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伊藤浩子『数千の暁と数万の宵闇と』

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未生の生へ


少年は樹上から降り、もう半刻もすれば遅れながらもたどり着くだろう、妹の前に伸びたこの道の粗雑さと、丸く白いやわらかな右手を思った。
(「(無題一)」)


昏い記憶をつたって異質なものが語りはじめる。丹念な書記が映す、無言の深みに孕まれた予感、詩28篇。『未知への逸脱のために』(鮎川信夫賞)、『たましずめ/夕波』に続く、待望の新詩集。装幀=中島浩

本体2600円+税
A5判上製・128頁
ISBN978-4-7837-3707-0
2020年10月刊

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