やがて月も満ち 氷も溶ける足もとの人々よすこやかな草のように みどりのいのちをいちどきに 芽吹かせるのだ(「是川にて」)「地底湖のゆらめく青に/一千年染められてあれ/そこまでおりてゆくから/「わたし」よ」(「青へ」)。縄文の一万年という分厚い時間が層となる北の地に詩人は立つ。人類史が変わりつつある現在、足もとから澄んだ祈りをくみ上げる。14年ぶりの新詩集。
2640円(税込)A5判上製・96頁ISBN978-4-7837-4504-42022年8月刊