」(「回廊」)。山や田に囲まれた土地で、人が生き死んでいく。それとは見えず聞こえなくとも、確かに在るものへ。深い闇を静かに濃やかに感受し、飾らない言葉で顕していく、詩24篇。

2640円(税込)
A5判上製・110頁
ISBN978-4-7837-3795-7
2022年9月刊

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