風のない日においでと 渡し守は言う 赤い屋根の小学校を目印に 川岸でユンボが大きく手を挙げるあたり 鱗を光らせて 鮭が上ってくるから(「遡上」) 見つめるとき、共揺れるものたち。今ここと記憶に遠い時空がゆるやかに溶けこみ、水面に影が落ちるように小さなうたが産声をあげる。装画=著者。
本体2,200円+税 A5判上製・96頁 ISBN978-4-7837-3220-4 2010年10月刊